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概要

VMware環境においてQLogic製ファイバーチャネルホストバスアダプターのドライバをアップデートすると、ドライバのロードに失敗し、アダプターが認識できなくなる場合があります。
SANブートパスに使用しているアダプターで本現象が発生した場合、バックアップからのリストアが必要となります。ドライバのアップデート前に、回避策に示す手順で予めパラメータ変更を行ってからドライバのアップデートをしてください。

重要度

重要

現象および影響範囲

VMware環境において、QLogic製ファイバーチャネルホストバスアダプターの特定のパラメータを設定している状態で発生条件に記載しているバージョン以降のドライバにアップデートすると、アダプターが認識できなくなります。これは発生条件に記載しているバージョン以降のドライバでは一部のパラメータが削除されており、ドライバに存在しないパラメータが設定されていることで、ドライバのロードに失敗するため発生します。本現象が発生した場合、以下のようなメッセージが表示されます。

WARNING: Elf: ParseModuleParams:894: Module parameter xxx is not valid for module xxx.

詳細については、次のVMwareナレッジベースの記事を参照してください。

NOTE: 上記のリンクをクリックすると、Hitachi, Ltd.以外のWebサイトが表示されます。Hitachiは、Hitachi外部のWebサイトの情報を管理しておらず、また、それらに関する責任も負いません。

SANブートパスに使用しているアダプターで本現象が発生した場合、OSが起動できなくなり、バックアップからのリストアが必要となります。ドライバのアップデート前に、回避策に示す手順で予めパラメータ変更を行ってからドライバのアップデートをしてください。
なお、ストレージパスに使用しているアダプターで本現象が発生した場合、ストレージ上のデータストアが認識できなくなりますが、回避策に示す手順でパラメータ変更を行うことでデータストアが認識できるようになります。

以下に示すパラメータが発生条件に記載しているバージョン以降のドライバで削除されています。また、「-」は代替パラメータがないことを表しています。

削除されるパラメータ代替パラメータ
qla2xenablesmartsanql2xenablesmartsan*1
qlfxdisablewatchdogtimer-
qlfxdisablereset-
qlfxmaxqdepthql2xmaxqdepth
qlfxmaxqueues-
qlfxmaxlunql2xmaxlun
qlfxtargetreset-
qlfxcmdtimeoutql2xcmdtimeout
qlfxmaxsgsql2xmaxsgs
qlfxmaxxfersize-
*1
ドライババージョン2.1.73.0, 2.1.57.0では代替パラメータが設定できません。パラメータを削除してからドライバのアップデートを行い、アップデート後に代替パラメータを設定してください。

【確認方法】

下記のコマンドを実行し、削除されるパラメータの文字列が含まれているか確認してください(例:qlfxmaxqdepth)。

# esxcfg-module -g qlnativefc
qlnativefc enabled = 1 options = 'qlfxmaxqdepth=16 ql2xextended_error_logging=1'

発生条件

対象バージョンのドライバに特定のパラメータを設定している状態で、以下に示すドライババージョン以降にアップデートすると、本現象が発生します。
なお、デフォルトではパラメータは設定されておらず、本現象は発生しません。

qlnativefcドライババージョン
 VMware6.7 : 3.1.16.0 (SPH5.50/5.10/SPH5.00、Hitachi Custom Image 15-00/13-00/12-01に収録)以降
 VMware6.5 : 2.1.81.0 (SPH5.50/5.10/SPH5.00、Hitachi Custom Image 14-00/13-02に収録)以降
 VMware6.0 : 2.1.81.0 (SPH5.50/5.10/SPH5.00に収録)以降

対象バージョン

qlnativefcドライババージョン
 VMware6.7 : 3.1.8.0 (SPH4.60、Hitachi Custom Image 12-00に収録)
       : 2.1.57.1 (Hitachi Custom Image 11-00に収録)
 VMware6.5 : 2.1.73.0 (SPH4.60/4.50に収録)
       : 2.1.57.1 (Hitachi Custom Image 13-01/12-01に収録)
       : 2.1.57.0 (Hitachi Custom Image 02-02/02-01に収録)
 VMware6.5 : 2.1.73.0 (SPH4.60/4.50に収録)
       : 2.1.57.1 (Hitachi Custom Image 14-01に収録)
       : 2.1.57.0 (Hitachi Custom Image 04-02に収録)

回避策

削除されるパラメータを設定している(例:qlfxmaxqdepth)場合は、以下の手順で代わりのパラメータを設定(例:ql2xmaxqdepth)、もしくは削除してください。
なお、削除されるパラメータ以外に他にもパラメータを設定している場合(例:ql2xextended_error_logging)は、元の値を確認し、合わせて設定してください。他のパラメータの値を設定しない場合、設定していた値が削除されますのでご注意ください。

  1. 設定されているパラメータを確認します。
    # esxcfg-module -g qlnativefc
    qlnativefc enabled = 1 options = 'qlfxmaxqdepth=16 ql2xextended_error_logging=1'
  2. 代わりのパラメータを設定します。(削除する場合は、""内に何も記載しない、もしくは他のパラメータのみ記載します。)
    # esxcfg-module -s "ql2xmaxqdepth=16 ql2xextended_error_logging=1" qlnativefc
  3. サーバの再起動を行い、ファイバーチャネルホストバスアダプターが認識でき、パラメータが設定されていることを確認します。
    # esxcfg-module -g qlnativefc
    qlnativefc enabled = 1 options = 'ql2xmaxqdepth=16 ql2xextended_error_logging=1'

対策方法

対策方法はありません。

対象製品

対象製品名 SN1100Q 16Gb Single Port ファイバーチャネル ホスト バス アダプター(TQ-xxx-P9D93A)
SN1100Q 16Gb Dual Port ファイバーチャネル ホスト バス アダプター (TQ-xxx-P9D94A)
SN1600Q 32Gb 1port ファイバーチャネル ホスト バス アダプター (TQ-xxx-P9M75A)
SN1600Q 32Gb 2port ファイバーチャネル ホスト バス アダプター (TQ-xxx-P9M76A)
※「xxx」はお客さまのご購入製品により相違します。
対象装置 HA8000V/DL20 Gen10
HA8000V/DL360 Gen10
HA8000V/DL380 Gen10
HA8000V/DL580 Gen10
HA8000V/ML350 Gen10

対象OS

VMware vSphere® ESXi™ 6.7
VMware vSphere® ESXi™ 6.5
VMware vSphere® ESXi™ 6.0

更新情報

2020年3月13日(公開)

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本ページで記載している内容を予告なく変更することがありますので、あらかじめご了承ください。

文書番号

CRI-2020-0005