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Hitachi

ビッグデータ×AI(人工知能)

情報系システムの強化だけじゃない!

ビッグデータの利活用を支える基幹系システムの高可用、高信頼化

今回は、ビッグデータ利活用の本格化にともない、さらなる可用性とコストパフォーマンスの向上が求められる基幹系データベースと、日立の対応についてご紹介します。

ビッグデータ利活用に、なぜ基幹系データベースが大切なのか?

ビッグデータの利活用というと、SNSやセンサー情報といった新しいデータの活用や、取得したデータを分析するためのツールや、データ処理を高速化するための投資に注目が集まりがちです。 しかし、ビッグデータ利活用のデータライフサイクル全体を見れば、その上流には、データの発生源となる基幹系データベースが存在します。データ処理フローの原点ともいえる基幹系データベースが止まってしまえば、下流にある情報系システムでタイムリーに価値を生み出すことができません。

ビッグデータを有効に活用するために、データフローの原点である基幹系データベースにはこれまで以上に高い可用性が必要となります。

また情報系システムでは、新商品や新業務をスピーディーに立ち上げると同時にITコストを削減するため、パブリッククラウド化が進んでいます。 しかし、サービス品質を落としたくない基幹系システムについては、サービスレベルの維持に課題があるパブリッククラウド化ではなく、メインフレームのオープン化、高性能サーバーと仮想化技術を活用したサーバー統合、さらにはプライベートクラウド化などによるコストパフォーマンスの追求が行われています。 コストパフォーマンスの高い基幹系システムには、高い処理性能、高い拡張性、高機能な仮想化技術が不可欠となります。

24時間365日ノンストップ運用を実現する技術

ビジネス機会の損失を防ぐためには、24時間365日ノンストップでオンライン業務を行えることが重要です。
そのための必要条件として、次の2点が挙げられます。

  • 障害発生時にもオンラインサービスが停止しない。
  • データベースのメンテナンスやバッチ業務などの保守業務がオンラインサービスを停止しないで行える。

システムダウンの影響を最小限に抑える耐障害性と、オンラインサービスを停止することなくデータベースのメンテナンスが可能な運用性を兼ね備えることで、貴重なビジネスチャンスの喪失を防ぐことができるのです。

それでは、これらを実現する日立の技術についてご紹介します。

サーバー障害から迅速に復旧する独自のHAクラスタ

データベースサーバーに障害が発生すると、サービスの停止やレスポンスの低下が起こり、甚大な被害をもたらします。 このような被害を避けるため、サービスを提供するマスターサーバーとは別に、予備のサーバーを準備する「スタンバイ型系切り替え」が一般的です。 日立では、障害時に予備サーバーに切り替わらないトラブルを防止するため、独自のHA(高可用性)クラスタ技術をデータベース管理システム(DBMS)「HiRDB」に実装しています。

「HiRDB」は、高信頼化システム監査機能「HAモニタ」と連携し、待機系サーバーを事前に設定することで、万一のサーバー障害にも高速なフェイルオーバーが可能です。障害検知時間も、ほとんど「ゼロ」にできます。 また、「HA Booster Pack」との連携により、切り替え対象のディスクリソース数に依存しないで、数秒オーダーという業界最高速レベルで安定したフェイルオーバーを実現します。 さらに、「トランザクションキューイング機能」により、フェイルオーバー中も新規トランザクションを受け付けることができるため、利用者に障害を意識させることなくサービスを継続できます。

「スタンバイ型系切り替え」では、待機系サーバーを用意しておく必要がありましたが、HiRDBでは、HAモニタと連携して、並列処理している複数のサーバーのうち、あるサーバーに障害が発生すると、そのサーバーの処理を別のサーバーが引き継いでサービスを継続する 「Active-Active型」のクラスタを構成できます。 この構成の場合、待機系サーバーを準備しておく必要がないため、システムリソースを有効に活用でき、システム全体のコストを低減できます。また、サービスを引き継いだサーバーに通常の処理以上の負荷がかかることがありますが、複数のサーバーに負荷を分散させることで安定した業務継続を可能にしています。(図1)

