Hitachi

概要

LTOテープドライブでテープスタックが発生した場合のテープカートリッジを強制排出する方法について

現象および影響範囲

テープスタックの対処としては強制イジェクトと手動によるアンロードの2通りの強制排出方法があります。強制イジェクトは顧客で作業可能ですが、手動によるアンロードは保守員作業になりますので、弊社サポート窓口にご連絡してください。尚、強制イジェクトはLTOテープドライブのハードウェアの故障・破損等を防止することが目的ですので、テープカートリッジは破損する可能性があることをご承知願います。

回避策

テープスタックの事前回避策はありません。

対策方法

以下の操作を実施する場合、テープカートリッジが破損する場合がありますのでご承知願います。

事前確認

  1. バックアップソフトウェアからテープカートリッジのアンロード/イジェクトを実施する。
  2. バックアップソフトウェアをシャットダウンする。Windows環境の場合はRemovable Storageサービスを停止する。
  3. LTOテープドライブのフロントパネルにあるイジェクトボタンを押す。

    上記(1〜3)の操作において、次の操作に進む前にテープドライブの動作が停止したことを確認してください(約10分待つ)。LTOテープドライブがテープカートリッジの巻き戻し処理を中断するとテープカートリッジまたはLTOテープドライブが破損することがありますので注意してください。
  4. HPE Utility LT&Tをインストールすることが可能な場合は、Stuck Tapeテストを実行する。
  5. システム装置の電源を切ることが可能な場合、システム装置の電源を切った後にデータケーブル(SASカード側のSASケーブル)を外し、システム装置を再起動する。LTOテープドライブがアイドル/稼働状態になったことを確認し、イジェクトボタンを押す。

    上記(5)の操作において、テープカートリッジが入ったLTOテープドライブを電源投入した場合、テープカートリッジの巻き戻し処理はテープカートリッジの世代(LTO3〜LTO8)によって数分から十数分かかります。

強制イジェクトする方法 … 顧客作業可能

上記の事前確認(1〜5)作業でテープカートリッジがイジェクトできない場合のみ以下の作業を実施してください。

  1. LTOテープドライブのイジェクトボタンを10秒間以上押し続けると強制イジェクトまたは緊急時のアンロード操作を開始する。

上記の強制イジェクトすると、データを損失する恐れがあります。また、EOD(データの終わり)マークが正しく書き込まれない場合があるため、テープが読み込み不能になることがあります。

手動によるアンロードする方法 … 保守員作業

弊社サポート窓口にご連絡してください。

対象製品

対象製品名 LTOテープドライブ
 LTO5 Ultrium 3000 SAS Int Tape Drive
 (TQ-WN*-EH957B)
 LTO-6 Ultrium 6250 Int Tape Drive
 (TQ-WN*-EH969A)
 LTO-7 Ultrium 15000 Int Tape Drive
 (TQ-WN*-BB873A)
 LTO-8 Ultrium 30750 Int Tape Drive
 (TQ-WN*-BC022A)
※ 「*」はお客さまのご購入製品により相違します。
対象装置 HA8000V/ML30 Gen10
HA8000V/ML350 Gen10
HA8000V/ML30 Gen10 Plus

発生条件

なし

対象バージョン

全てのバージョン

対象OS

サポートしている全てのOS

更新情報

2022年7月29日(更新)対象装置にML30 Gen10 Plusを追加
2020年2月28日(公開)

*
本ページで記載している内容を予告なく変更することがありますので、あらかじめご了承ください。

文書番号

ADV-2020-0012