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Hitachi

製造業・流通業向けソリューション

1日40万件もの受注処理を実現する大規模・高トラフィックのSAP® ERP基幹システム
〜共同開発と共同運用を日立が総力をあげて支援〜

神奈川物流センター外観

急速なIT化が進む医薬品卸売業界では、リアルタイムなデータを見渡せる基幹システムを導入し、早く確実に医薬品を流通させることが業界を勝ち抜くキーポイントとなっています。そこで業界屈指の規模を誇る「アルフレッサ株式会社」は、東西2拠点に分かれていた基幹システムをSAP® ERPベースで統合し、より迅速な商流と物流の連携機能、将来の売上増加対応機能、グループ10社の共同利用を想定した新基盤へと刷新。このビッグプロジェクトを日立は、実績豊富なERPソリューションの提供と、グループ全体のシステム運用を担う新会社「アルフレッサ システム株式会社」の合弁設立によって強力に支援しました。

業務統合とグループ共同利用によるシナジーをめざして

 2003年9月に「株式会社アズウェル(大阪府)」と「福神株式会社(東京都)」が人々の健康に貢献する「ヘルスケアコンソーシアム」をめざすという共通の理念のもと、株式移転により持株会社「アルフレッサホールディングス株式会社」を設立。2004年10月、傘下の子会社を、卸部門を担当する「アルフレッサ株式会社(以下、アルフレッサ)」および製造部門を担当する「アルフレッサ ファーマ株式会社(以下、アルフレッサ ファーマ)」に事業再編しました。

 現在、アルフレッサは医薬品、医療用検査試薬、医療用機器などの国内外メーカーをほぼすべて取り扱う品目30万アイテムを超えるフルラインの品ぞろえと、質の高い情報提供力により、お客さまの多様なニーズに応える国内最大級の医薬品商社として知られています。

写真:篠崎 俊紀 氏
アルフレッサ システム株式会社
企画部長
篠崎 俊紀 氏

 同社は事業統合以来、西エリアで稼働していた旧アズウェルの基幹システム(名称AZシステム:SAP® R/3)と、東エリアの旧福神ホストシステム(名称FJシステム:日立メインフレーム)という2つの基幹システムを残したまま業務運営を行っていましたが、2005年4月より本格的な業務統合・システム統合をめざした「アルフレッサ新基幹システムプロジェクト」(以下、AFシステムプロジェクト)がスタート。この間の経緯を、当時のAFシステムプロジェクトマネージャーで、現アルフレッサ システム株式会社 企画部長の篠崎俊紀氏は、次のように振り返ります。

 「現在、アルフレッサグループでは経営目標の1つに売上高2兆円を掲げています。そのためにも医薬分業やドラッグストアのチェーン化、医療機関の共同購入などが進展する中、きめ細かな物流体制の確立と、医薬品供給という社会的責任を担う信頼性の高いシステムを実現しなければならないと考えました。そこでアルフレッサ内での業務統合・システム統合のみならず、グループ全体でのシステム共同利用による、さらなる運用コストの削減と効率向上、内部統制への対応も図る新基幹システム構築プロジェクトを立ち上げたのです。」

神奈川物流センター内部
神奈川、東京多摩エリア、静岡、山梨方面への医療機関・調剤薬局への安定供給を行うために新設されたアルフレッサ株式会社 神奈川物流センター

システム構築を迅速に進める施策を実施

 システム構築については当初、「新規開発」と「既存システム改善」という2つの選択肢が考えられました。しかし、販売・物流・会計という業務要件の大半が西エリアで稼働中のAZシステム(SAP® R/3)で実現されていることや、経営目標を早期に実現するには構築期間を2年で終わらせなければならないなどの条件を考慮し、AZシステムをベースに新機能を追加する方式に決定。当時のシステム部は、各業務部門で必要とされる新たな機能要件を「RFP*」としてまとめあげ、これをもとにパートナーベンダーの選定作業が行われました。 

