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Hitachi

製造業・流通業向けソリューション

次世代ビジネスへの挑戦を支える基盤として人事給与システムとITインフラを刷新
〜GEMPLANET Ver.2、Groupmax Collaboration〜

写真:環境負荷の増大により、冷凍機にも環境配慮型のものが求められています。前川製作所は自然冷媒の冷凍機に関して国内最多の納入実績を誇ります

刻一刻と変化する市場環境と、ますます高度化・多様化する顧客ニーズに対応するため、いま多くの企業では社内に散在するリソースを柔軟かつ効果的に活用することで組織の全体最適化を図りつつ、競争力の向上をめざす取り組みを進めています。
産業用冷凍機や各種ガスコンプレッサーなどの卓越した技術力を背景に、幅広い分野でトータルなシステム提案を行っている「株式会社 前川製作所」では、大規模な組織改革を契機に、競争力の源泉となる人財マネジメントを強化するため「GEMPLANET Ver.2 人事・給与管理システム」を導入。 また新本社ビルの施工に合わせ、セキュアで高信頼なITインフラ上に、組織の枠を超えた柔軟なコラボレーションを支援する「Groupmax Collaboration」や、高効率なコミュニケーションを実現する「IPテレフォニー」を導入しました。

産業用冷凍機や船舶用冷凍庫でトップシェア

 1924(大正13)年、製氷冷蔵業からスタートした「前川製作所(以下、マエカワ)」は、1934年に冷凍機の国産化に成功した後、冷却プラントの設計・施工へと事業を展開。冷却エンジニアリングを事業の柱に国内外の市場で成長を続け、いまや産業用冷凍機では国内トップ、冷凍船の冷凍庫でもグローバルで80%以上のシェアを誇っています。その技術展開は、主力の食品分野における冷凍・解凍機器や各種加工機械にとどまらず、エネルギー関連、自動車関連、レジャー施設、社会システムなどの分野にも拡大。それぞれの領域で、お客さまとともに新たな価値創造を追求する「共創」をコンセプトに、コンサルティングから設計・製造・施工・アフターサービスまで、一貫したトータルソリューションを提供する独創的なビジネスでも存在感を高めています。

写真:篠宮 尚志 氏
前川製作所
営業企画推進本部
マネージャー
篠宮 尚志 氏

 また、地球温暖化やオゾン層保護などの取り組みにも早くから力を注いできたマエカワは、冷却システムのリーディングカンパニーとして培った豊富な技術とノウハウを活かし、高度で安全・安心なエコシステムの開発を追求。「その一例が、冷凍、空調、暖房、給湯の用途に使用される5つの自然冷媒(NH3、CO2、水、空気、炭化水素系各種冷媒)を用いた技術の取り組みである"NATURAL FIVE(ナチュラルファイブ)"です。当社はフロンや代替フロンの代わりに、これら自然冷媒を用いたアンモニア冷媒型冷凍ユニットや、CO2冷媒の給湯ヒートポンプなどの環境改善製品を積極的に展開しています」と語るのは、営業企画推進本部マネージャーの篠宮尚志氏。

 こうしたマエカワの先進的かつユニークな業務展開を支えてきたのが、優れた技術者であれば90歳を過ぎても雇用を継続するという「定年制の撤廃」と、1980年に始まった「独法制」と呼ばれる特殊な会社組織形態です。

独法制からカンパニー制・1社化への移行を決断

 「独法制とは、営業や設計といったサービス単位で組織を形成するのではなく、冷凍食品加工やフリーザーといった事業別、また各地域の市場に密着した組織を形成し、それぞれに営業・調達・製造・人事・経理などの機能を持たせる自律型の独立法人です」と説明するのは、マエカワのコンサルティングファームである前川総合研究所代表取締役の村上哲朗氏。村上氏によれば、「かつては独法数が80を超えた時代もあった」とのことですが、市場統合や多様化が進むグローバル市場で勝ち続けるには、全社横断的な取り組みが必要であるとの判断により、2007年6月に「独法制」から「カンパニー制・1社化」へと移行。熱・エネルギー関連の「U(ユーティリティ)」、食品加工機の「F(フード)」、お客さまの工場設備全体を構築する「TS(トータルシステム)」という3カンパニー制に再編されました。 

