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Hitachi

情報制御プラットフォーム

はじめに

システムコンセプト 生体としての概念
「生体は細胞というサブシステムから成り立つ1つのシステムである」

この概念から自律分散の思想はスタートしました。

生体における細胞とは、同じ構造・同じ情報を持つ最小単位のサブシステムです。それらを統合して制御する上位の要素は存在しません。
頭脳といえども細胞には命令できないのです。そして、それら独立した細胞が集まることにより、機関としての機能が生じているのです。
また、生体の成長や新陳代謝のプロセスを考えると、古くなった部分を取り替えるのではなく、壊れたからといって活動を止めて直すわけでもありません。サブシステムの集合体である生体では、「作りながら壊し」「壊れながら直す」という作業を常に続けているのです。

自律分散システムのイメージ図    

システムはサブシステムの集合であり、常に不稼働なサブシステムを含みうる

自律分散システムでは、生体の概念に基づき、トータルシステムの分割されたものとしてサブシステムを考えるのではなく、まずサブシステムが存在し、それらが統合された結果としてトータルシステムが成り立つという考えをシステムコンセプトとしています。

全サブシステムが正常な時は勿論、1部のサブシステムが故障した時や新たなサブシステムを追加する場合に置いても、システム全体の機能を損なわないこと。つまり、各サブシステムが自律的に稼動し、あるサブシステムが不稼動状態(停止・拡張・保守)になってもトータルシステムへは影響を与えないこと。こうしたシステムを実現するのが自律分散という新しいアーキテクチャなのです。

これらを実現するために、すべてのサブシステムはデータフィールドとだけ接続され、サブシステム間の直接のやりとりはありません。
サブシステムは、データの内容を表すTCD(トランザクションコード)を付加したメッセージを宛先指定をせずに、データフィールドに放出するだけです。

サブシステム解説図

C/Sとの比較

自律分散システムをC/Sと比較した、概念図を以下に示します。

C/Sは、今更言うまでもなく、PC(パソコン)・サーバーといったハードウェアの高性能化・低価格化、またはソフトウェアプラットフォームの標準化(オープンプラットフォーム)により普及してきたシステムアーキテクチャです。

C/Sでは、システム構築の柔軟性・拡張性が最大のメリットとされてきました。しかし、実際には各クライアントはネットワーク上のサーバーに管理されているため、クライアント増設時のサーバー設定変更やハード/ソフト不良によるサーバーダウン等の場合に、システム全体を停止せざるを得ませんでした。

自律分散システムは、こうしたC/Sのメリットを継承しながら、デメリットを排除したアーキテクチャです。
つまり、PCやサーバーさらにはシーケンサといったハードウェアをオープンプラットフォーム上で用いながら、各コンポーネントをサブシステムとして同時並列的に稼動させる。すべてのハードウェアはクライアント・サーバーの両機能を持ち、自律的にその機能を使い分ける。これにより、自律分散システムでは、一部のサブシステムが停止した場合でも他に影響を与えないシステムを構築可能としているのです。