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Hitachi IoT Platform Magazine

IoTでお客さまのビジネスにイノベーションを生み出せ

第1回 お客さまの問題解決のためにIoTを使う

高信頼なM2M技術でモノ・コト・ヒトをつないで、高度なビッグデータ分析を実行し、さらに、そこで得られた知見を業務システムへ実装。ビジネスの変革をワンストップでサポートする日立ならではのIoT/M2Mソリューション。イノベーティブな発想でお客さまの問題解決に取り組む、IoTシステム本部のリーダーにお話をお聞きします。

第1回目は、日立ならではのIoT活用についてお話を伺いました。


小泉さん(左)、桝川さん(右)

──IoTが近年、急速に話題になってきました。その理由は何でしょうか?

小泉 一つには技術の進歩です。モバイル技術が進んだこと、さまざまなセンシングが可能になったこと、そして比較的安価にモノづくりができるようになったことで、IoTによるデータ活用が実際に使える技術になりました。

桝川 さまざまなデータを活用しようというコンセプトは、実は昔からありました。それが現在、コンピューティングパワーの進歩やストレージの大容量化、ネットワークの高速化によって、最近ようやくIoTという考え方が現実のものになりました。

──センシングデータを活用しようという取り組みが具体化したのはいつ頃からですか?

桝川 15年以上前、ユビキタスやIPv6の検討をしていた頃にも話が出ていましたが、まだ構想段階でした。実際に活用しようという考えが本当に現実的になったのはここ5、6年でしょうか。

小泉 携帯電話が一人一台以上になった頃からだと思います。この先はヒトじゃなくて、モノをネットワークでつなごうとみんなが具体的に考え始めたのです。そこから、IoTが一気に注目されてきたのだと思います。

──IoTで実現できることは、どのベンダーも同じなのですか?

小泉 センサー技術やデータを集めてくる技術と、データをどう有効に活用するかというところに各社の特長が現れてくると思います。日立の強みもその部分にあると考えています。

──それでは日立のIoTの特長を教えてください。

桝川 日立のIoTの定義は、『IoT=M2M×ビッグデータ×業務システム』というものです。数年来M2Mはモノとモノをつなぐ技術として普及してきていますが、私たちは単につなぐだけではなく、つながったことによってお客さまの課題をどう解決できるのか、お客さまにどのようなメリットを提供できるのか、そうしたビジネスに実装する部分までお手伝いしていく、という考え方でビジネスに取り組んでいます。

具体的には、膨大なセンサーデータを、日立社内のいろんな部署とコラボレーションして分析を行い、その情報をもとにさまざまなアプリケーションを開発する、という流れを作ろうとしています。

小泉 多岐にわたる業種・業態のお客さまと仕事をさせていただいていますので、いろんな業務のOT(Operation Technology)を知り尽くしています。それも日立の強みです。これまでITシステムを提供させていただいたお客さまに対して、お客さまの技術と日立の技術を掛け合わせて、課題をIoTで解決する取り組みをしています。

桝川 あと、日立ならではの強みは、やはり高品質でミッションクリティカルなITシステムの構築力です。その強みを活かして社会インフラ系のお客さまにもM2M/IoTソリューションを提供していきたいと考えています。お客さまと一緒に、知恵を出し合って取り組んでいきます。

──IoTをビッグデータ分析や業務システム開発までととらえると、さまざまな部署の方との協業が必要になりますね。

小泉 私たちの事業部は、ビッグデータのチームとも緊密なコミュニケーションが取れています。部署間の垣根をどんどん取り払う活動を続けています。

桝川 さらにサーバー、ストレージ、ミドルウェア、ネットワークの部署も、一つの事業本部の中に入っています。関連するさまざま部署において、どこで誰がどんなことをやっているかが大体わかりますので、コミュニケーションは活発です。

──ドイツが国を上げてインダストリー4.0と言い始めたり、製造業や通信業者、ITベンダーなど、業種を超えて多様な企業がIoTを進めると言っています。他社の動向をどのように見ていますか?