 「ベンダー4社にRFPに基づいた提案とプレゼンテーションをしていただきましたが、8項目38カテゴリーの評価で高いポイントを獲得したのが日立さんでした。SAP® ERPに関する豊富なソリューションノウハウの蓄積はもとより、旧アズウェルのSAP®導入前のシステムや、旧福神のシステムも日立さんが担当しており、当社業務を熟知していたことも大きな決め手になりました」(篠崎氏)

 アルフレッサは、業務要件とシステム要件が詳細に記述されていたRFPを、システム開発の基軸として活用する一方で、東西システムで異なっていた業務の統一と部門間をまたがる要件決定を迅速 化するため、各業務現場の意見を吸い上げ、最終決定することを主なタスクとした「業務要件決定権者」という役割を設置。5名の業務要件決定権者とプロジェクトメンバー、そして日立と連携を密にしながら、基幹システムの方向性を互いに共有・確認することで、要件決定までの時間短縮と不整合の早期発見・修正をスピーディに実現するという独自の工夫をこらしました。

*
Request For Proposal:提案依頼書

ほとんどが作り込みの独自ERPシステムに

写真:吉本 誠 氏
アルフレッサ システム株式会社
システム部 販売グループ長
吉本 誠 氏

 既存のAZシステムをベースにしたものの、「標準機能にはこだわらなかった」と語るのは、当時のAFシステムプロジェクトチームリーダで、現アルフレッサ システム株式会社 システム部 販売グループ長の吉本 誠氏です。吉本氏は、「SAP® ERPに、こちらの求める要件に合った標準機能があったとしても、必要な性能レベルが出ないものは、すべて新規のアドオンに置き換えました。今回のプロジェクトでは現場から要望のあった機能はすべて盛り込み、"やりたいことはすべてやりましょう"という考え方で進めるつもりだったからで す」と、当時の強い意気込みを語ります。 

 実際に、新基幹システムではSAP® ERPの標準機能を利用し、そのほかはすべて新規の作り込みという、非常に複雑で高度な開発作業が展開されました。)

 パートナーベンダーとなった日立は、SAP® ERPシステムの幅広い導入実績とノウハウを活かした「ERPソリューション」を提供する一方で、実務全体をとりまとめるプロジェクトマネジメント力によってシステム構築を強力に支援。またAFシステムプロジェクト主導のもと、本番直前まで詳細なシステムテストが繰り返されたほか、稼働半年前からは各業務におけるマイルストーンの達成度と残課題、その対策を洗い出す「稼働前判定会議」を定期的に開催し、リスクの早期スクリーニングが徹底されました。

 さらに、東西両拠点におけるユーザー教育と2日間(2週連続の休日2回)をかけた本番リハーサル、本番稼働の前日にシステム状態を確認する「事前稼働」の実施など、稼働スケジュールの厳守と、スタート時からの安定稼働に向けた全方位的なリスク対策やシステム品質の確保に力を注ぎ、2007年1月に西エリア、同年5月には東エリアのシステムを、それぞれ予定どおりカットオーバーさせました。

日々2万件を超えるジョブ実行と運用管理を自動化した「JP1」

 アルフレッサが開発した新基幹システムは、販売、物流、仕入販促、財務会計、管理会計、情報分析管理という6つの業務機能を持ち、倉庫管理システムや営業支援システムなど、各種周辺システムとのインタフェースを備えています。 

 1日約40万件の受注明細データを短時間で処理しなければならないという大規模かつ高トラフィックなシステム要求に応えるため、クラスタ構成のデータベースサーバ(Oracle)とAPサーバ14台によるハイパフォーマンスなサーバ構成を確立。さらに日立の統合システム運用管理ソフト「JP1」を適用し、日々2万件を超えるジョブ実行を完全に自動化しています。

 受注処理はピーク時に1分間で約1700オーダーという数字に達しますが、当初のRFP上ではEDI、モバイル入力、オンライン入力という各経路から入る受注を受けてから、物流センターなどで納品 書を出すまでに3分という要求仕様が明記されていました。これに対し日立は、ハードとソフトの両面から設計・開発を行い、性能を極限までチューニングした結果、要件仕様を超える高速処理を実現することに成功しています。

