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概要

フェイルオーバー時にG-ARPを利用する冗長ゲートウェイを使用する場合、フェイルオーバー後に一部のネットワーククライアントがiLO 5に到達できないことがあります。この現象の対策方法を以下に示します。

発生頻度

現象および影響範囲

Gratuitous ARP (Address Resolution Protocol) を使用するネットワークロードバランサーでフェールオーバーが発生し、ゲートウェイがフェイルオーバーしたことがクライアントに通知された場合に、一部のネットワーククライアントがIntegrated Lights-Out 5 (iLO 5) に到達できないことがあります。

  1. iLO 5は、使用するように構成されているゲートウェイのMACアドレスを取得します。
  2. MACアドレスがルーティングテーブルに保存されます。
  3. ゲートウェイの別のMACアドレスがGratuitous ARP (GARP) を介してiLO 5に送信されます。 ゲートウェイのIPアドレスは同じですが、MACアドレスが変更されています。
  4. iLO 5は引き続き古い (その時点では不正になっている) MACアドレスを使用して、ゲートウェイとの通信を試みます。

この問題は、IPv4ゲートウェイのMACアドレスが変更され、新しいIPv4アドレスがGratuitous ARPを介してiLO 5に送信される場合にのみ発生します。 iLO 5がゲートウェイ自体に対してARPを実行し、新しいゲートウェイから応答を受信すると、MACアドレスは予期したとおりに更新されます。

回避策

iLO 5を再起動して、ルーティングテーブルが正しく更新されるようにしてください。

対策方法

iLO5バージョン 2.16以降へアップデートしてください。
最新のiLO5は次の日立Webページよりダウンロードしてください。

アップデートは、オンライン(Windows/Linuxの場合)もしくはオフラインで可能です。
作業時間は1台あたりオンライン:約10分 オフライン:約10分となります。(当該ファームウェアのみ更新された場合)

対象製品

対象装置 HA8000V/DL20 Gen10
HA8000V/DL360 Gen10
HA8000V/DL380 Gen10
HA8000V/DL580 Gen10
HA8000V/ML30 Gen10
HA8000V/ML350 Gen10

発生条件

ゲートウェイの変更時にGratuitous ARPを使用するネットワークロードバランサーが組み込まれているiLO 5システム。

対象バージョン

iLO5バージョン 2.16未満

対象OS

OS依存はありません。

更新情報

2021年12月24日(更新):対策方法と対象バージョンを追記しました。
2020年1月31日(公開)

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本ページで記載している内容を予告なく変更することがありますので、あらかじめご了承ください。

文書番号

ADV-2020-0008