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概要

装置起動時にSerial Number、Product ID不正のPOSTエラーやメモリ設定不一致のPOSTエラー等のPOSTエラーが発生して装置が起動せず、システムユーティリティも起動できない現象の回復方法を以下に示します。

発生頻度

現象および影響範囲

装置起動時にSerial Number、Product ID不正のPOSTエラーやメモリ設定不一致のPOSTエラー等のPOSTエラーが発生して装置が起動せず、システムユーティリティも起動できない現象の回復方法を以下に示します。
この現象はBMC構成ユーティリティのサーバーの再起動を促すダイヤログが表示された後に、サーバーの再起動を行わずに別の設定変更を実施した場合に発生することが報告されていますが、下記の回復方法はそれ以外の操作で発生した場合でも有効です。


図1 サーバーの再起動を促すダイヤログの表示例


図2 Serial Number、Product ID不正とメモリ設定不一致のPOSTエラーの表示例

回避策

サーバーの再起動を促すダイヤログが表示された場合、その都度サーバーの再起動を行ってください。
サーバーの再起動を促すダイヤログはネットワークオプション等を変更した場合に表示されます。

回復方法

POSTが停止してシステムユーティリティを起動できない場合は下記の手順を実施してください。
Invalid Server Serial Number and Product IDエラーが発生したがシステムユーティリティを起動可能な場合は関連するアドバイザリを参照ください。
アクセスパネルの脱着方法やメンテナンススイッチの位置、シリアルラベルプルタブの位置は装置のユーザーガイドを参照してください。

  1. 装置の電源をOFFにしてください。
  2. 装置のシステムボードの上のシステムメンテナンススイッチのS6をONにしてください。
  3. 装置の電源をONにして、以下の赤枠で囲んだメッセージが表示されたら装置電源をOFFにしてください。


    図3 システムメンテナンススイッチのS6をON後に装置起動した際の表示例

  4. 装置のシステムボード上のシステムメンテナンススイッチのS6をOFFにしてください。
  5. 装置電源をONにして、システムユーティリティを起動してください。
    起動時にSerial Number、Product ID不正と装置設定がデフォルトになったことを示すPOSTエラーが表示されることがありますが、問題ありません。
  6. システムユーティリティを起動後に、
    システム構成 > BIOS/プラットフォーム構成(RBSU) > アドバンストオプション > アドバンストサービスオプションの「シリアル番号」と「製品ID」が装置のシリアルラベルプルタブに記載されているシリアル番号および製品IDと一致していることを確認してください。一致してない場合は装置のシリアルラベルプルタブに記載されている値を設定してください。シリアルラベルプルタブでは「シリアル番号」はSerial No.、「製品ID」はProduct No.と記載されています。

注意:この操作を行うとBIOS装置の設定が工場デフォルト設定に戻ることがあります。作業実施後に設定の確認と再設定を実施してください。下記のモデルの場合は下記の設定の確認と再設定も実施してください。

  • SW-RAID モデルの場合
    システム構成 > BIOS/プラットフォーム構成(RBSU) > ストレージオプション > SATA コントローラオプションを「Smart アレイSW RAID サポート」に設定してください。
  • メモリフォールトトレラントメモリ設定オプションありモデルの場合
    システム構成 > BIOS/プラットフォーム構成(RBSU) > メモリオプション > アドバンストメモリプロテクションを「フォールトトレラントメモリ(ADDDC)」に設定してください。
  • HA8000V/DL360 Gen10、HA8000V/DL360 Gen10 for Nutanix、HA8000V/DL380 Gen10、HA8000V/DL380 Gen10 for Nutanixモデルの場合
    システム構成 > BIOS/プラットフォーム構成(RBSU) > アドバンストオプション > ファンと温度のオプション->温度構成を「増強した冷却」に設定してください。
  • HA8000V/DL360 Gen10、HA8000V/DL360 Gen10 for Nutanix、HA8000V/DL380 Gen10、HA8000V/DL380 Gen10 for Nutanix、HA8000V/DL580 Gen10、HA8000V/ML350 Gen10モデルの場合
    システム構成 > BIOS/プラットフォーム構成(RBSU) > アドバンストオプション > アドバンストデバッグオプション > アドバンストクラッシュダンプモードを「有効」に設定してください。

この際、「この設定は、資格を持つ保守サービス担当者の指示を受けた場合のみ変更してください。」というダイヤログが表示された場合は「OK」を押してください。

対策方法

BMC構成ユーティリティのサーバーの再起動を促すダイヤログが表示された後に、サーバーの再起動を行わずに別の設定変更を実施した場合にPOSTが停止する現象は下記のBIOSで対策を行っています。

  • DL360/DL380/DL580/ML350の場合
    System ROM(BIOS)バージョン 2.22以降へアップデートしてください。
  • DL20/ML30の場合
    将来のバージョンで修正予定です。

System ROM(BIOS)は次の日立Webページよりダウンロードしてください。

アップデートは、オンラインで可能です。
作業時間は1台あたりオンライン:約10分となります。

対象製品

対象装置 HA8000V/DL20 Gen10
HA8000V/DL360 Gen10
HA8000V/DL380 Gen10
HA8000V/DL580 Gen10
HA8000V/ML30 Gen10
HA8000V/ML350 Gen10

発生条件

BMC構成ユーティリティのサーバーの再起動を促すダイヤログが表示された後に、サーバーの再起動を行わずに別の設定変更を実施した場合に発生することが報告されていますが、それ以外の操作であっても発生すること可能性があります。

対象バージョン

新しいFWで安定性の向上を実施しております。
最新のBIOS, iLO(Integrated Lights-Out 5)、Server Platform Services (SPS) Firmware、Innovation Engine (IE) Firmwareに更新してください。

対象OS

OS依存はありません。

関連するアドバイザリ

ADV-2022-0086:Invalid Server Serial Number and Product IDエラー発生時の対処について

更新情報

2022年8月26日(更新):関連するアドバイザリを追記
2020年4月24日(更新)
2020年2月28日(更新)
2019年3月29日(更新)
2019年2月28日(更新)
2018年12月5日(公開)

本ページで記載している内容を予告なく変更することがありますので、あらかじめご了承ください。

文書番号

ADV-2018-0048