Hitachi

概要

特定のファイバーチャネルドライバ/ファームウェアバージョンの組合せを使用した場合、ファイバーチャネル経由で接続された日立製ストレージシステムが無応答状態に至る場合があります。ストレージシステムが無応答状態に至った場合、回復のためにはストレージシステム自体の電源OFF/ON動作が必要です。

重要度

重要

現象および影響範囲

特定のファイバーチャネルドライバ/ファームウェアバージョンの組合せを使用した場合、ファイバーチャネル経由で接続された日立製ストレージシステムが無応答状態に至る場合があります。対象ドライバ/ファームウェアを使用し、発生条件に示すディスクシステムにアクセス(OS起動、データディスク参照等)した場合に、下記の現象となります。

  • ストレージシステムのファイバーチャネルポート単位で、ストレージシステム配下のディスクが認識できない。
  • サーバ装置を再起動しても、ディスクが認識をできない状態が改善されない。

対象ドライバ/ファームウェアの組合せで1度でもストレージシステムにアクセスすると本現象に至る場合があり、現象発生後にサーバ装置のファイバーチャネルドライバ/ファームウェアをアップデートしても改善されません。回復のためにはストレージシステム自体の電源OFF/ONが必要です。

回避策(現象発生前)

ストレージシステムが無応答状態となる前に、現象を回避するには下記を実施してください。

  1. 対象バージョンで示す組合せでストレージシステムにアクセスする可能性がある場合、下記のいずれかの方法でストレージシステムへのアクセスを抑止してください。
    • ファイバーチャネルスイッチ(FC-SW)のportDisableコマンドを使用し、対象サーバ装置からストレージシステムのアクセス経路を切り離してください。
    • ファイバーチャネルケーブルを取り外し、対象サーバ装置からストレージシステムのアクセス経路を切り離してください。
  2. サーバ装置のファイバーチャネルドライバ/ファームウェアを対策方法で示すバージョンにアップデートしてください。
  3. サーバ装置を再起動してください。
  4. ファイバーチャネルドライバ/ファームウェアのバージョンを確認してください。
  5. 1.で設定したアクセス経路切り離しを解除してください。

回復策(現象発生後)

ストレージシステムが無応答状態となった後、ストレージへのアクセスを回復させるためには下記を実施してください。

  1. サーバ装置のファイバーチャネルドライバ/ファームウェアを対策方法で示すバージョンにアップデートしてください。
  2. サーバ装置を再起動してください。
  3. ファイバーチャネルドライバ/ファームウェアのバージョンを確認してください。
  4. ストレージシステムの電源をOFFしてください。(*1)(*2)(*3)
  5. ストレージシステムの電源をONしてください。
  6. ストレージシステムのReady状態を確認後、OS上からストレージシステム配下のディスクが認識できていることを確認してください。
*1
手順詳細はストレージシステムのマニュアルを参照してください。
*2
ストレージシステムの電源をOFF/ONしている間は、当該ストレージシステムに接続されている全サーバ装置からアクセスできません。予めサーバ装置のOSをシャットダウンする等の準備をしてください。
*3
問題発生経路以外でサーバ装置稼動中等により、ストレージシステム電源をどうしてもOFF/ONできない場合、日立サポート360へご相談ください。

対策方法

SPH4.00以降に同梱されているドライバへアップデートしてください。
 Windows Server 2016 :Ver 9.2.8.20以降
 Windows Server 2012 R2:Ver 9.2.8.20以降

  • * 対象バージョン以外の組合せで本現象は発生しませんが、最新SPHバージョンのドライバ/ファームウェア適用を推奨します。

対象製品

対象製品名 SN1100Q 16Gb 1port ファイバーチャネル ホスト バスアダプタ(TQ-xxx-P9D93A)
SN1100Q 16Gb 2port ファイバーチャネル ホスト バスアダプタ(TQ-xxx-P9D94A)
SN1600Q 32Gb 1port ファイバーチャネル ホスト バスアダプタ(TQ-xxx-P9M75A)
SN1600Q 32Gb 2port ファイバーチャネル ホスト バスアダプタ(TQ-xxx-P9M76A)

※「xxx」はお客さまのご購入製品により相違します。
対象装置 HA8000V/DL360 Gen10
HA8000V/DL380 Gen10
HA8000V/DL580 Gen10
HA8000V/ML350 Gen10

発生条件

下記を全て満たす場合に、現象が発生する場合があります。

  1. 下記のストレージシステムを使用している。
    Hitachi VSP G130, G150, G350, G370, G700, G900, F350, F370, F700, F900
    Hitachi VSP G100, G200, G400, G600, G800, F400, F600, F800
    Hitachi VSP G1000, G1500, F1500
  2. ストレージシステムに対して、I/O動作を行う。
    ディスクの初期化やdiskpartコマンド等を実行した場合に現象が発生することを確認しています。

現象が発生した場合、ディスクの初期化やdiskpartコマンド等が一定時間無応答状態になります。また、ディスク障害を示すイベントログが採取される場合があります。以降、サーバを再起動してもディスクが認識できません。

対象バージョン

下記のドライバ/ファームウェアバージョンを組み合わせた際に、現象が発生する場合があります。

  1. ドライババージョン
    Windows Server 2016 :Ver 9.2.5.21 (Windows Server OSプレインストールモデルに同梱)
    Windows Server 2012 R2:Ver 9.2.5.21 (Windows Server OSプレインストールモデルに同梱)
  2. ファームウェアバージョン
    SN1100Q/SN1600Q :Ver 01.71.85
               :Ver 01.70.85 (SPH4.00/4.50/4.60に同梱)

対象OS

Microsoft Windows Server 2016
Microsoft Windows Server 2012 R2

更新情報

2020年1月17日(更新)
2019年1月25日(公開)

本ページで記載している内容を予告なく変更することがありますので、あらかじめご了承ください。

文書番号

CRI-2018-0013