写真:村上 哲朗 氏
前川総合研究所
代表取締役
村上 哲朗 氏

 同時に、社内にあるリソースを効果的・効率的に活用することで、組織の全体最適化を図るための取り組みがスタート。この流れの中、従来使っていた人事給与システムを新組織に対応した仕組みに切り替えるプロジェクトが発足し、当時IT企画室室長を務めていた村上氏の指揮の下、複数パッケージの中から選択されたのが日立の「GEMPLANET Ver.2 人事・給与管理システム」だったのです。

 「2007年9月分の給与支給からシステムを切り替えたいという、非常に厳しい要求に対し、日立のみがGEMPLANET Ver.2を使った実現可能な提案を行ってきたことがまず1つ、そしてGEMPLANETの人事管理モジュールの中に、人事考課の枠組みを柔軟に設計できたり、評価のシミュレーションを行える機能が備わっていたことがもう1つの大きな選択ポイントになりました。新しい組織内での人財マネジメントをどう体系立てて構築していくかといった当社のニーズにジャストフィットする機能が、GEMPLANETにはきちんと備わっていたのです」(村上氏)。

GEMPLANET Ver.2により業務運用の統一と標準化に成功

 日立ではGEMPLANET Ver.2の「給与管理システム」を適用し、マエカワおよび関連会社の社員約2,000名を対象とした給与システムを、わずか2か月の構築期間で予定どおりカットオーバー。続けて2008年1月には「人事管理システム」も実稼働させました。すでに2006年には同社の主力工場である守谷工場にGEMPLANET Ver.2の「部門会計システム」が導入されていたことから、今後は、統合データベースを核とした各システムのシームレスな連携が実現することになります。ERPソリューションでありながら、業務モジュール単位の段階的導入にも対応しているGEMPLANET Ver.2の柔軟性が、各システムの導入負荷とリスクを低減しながら、お客さま個別の業務ニーズにみごと応えた好例といえるでしょう。

写真:明るく機能的なオフィス内で利用されるGEMPLANET Ver.2
明るく機能的なオフィス内で利用されるGEMPLANET Ver.2

 最新のサーバプラットフォーム「HA8000」とGEMPLANET Ver.2を導人したことで、業務処理速度の向上や、GEMサーチ/ GEMレポートなどを駆使した帳票作成業務の軽減、給与明細のメール配信によるコスト削減などが実現したほか、「独法時代にはバラバラだった業務運用が統一され、前川グループとしての業務の標準化に成功しました」と語る村上氏。今後は、GEMPLANET Ver.2の機能を利用した人事制度の拡張や、グループ全体の間接業務の統合化、本格的なERP運用に向けた各業務システムの密連携などが予定されています。 

新本社ビルの建設に合わせ、ITインフラを刷新

 そして、この新・人事給与システムの構築と並行する形で進められていたのが、新本社ビルの建設(2008年3月竣工)にともなうITインフラの刷新です。そのねらいを村上氏は、「2004年に始まった本社ビル建設では、Good Communication、KnowledgeCollaboration、Secure & Comfortableという3つの"C"の実現が大きなコンセプトになっていました。そこで本社機能を担うIT基盤においても、この"3C"の要素を取り入れた最新システムを採用したいと考えていたのです」と振り返ります。 

写真:GEMPLANET Ver.2サーバ(HA8000)やGroupmaxサーバ(BladeSymphony)を収めた本社内のサーバルーム
GEMPLANET Ver.2サーバ(HA8000)やGroupmaxサーバ(BladeSymphony)を収めた本社内のサーバルーム

 この要請に対し日立は、拠点間の通信問題を解消するため全国のWANを刷新したのをはじめ、先進的なITシステムに加え、エレベーターや発電機、TV会議システム、指静脈認証入退室管理システムなども含めた日立グループ全体のトータルソリューションで対応。特にITシステムにおいてはCommunication(コミュニケーション)やCollaboration(コラボレーション)を実現するための基盤として「Groupmax Collaboration」と「IPテレフォニー」を、またSecure(セキュア)でComfortable(カンファタブル:快適)な環境を実現する手段として、「SHIELDセキュリティセンタサービス」とアクティブディレクトリ、システム全体の信頼性と可用性を向上させるBladeSymphony(Groupmaxサーバ)のN+1冗長化環境などを導入。同社が次世代ビジネスに求めるトータルなITインフラの構築をサポートしました。