桝川 ドイツは第4次産業革命といわれるとおり、IoTをモノづくりやサプライチェーンに活用しようという考え方から始まっています。それに対して日立のスタンスは、お客さまの問題をIoTを使って解決していく、というものです。すなわちサービス分野での活用ですから、インダストリー4.0よりも大きな括りでIoTを捉えています。また多くのIoTプレイヤーは保守部品を少なくしようとか、壊れる前に変えようとか、メンテナンスにIoTを活用しようとしています。日立の場合は、それも行いますが、さらに経営課題の解決にまで活用範囲を推し進めたいと考えています。

──経営課題の解決ですか。日立のIoTの目標は明解ですね。

小泉 やるべきことは明解ですが、やはり弊社一社だけではリーチできない部分がたくさんあります。IoTといっても、本当に各社捉え方がさまざまです。その中で私たちは競うよりも、協業しながらソリューションを進化させていくことになると思います。国内の企業に限らず、最適なソリューションを作り出すために必要な相手と組むことになるでしょう。一社ですべてやるというやり方では世の中のスピードの流れにも乗れません。たとえばモバイルキャリアやクラウド業者とどのように組むかというのも一つの課題。知見を持っている、いろんな方々と組みたいと思っています。特に社会インフラ系の場合は、お客さまとがっちり組むことが重要になるでしょう。

──社会インフラ事例はどのようなものがありますか?

桝川 JR東日本さんとは屋外インフラ設備の管理・保全のソリューションで一緒に仕事をさせていただいています。また他の社会インフラ分野では、電力の自由化が進む中で、ITの力で何かできないか、電力会社さんと一緒に考えています。交通関係、公共、金融など社会を支える業界と協業を進めています。

桝川 例えば社会インフラ系は絶対に高品質でなければならないのですが、すべてのお客さまが、すべての部分に絶対品質を求めるかというと、そうでもない。基本となる部分の品質は絶対必要だけれど、別の部分はそれほどの品質は求めないというお客さまもいらっしゃいます。システムのすべてを日立基準で作ると競争力がなくなりますので、柔軟に対応することが大切になる。つまり、基盤や強みになるところは日立の社内で高品質に作り、世の中のスタンダードを持ってくればいい部分は社外から調達して組み上げるということも考えています。

──ソリューション開発で難しいのはどのような点でしょうか。

小泉 そうですね。難しいのは、ある会社で課題解決に成功しても同業他社でもそれが通用するかどうかは別の話だということです。たとえばJRと私鉄は似ているようで、実は違いがたくさんあります。簡単に横展開できないので地道な検証が必要です。いま、お客さまが納得できる効果を出せるかどうかを確かめながら、一歩一歩やり始めています。従来の、製品の仕様を見て買っていただくビジネスモデルとは違っていて、お客さまの思いに応えることが大切ですね。

──お客さまを第一に考えるIoTということですね。

桝川 われわれは今、個別最適から全体最適へという言い方をしています。例えばお客さまのある工場は個別最適がなされているかもしれません。ところが、さらに大きな視点で、工場の情報と工場の情報を組み合わせると、新しく見えてくるものがあります。そうしたソリューションをIoTで開発していこうと思っています。難しいのは、個別にあるフォーマットがばらばらのシステムのデータをどのように加工したら、うまく組み合わせることができるのかということです。既存システムの上に日立のシステムをビルドインして実現することになりますが、なかなか難しい技術です。しかし経営課題の解決という観点から絶対に必要なことですから、いま一歩一歩構築しています。

──いま現段階で、IoTでどんなビジネス効果が出ていますか?

小泉 現段階のフェーズでは、現場の工数を減らすというような効率効果が出るものから取り組もうとしています。

桝川 たとえばグローバルな会社のシステムのメンテナンスを行うために、従来は現地に担当者を置かなければならなかったのですが、今はネットワークでセンシングデータがとれますので、現場に配置した人を減らすことができました。現地でのメンテナンスが必要となった時点で、はじめて担当者を派遣するようにしています。

小泉 そしていま、そうしたメンテナンスデータと、その会社が持っている他のデータや情報資源と組み合わせて、新しい価値を創り出していこうと思っています。

──同じIoTといっても、日立は独自のIoT活用を考えられているのですね。(次回に続く)




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