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Hitachi

金融ソリューション

ATMでの振り込め詐欺被害を抑止する「携帯電話 電波検知ソリューション」

【課題】

お客さまを還付金詐欺から守るソリューションを必要としていた

【解決】

日立の「携帯電話 電波検知ソリューション」とATMを連携した新システムを導入

【効果】

携帯電話で話しながらの振り込み操作を遮断することで、還付金詐欺抑止効果を実証

急増する還付金詐欺をどう防ぐかが課題に

 茨城県とその周辺地域を中心に180店舗のネットワークを構築している株式会社 常陽銀行(以下、常陽銀行)。名実ともに地域のリーディングバンクとして親しまれている同行は「健全、協創、地域と共に」という経営理念のもと、円滑な金融サービスの提供と、お客さまや地域社会との信頼関係の深耕に努め、企業価値を向上させています。

 2017年1月、常陽銀行は、ATMでの振り込め詐欺被害を抑止する新システムを稼働させて話題となりました。2016年のシステム開発当時、事務統括部次長(現つくば並木支店長)としてプロジェクトを指揮した原田 真氏は「国内における振り込め詐欺の件数は年々増加傾向にあり、その手口も多様化・巧妙化しています。以前は口座からお金を引き出させ、犯人に直接手渡したり宅配便で送らせたりする手口が多くありました。しかし最近は、犯人が自治体などの職員を名乗り、医療費や税金などの還付手続きがあるかのように装い、携帯電話で話しながらATMで操作を指示して犯人の口座へ現金を振り込ませる、いわゆる還付金詐欺が急増しています。そしてその多くが銀行員の目が届かない銀行店舗外のATMで行われています。地域の金融機関として、こうしたお客さまの被害を防ぐため、何か良い方法はないかとずっと考え続けていました」とその背景を語ります。

 常陽銀行では、以前からポスターやATMの画面などで携帯電話を使った還付金詐欺への注意喚起を促していました。しかし警視庁意識調査によると、被害に遭った高齢者の多くが“詐欺被害に遭う可能性がない”または“ほとんどない”と考えていたことが明らかとなっています。そのため、銀行員の目が届かない銀行店舗外のATMに誘導されると、本人だけでは対処できなかったといわれています。

携帯電話の電波を検知しATM操作を制御

 「実際の被害例をもとに、さまざまな対抗策を検討しましたが、最終的にはATMで強制的に振り込み操作を止める以外に方法はないという結論になりました」と原田氏は語ります。そこで常陽銀行が擁する約850台のATM提供ベンダーである日立に相談。日立には携帯電話が発信する電波を検知してATM操作を制御する技術の開発実績があったため、それをベースに同行が求める要件を組み合わせ、日立システムズ、日立オムロンターミナルソリューションズとともに開発したのが、今回導入した「携帯電話電波検知ソリューション」です。

 新システムはLTEや4Gの携帯電波にも対応した日立独自の携帯電話電波検知装置を活用しています。対象となるATMで携帯電話を利用しながら振り込み操作を行った場合、画面上に警告メッセージを出した後、振り込み操作を強制的に遮断します。携帯電話で犯人から誘導されて振り込み操作を行っている可能性の高いお客さまの振り込み手続きを中止することで気づきを与え、被害を未然に防ぐことが可能となりました。

 新システムは、2017年1月にスーパーマーケットや独立型ブースなどに設置されている銀行店舗外のATMを皮切りに、順次稼働を開始しました。

期待どおりの抑止効果を実証

[写真]千葉 慎 氏、原田 真 氏

 常陽銀行ではネットワークで収集されるATMのログ情報から、どのATMでいつ振り込み操作が強制的に遮断されたかの実績を日々把握していますが、その数は1日5〜6件にものぼるといいます。

 「ログで確認されたすべての数が、詐欺被害を防止したケースに当たるかどうかは判断できません。しかし現在まで、お客さまから“ATMでの振り込み操作ができなかった”という苦情が寄せられたことは一度もなく、当行の詐欺被害防止に対する取り組みをお客さまにもご理解いただけていると感じています。また、実際このシステムで詐欺被害を未然に防止できた事案を県警側でも把握しており、確かな抑止効果が得られていることを実感しています」と語るのは、事務統括部 次長の千葉 慎氏です。

 「今回導入したシステムは、お客さまの利便性を向上させたり、われわれの事務作業を効率化させたりといった、直接的なメリットを望めるものではありません。しかしお客さまの大切な財産を守り、詐欺被害を防ぐことが、茨城県で最もATM設置台数が多い当行の使命だと考えています。銀行店舗外ATMでの詐欺被害を防ぐシステムとしては、現状これがベストだと考えています。お客さまに安心してご利用いただける地域の金融機関としての使命を果たすため、今後も日立さんの協力を得ながら、さらに広範な詐欺被害を防ぐソリューションを提供していきたいと考えています」と原田氏は語ります。

 常陽銀行ではお客さまからの声やATMの詳細なログ解析を通して、より効果の高い詐欺被害防止策を検討し、「還付金詐欺ゼロ」を目標とした取り組みを進めていく計画です。

 本ソリューションは現在、多くの金融機関から問い合わせや引き合いがあり、全国の警察署からも実用性が高く評価されています。また、大阪府防犯協会連合会の登録品(登録番号第611号)にもなっています。日立はこれからも、高度化・多様化する金融犯罪被害を未然に防ぐソリューションを開発し、金融機関のお客さまの企業価値向上を支援していきます。

[イメージ]「携帯電話 電波検知ソリューション」のシステム概要

[お客さまプロフィール] 株式会社 常陽銀行

株式会社 常陽銀行ロゴ

[写真]株式会社 株式会社京都銀行

[本店所在地]茨城県水戸市南町2丁目5番5号
[創立]1935年7月30日
[資本金]851億円
[従業員数]3,281名(2017年3月31日現在)
[事業内容]普通銀行業務

特記事項

  • 本事例中に記載の内容は初掲載当時のものであり、変更されている可能性もあります。詳細はお問い合わせください。
  • 事例は特定のお客さまでの事例であり、全てのお客さまについて同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
  • はいたっく2017年9月号掲載記事
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