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Hitachi IT Platform Magazine

IoTでお客さまのビジネスにイノベーションを生み出せ

第3回 IoTから始まる未来が見える!?

高信頼なM2M技術でモノ・コト・ヒトをつないで、高度なビッグデータ分析を実行し、さらに、そこで得られた知見を業務システムへ実装。ビジネスの変革をワンストップでサポートする日立ならではのIoT/M2Mソリューション。イノベーティブな発想でお客さまの問題解決に取り組む、IoTシステム本部のリーダーにお話をお聞きします。

第3回目は、日立の最新のIoTソリューションとIoTの未来についてお話を伺いました。


桝川さん(左)、小泉さん(右)

──日立のIoT/M2Mソリューションの先進的な部分を教えてください。

小泉 トラフィックというとデータ量や交通量のことを想像しがちなのですが、われわれはモノ・コト・ヒトの流れをすべてトラフィックというキーワードで捉えています。つまり通常のデータだけでなく、画像や映像、音声など、すべてのデータを迅速に送るためには卓越したネットワークの技術が必要です。そうしたデータを効率良く送る技術に、CoAP(Constrained Application Protocol)があります。これはhttpと比べて約2倍の高効率で送れる技術で、現在IETFにおいて標準化を策定しているのですが、今後のマルチベンダでの活用をいち早く進めるために先行採用しています。この標準化検討において、日立の研究所の大きな貢献がありました。さらに10月にリリースしました高速モバイル回線をフルに使い切るような大容量ファイル転送技術も日立独自であり、IoTの適用分野を広げるでしょう。

桝川 あとは、ネットワークの信頼性です。無線通信ですのでデータに必ず欠損が生じ、それによってスループットが大きく低下します。その対策にはかなりこだわっています。つまり、データの欠損を検知して情報を再送しながらも、通信スループットを落とさない仕組みなどを用意しています。この技術に関しては他社と比べてかなり自信を持っているところですね。長年の日立の研究の結晶というもので、実際に今のところお客さまの元で稼働しているシステムでは問題は起きていません。

──このソリューションを開発する際に一番難しかったことはどんなことでしょうか?

桝川 技術的なことよりも、意外と料金体系なのです。なぜかといいますと、IoTの時代になってビジネスモデルががらりと変わったんですね。これまでのIT業界はシステムを納品して対価をいただくというスタイルが主流でしたが、IoTの時代は月々数万円というようなサービス型の課金方式が主流です。競争力のある金額を設定するのにとても苦労しましたが、その甲斐あって魅力のある料金を設定できたと思っています。

──少し視点を変えて質問させてください。IoTの未来はどのようになっていくのかについて、お二人のお考えをお聞かせくださいませんか。

小泉 IoTがこれからますます広がっていくのは間違いないと思います。その時、今以上にスマートフォンがあらゆるデータを集約するデバイスとして重要になると思います。また、センシングデータなどさまざまなデータのオープン化も進むのではないでしょうか。特別な操作をしなくてもデータを吸い上げることができるようになっていくと思いますね。誰が所有しているデータなのかといった区分けがなくなり、みんなでデータの活用方法を考えていくようになるのではないでしょうか。つまり究極のオープン化です。もちろん、その時には個人情報などを考慮したセキュリティも重要になります。守らなければいけないデータと公開するデータを明確に切り分けることが重要になりますね。セキュリティはオール日立でしっかりと考えていくべきポイントです。

桝川 人工知能の活用も進むと思います。人工知能には実はタイプがいろいろあります。ある人工知能では問題をテキストで入力するとそれに関する情報を世界中から集めてきて分析して答えをだすというものがあります。日立も同様の人工知能を持っていますが、いま力を入れているのはビッグデータの数字列を入れると、今まで人間が気づかなかった相関を見つけ出すというものです。有名な事例では、ホームセンターのお客さまと従業員の人流を分析することで、ある特定の地点に従業員を立たせることで売上が上がることが分かった、というものがあります。なぜそこに人が立てば売り上げが上がるのか直接的な理由は分からないのですが、効果ははっきりと出ています。関係ないと思われるデータも含めて、ビッグデータを人工知能に入れてみることで、想定外の回答が出てくるのです。そうしたこともIoTの活用の一例になっていくと思います。

──そんな進化したIoTはどのような社会をつくるのでしょうか?

小泉 スマートシティ構想にIoTのエッセンスが加わっていくのは明らかです。たとえばさまざまな機械が自動化されていくでしょう。

桝川 自動車の自動運転などもそうですが、未来のデバイスは現場での入力が不要になるのではないかと思います。人間が入力せずともマシンに必要なデータが入っていって最適に動くようになるのではないでしょうか。人間はますます創造的な仕事に専念できるようになります。例えば、経営判断は人間の仕事です。現在のビジネスが半年後にどうなるかとか将来の予知と責任が伴う最終経営判断は最後まで人間の仕事として残ると思います。

小泉 日本は労働人口が減っていますから、匠の技をデジタル化して残していくことなども重要になるでしょう。メンテナンスの現場でも、匠と呼ばれる技術者にはいつもと違う異音が聞こえたります。匠の技を世界に広めることもIoTでできると思います。

──ありがとうございました。最後に、日立がこれから進めていくIoT/M2Mソリューションの方向性について教えてください。

桝川 最近思ったのは、ビッグデータ分析の「分析」という定義が明らかにかわったことです。数年前までは、自分の仮説が正しいかどうかを検証するのが分析でした。それだと自分の想像範囲のことしかでてきません。しかし日立のIoTを使えば、いろんなデータを集めて入力・分析することで、想像もしなかった結果が得られるようになりましたから、そこに発見があります。こんなことが起きていたのかという発見があると新しい発想が生まれます。ですから、IoTでもビッグデータや人工知能を活用し、いろんなデータを組み合わせて新しい価値を見つけていきたいと思っています。

小泉 メンテナンスの事例はいままでやっていたことを自動化しようというものですから、まだこの段階ではイノベーションはありません。私たちは、お客さまと一緒に課題を解決し、イノベーションを実現するという姿勢で取り組んでいます。そのためにビッグデータの分析とか人工知能とか高速なITシステムを活用しています。お客さまが気づいていなかったものを見つけて、付加価値を作るということにこれから取り組んでいきたいと思っています。

──IoTでますます社会イノベーションが進みそうですね。ありがとうございました。




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