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Hitachi

【事例】株式会社日立製作所

32か国400社(612拠点)に導入した
グローバル財務会計システムを統合し、一斉稼働を実現

〔4〕連結決算の日程短縮とデータ整合性の確保が実現

サービスインから約1年を経て、グローバル統合の効果として、IFRS対応による内部統制の管理効率化や財務業務の標準化が実現しています。連結決算でデータを集計する際には、本社側で会計基準を変換してそろえる必要がなくなり、データの整合性も確保されています。連結決算の日程も短縮され、経営幹部への報告が従来に比べて短期間で出せるようになったといいます。和田氏は「システムは導入して終わりではなく、入れた後にどのように活用していくかがカギになります。そのためにも、過去値を比較したり、財務上の異常値を発見したりしながら財務諸表の信頼性を高めていくことがこれからの課題です」と語ります。

現在プロジェクトは運用フェーズに移行していますが、運用保守作業の高効率化や自動化に取り組むとともに、すでに事業部門がお客さまに提供している「GlobalAMO」のスキームとリソースを活用するなどしてTCOの持続的低減に取り組みながら、地域統括本社と連携し、サービスを実現しています。

今回のグローバルシステム統合プロジェクトは完了しましたが、今後は蓄積したノウハウや運用体制を活用しながら、現在も未導入の地域や子会社への新規導入や事業再編対応を進めていく計画です。一斉稼働の副産物として、遠隔サポートの方法論やノウハウを確立できたため、今後、導入先の拠点ごとにオンサイトで人的リソースを割りあてる必要はなくなっているといいます。

今後も日立グループでは、最新のテクノロジーを活用することで業務のあり方を変え、テクノロジーで処理できる部分を拡大しながら、人間が行うべき業務を支援していくといいます。その中で、次世代エンタープライズシステムである「SAP® S/4HANA」の導入に向けた準備も進めています(図2)。「SAP S/4HANAによってさらに明細情報を保持し可視化することができ、すべての財務諸表のチェックができるようになるとの仮説を立てており、現在、実機を用いたPoC(Proof of Concept : 概念実証)の実施を計画しています」(小林)

一方で、今回のプロジェクトで蓄積したノウハウは、お客さま向けのソリューションとして整備し、日立グループと同様に海外展開の課題を抱える企業をサポートしており、すでに実績も有しています。「SAP® Best Practicesをベースに実務的な業務シナリオや日立グループへの展開で蓄積した各国固有の要件、法定帳票などの日立独自のナレッジも追加したテンプレート『HITRY/Global』、『GlobalAMO』などの各種ソリューションを活用しながら、お客さまのグローバルシステム構築をサポートしていきます」(米家)

経験豊富な多数のSAPコンサルタントを有するソリューションプロバイダーであり、SAPのグローバルユーザー企業でもある日立は、今後もグループ一丸となって独自のチャレンジに挑み、テクノロジーの可能性を追求していきます。

図2:SAPソリューションマップ
図2:SAPソリューションマップ
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特記事項

  • 本事例中に記載の内容は2016年7月掲載当時のものであり、変更されている可能性もあります。詳細はお問い合わせください。
  • 本事例は日立製作所での事例であり、全てのお客さまについて同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
  • 記載されている会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
  • * 本サイトで紹介しておりますソリューションについてのお問い合わせは株式会社日立製作所 インダストリアルデジタルビジネスユニット エンタープライズソリューション事業部が承っております。掲載団体への直接のお問い合わせはご遠慮願います。