 導入効果として、「東西エリアの業務運用を統一できたことが何よりも大きなメリットです。機能面でも満足のいくものができました」と語る吉本氏は、「構築段階では日立さんに、かなりの無理難題を言いましたが、決して突っぱねることなく真摯に話を聞いてくださったことが印象的です。一貫して、誠実な対応と優れたプロジェクトマネジメント力を提供していただいたことに感謝しています」と日立を評価。また篠崎氏も、「西エリアの社員には、既存システムの機能がさらに拡充されたことで業務が非常にやりやすくなったと喜ばれています。また東エリアの社員にとっても、ERPシステムの導入によって業務権限や役割分担が明確になり、各種基幹データを有効活用できるようになったこともうれしいと、高い評価をいただいています。当時の私たちAFシステムプロジェクトは、『納期』と『コスト』、使う側の『人』を意識したプロジェクトを展開するよう心がけましたが、そこに設計やテスト、品質管理も含めた厳しい日立基準が加わったことが、現在の安定稼働につながっていると思います」と笑顔で語っていただきました。

図:アルフレッサ新基幹システム
アルフレッサ新基幹システム図
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「四国アルフレッサ株式会社」も共同利用をスタート

 2007年10月にはアルフレッサ ホールディングスと日立の共同出資により、グループ各社の情報システム開発と維持管理、保守運用を担う新会社「アルフレッサ システム株式会社」が発足しました。 新会社には、新基幹システムの構築を担ったAFシステムプロジェクトとシステム部の皆さんが合流し、今後はアルフレッサグループのもつ医薬品卸売事業に関する業務ノウハウと、日立グループのIT に関する豊富な経験とスキル、アウトソーシングノウハウなどを融合させ、より高品質で安定的なITサービスをグループ各社へ提供していくことになります。 

 新基幹システムを当初から導入したアルフレッサとアルフレッサ ファーマに加え、2008年1月からは、「四国アルフレッサ株式会社」も共同利用をスタート。当初からの目標であった、基幹システム共同利用による業務処理の標準化と経営陣の迅速な意思決定、ITトータルコストの削減が、これから本格的に進展していくことになるでしょう。

 今後は、グループ利用の拡大に合わせたハードウェア増強と、社会的使命の高い医薬品卸売事業の事業継続を確立するためのディザスタリカバリ導入などに取り組んでいきたいと語るアルフレッサシステムの皆さん。

 日立は高付加価値な製品群とトータルソリューションの提供により、これからも進化し続けるアルフレッサグループのビジネス展開を力強くサポートしてまいります。

[お客さまプロフィール] アルフレッサ株式会社

社名ロゴ


[本社] 東京都千代田区神田美土代町7番地
[創立] 1949年8月10日
[資本金] 4,000百万円
[代表取締役社長]石黒 傳六
[従業員数] 5,459名(2007年3月31日現在)

2004年10月、福神株式会社と株式会社アズウェルの卸部門、株式会社大正堂を統合して現商号に変更。国内外ほぼすべての医薬品などのメーカーを扱うフルラインの品ぞろえと、質の高い情報提供が特長。

[お客さまプロフィール] アルフレッサ システム株式会社

[本社] 東京都千代田区大手町一丁目1番3号
[創立] 2007年10月25日
[資本金] 150百万円
[代表取締役社長]赤木 一樹
[従業員数]86名(2007年10月25日現在)

アルフレッサグループにおけるシステム共同利用の推進と高品質で安定したITサービスの提供を目的に設立。システムの運用・保守および企画・開発・導入を担当。

特記事項

  • 2008年3月「はいたっく」掲載
  • 本事例中に記載の内容は初掲載当時のものであり、変更されている可能性もあります。詳細はお問い合わせください。
  • 事例は特定のお客さまでの事例であり、全てのお客さまについて同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
  • * OracleとJavaは、Oracle Corporation 及びその子会社、関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。
  • * 本サイトで紹介しておりますソリューションについてのお問い合わせは株式会社 日立製作所 産業・流通ビジネスユニット 営業統括本部が承っております。掲載団体への直接のお問い合わせはご遠慮願います。
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