さまざまな「知」を柔軟にコラボレーションする場を提供

写真:大山 英成 氏
前川製作所
IT企画室室長
大山 英成 氏

 また、より柔軟で高効率なコミュニケーション基盤として導入されたIPテレフォニーでは、IP多機能電話だけでなく、FOMA/無線LANデュアル端末により、携帯電話を社内ではIP電話機として利用できる環境も整備。「これにより社員間のコミュニケーションが一段と活性化していくでしょう」と笑顔を見せるのはIT企画室室長の大山英成氏。大山氏によれば、これまであった大量のアナログ回線を光ケーブルによるINS1500とVoIP対応のテレフォニーサーバに移行したことで、「今後は運用コストの大幅な削減効果が出てくるはず」ということです。


写真:FOMA携帯電話を使えば、社内外で自在なビジネスコミュニケーションを図ることができる
FOMA携帯電話を使えば、社内外で自在なビジネスコミュニケーションを図ることができる

社員一人ひとりが使う道具を一段と進化

 一方、新たなITインフラ全体のセキュアな運用を実現するため導入されたのが、日立グループが運営するデータセンターにおいて、お客さまのWebサーバやメールサーバ、ファイアウォールなどのシステムを年中無休で運用・監視する「SHIELDセキュリティセンタサービス」です。この、セキュリティに特化したアウトソーシングサービスを採用した目的について村上氏は、「IT企画室本来の目的である、業務システムの再構築に注力したかったため」と説明します。「これは多くの企業の情報システム部門が共通に持つ悩みだと思いますが、限られた人員で大規模なシステム全体のセキュリティ運用を担っていくのは想像以上に厳しい。ならば、そうした運用は外部のプロフェッショナルに任せ、コアコンピタンスな業務に集中した方が人材の有効活用につながると考えました」(村上氏) 

 これら一連のシステム構築プロジェクトをサポートした日立に対して大山氏は、「われわれの非常に難しい要求に、日立の営業さんやSEさんは常に真摯に取り組み、期待に応えてくれました。今後もこのいい関係を続けていきたいですね」と高く評価。

写真:前川 正 氏
前川製作所
専務取締役
前川 正 氏

 同社の専務取締役である前川 正氏も、「これまでも、これからも、お客さまに対していい製品を作り、適正なコストで提供していくのが私たちの使命です。その意味で今回、日立さんに作っていただいたさまざまなシステムは、マエカワの社員一人ひとりが使う道具を一段と進化させたということ。今後はこれらを自分たちの道具として徹底的に使い込みながら、製品のQCD*1レベルをさらに高める挑戦につなげていきたいですね」と力強く語ります。

 世界的にもユニークな「独法制」によって築き上げた歴史と成果に充足することなく、大胆な組織改革により新たなる挑戦に踏み出したマエカワ。その次世代ビジネスに向けた積極果敢なチャレンジを、これからも日立はグループの総合力を活かしたトータルソリューションによって支え続けてまいります。

*1
Quality:品質、Cost:コスト、Delivery:納期

[お客さまプロフィール] 株式会社 前川製作所

株式会社前川製作所

[本社] 東京都江東区牡丹3-14-15
[創立] 1924(大正13)年
[資本金] 10億円
[従業員数] 国内2,130名、海外1,050名(2007年3月31日現在)
[事業概要] 産業用冷凍機および各種ガスコンプレッサーの製造・販売、プラントエンジニアリング、コンサルタントエンジニアリングおよびサービス

特記事項

  • 2008年7月「はいたっく」掲載
  • 本事例中に記載の内容は初掲載当時のものであり、変更されている可能性もあります。詳細はお問い合わせください。
  • 事例は特定のお客さまでの事例であり、全てのお客さまについて同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
  • 「GEMPLANET Ver.2」は、2013年4月に「日立 製造・流通業向け基幹業務ソリューション FutureStage」に統合いたしました。
  • *本サイトで紹介しておりますソリューションについてのお問い合わせは株式会社 日立製作所 産業第一営業本部 第一営業部が承っております。掲載団体への直接のお問い合わせはご遠慮願います。
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