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Hitachi IoT Platform Magazine

IoTでお客さまのビジネスにイノベーションを生み出せ

第2回 社内の先進技術を柔軟にコラボレーション

高信頼なM2M技術でモノ・コト・ヒトをつないで、高度なビッグデータ分析を実行し、さらに、そこで得られた知見を業務システムへ実装。ビジネスの変革をワンストップでサポートする日立ならではのIoT/M2Mソリューション。イノベーティブな発想でお客さまの問題解決に取り組む、IoTシステム本部のリーダーにお話をお聞きします。

第2回目は、日立のこれまでの取り組みと体制についてお話を伺いました。


小泉さん(左)、桝川さん(右)

──日立が取り組んだ一番初期のM2Mから現在のIoTに至る流れを教えてください。

小泉 現在の組織の前身となる組織では、無線を使ってデータを取ることを研究していました。当時のデータは、温度や湿度など環境のセンサーデータがほとんどです。そうした研究を製品化していく時に、「ワイヤレスインフォベンチャーカンパニー」という組織を作り、そこで研究開発を続けました。そんな回線が遅い無線技術の時代から、最近の3GやLTEの時代に至る、という感じです。

──「ワイヤレスインフォベンチャーカンパニー」が作られたのはいつ頃ですか。

桝川 2004年です。当時、無線LANの技術でなにかビジネスができないかと研究していましたが、もっとフットワークを軽く、日立の壁を超えてさまざまなことを自由に事業化できないかと会社組織にしたのが「ワイヤレスインフォベンチャーカンパニー」です。その会社はいまはもうありませんが、それが現在のIoTチームのルーツになっています。

──先見の明があったわけですね。

桝川 そうなんです。当時から無線を使って家庭内やさまざまなところにセンサーを置けるように技術開発をしていました。日立は得意なんですよ、市場より早すぎるのが(笑)。

小泉 ウェラブルセンサーも早かったですね。いまから10年くらい前でしょうか、医療分野の方との会話からニーズを見出して腕時計型のものを開発しました。

──その黎明期においては、取得した環境データはどのようなことに使われたのでしょうか?

小泉 当時はデータを何に使うというよりも、さまざまなデータを飛ばすネットワークを構築するということに軸足を置いて研究していました。最初はネットワークの技術開発的側面が強かったわけです。

桝川 それが実現できて、だんだんとニーズに合わせて環境データに限らず位置データや加速度データなど多角的にいろんなデータを取るように変わってきました。

小泉 例えば北海道の『クマ牧場』というテーマパークにクマの位置を検知するセンサーを納入させていただいたことがあります。GPSではありませんが電池駆動のセンサーで、クマ牧場に来園したお客さまに対して、牧場内にいるクマの位置を知らせるために使われていましたね。

──RFIDなどの技術も登場しました。

小泉 はい。食品衛生の分野で、ハンズフリーの入退出管理システムをRFIDで構築しました。食品工場などではできるだけセンサーやドアに触らない方が衛生面だというニーズからシステム開発を行いました。また、2005年頃には同じ仕組みを防災に活用しました。火事などの際にゲートを通過することで、部屋に取り残された人がいないかどうかを確認できます。あと、首から下げるタイプのIDカードが垂直か、そうではないかを検知して、深夜に一人で仕事している社員が、病気などで倒れていないかどうかを知るシステムも構築しました。これは、いまも使っていただいています。

──多種多彩な歴史ですね。

小泉 さまざまな事例で実業の経験を積む一方で、地道な研究もずっと続けてきました。例えばネットワークでは、戸塚の研究所でモバイルキャリアのネットワーク研究を長年に渡り行ってきました。ひとつには、アンライセンスの無線ネットワークとモバイルキャリアのネットワークをつなげるのは技術的にとても難しいのですが、日立はすべてのデータをつなげるソリューションを開発しました。これができるネットワークソリューションは他社にはないと思います。われわれが以前から研究を積み重ねてきたことが活かされた成果であり、これからIoTの世界で活用できる技術です。

──前回のお話で、日立のIoTソリューションは、M2M×ビッグデータ×業務システムだと教えていただきました。M2M以外の二つについて教えてください。ビッグデータ分析での強みはどのようなものがありますか。

桝川 分析のプラットフォームが多彩にあることです。ストリームデータ処理基盤やHADB、Pentahoなど、大量のデータを処理・分析するシステムが、お客さまのニーズに合わせて活用いただけます。そこに、世界トップクラスの性能を持つ日立のストレージや高信頼な日本品質の日立のサーバーを組み合わせられることも強みですね。

小泉 ビッグデータが難しいといわれているのは、どのように分析するかというノウハウが必要だからですが、日立には豊富な知見とノウハウを持った「データアナリティクス・マイスター」と呼ばれる分析の専門家がいます。データは持っているだけではダメで、それをどう生かすが勝負です。その部分でもお手伝いできます。

──ではもう一つの業務システムでの強みはどのようになりますか。

小泉 いろんな分野のお客さまのビジネスを知り尽くしたSEが豊富にいることです。われわれの仕事は、M2Mのチームとビッグデータのチームとお客さまを知るSEのチームが三位一体となって進みます。そうした組み方をしないと、お客さまにマッチしたソリューションを開発できませんから。

──社内で緊密かつ柔軟に連携しているわけですね。

桝川 IoTというと、どうしてもセンシングの方に目がいってしまうのですが、私たちのIoTビジネス推進統括本部は、アカウントSEが大勢集まっています。SEの意見をもとにわれわれは製品やノウハウ、必要なものを社内外から集めて組み合わせます。要件に対して最適なものであれば他社の製品も使いますし、もちろんそれらも含めてシステム全体の品質を保証します。お客さまの課題解決が第一ということです。

──社外とのコラボレーションにも積極的なのですね。

小泉 我々がまだリーチできない部分がいろいろな分野でありますので、積極的に社外パートナーと組みたいと思っています。日立が持っているものだけで全てのニーズにスピーディーに対応することはできませんから。

──たとえばどのようなケースでしょうか?

小泉 海外のお客さまにソリューションを提供するとなると、現地に日立のデータセンターがないなど、自社だけではまかなえない部分が出てきます。そうした時には、その地域で強みを発揮できる企業と協業することでソリューションを提供していきます。また、急いで市場にソリューションを出すことが課題だとすれば、そのためにはどのようなところと協業したらいいのかを考えてパートナーシップを結ぶでしょう。すべては最適なソリューションをつくるためです。

──お客さまのためにオープンな体制をとられているのですね。(次回に続く)




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