図1:HiRDBが実装する日立独自のHAクラスタ機能
図1:HiRDBが実装する日立独自のHAクラスタ機能

オンラインでデータベースのメンテナンスが可能

頻繁にデータベースに対する追加、更新、削除が行われるケースでは、ディスク内のデータが断片化することによって、表(テーブル)内のデータの格納効率が低下したり、データベースのパフォーマンスが極端に低下したりすることがあります。 低下したパフォーマンスを再度向上させるには、データベースの再編成を行い、データの断片化を解消したり、表などのデータ格納効率を改善させなければなりません。HiRDBではオンラインサービスを停止させないで、この再編成を行うことが可能です。

HiRDBは、日立ディスクアレイシステムのShadowImage(ボリュームレプリケーション機能)で二重化されたボリュームをそれぞれ別のデータベースとして利用でき、一方をオンラインサービスの継続に使い、もう一方で並行してデータベースの再編成などの処理ができます。 このため、オンラインサービスを停止することなく、またパフォーマンスにほとんど影響を与えることなく再編成を行えます。 そして再編成が完了すると、再編成中に利用者が実施した更新要求を、再編成したデータベースに適用する「追い付き処理」を適用してデータベースを統合します。 さらにデータベースの更新を伴うオンライン処理を実行しながら、データの削除により使用されなくなった領域を探し出し、再利用することで領域を効率的に利用します。(図2)

図2:オンラインデータベース再編成
図2:オンラインデータベース再編成

コストパフォーマンスを高める技術

次に、コストパフォーマンスに優れたシステムを実現する技術についてご紹介します。

フェイルオーバー時の負荷変動に自動対応

これまでHAクラスタでフェイルオーバーすると、処理を引き継いだノードの負荷が増大するため、レスポンス性能の低下などの障害が発生することがありました。

日立のエンタープライズサーバーEP8000では、仮想化技術であるDynamic LPARにより、フェイルオーバーによって発生する負荷の移動に動的に対応し、OSを止めることなく、論理区画の割り当てを変更できます。

さらに、MicroPartitioning*1やAcitveMemorySharing*2などの高度仮想化機能、またオンデマンド機能を組み合わせることで、負荷変動に応じた自律的なリソースの動的再配分、動的追加を適正なコストで行うことが可能となり、リソース不足でスローダウンするといった問題を防止できます。

図3:仮想化機能とオンデマンド機能の組み合わせによる動的なリソース割り当て
図3:仮想化機能とオンデマンド機能の組み合わせによる動的なリソース割り当て

*1
MicroPartitioning /プロセッサーの仮想化によって、物理的には1個のプロセッサーを0.05個単位に分割してパーティションに割り付けます。物理的なプロセッサー数に制約されない柔軟なパーティションの構築/運用が可能です。
*2
AcitveMemorySharing /物理メモリのリソースをLPAR間で効率良く自動的に配分する機能です。

高い可用性とコストパフォーマンスを実現する日立の垂直統合型DBソリューション

日立の垂直統合型DBソリューションは、基幹系システムに実績のあるエンタープライズ・データベースサーバー(構成製品は以下)に加え、導入から運用までトータルで支えるサポートを提供します。

エンタープライズ・データベースサーバー構成製品

エンタープライズサーバー(EP8000)
お客さまの業務を「止めない、止まっても迅速に回復するシステム」を追求した高信頼、高可用なUNIXサーバー
エンタープライズストレージ
お客さまのニーズに応じた幅広いラインナップを用意。先進の機能を備え、高い柔軟性、拡張性を持つストレージ
DBMS(HiRDB)
「止めない」設計思想に基づき、高可用性を追求し続けるノンストップデータベース

サービス、サポート

移行の支援サービス
OSやDBだけでなく、アプリケーションや運用管理についてもサイジングから構築、チューニング、本番稼働まで移行を支援するさまざまなサービス
日立サポート360
構成製品を日立で設計し提供しているために可能な、適切かつきめ細かい一貫性のあるワンストップサポート

特記事項

  • この記事は、「会報誌 HITACHI USER 2013年11月」に掲載されたものです。
  • 記載の会社名、製品名はそれぞれの会社の商標もしくは登録商標です。