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圧縮機:日立

Hitachi

なぜトラブルはおこるの?

どんなに優秀な機械でも毎日の運転で少しずつ性能が低下し、“部品の摩耗”が進みます。

圧縮機は一度動き出すと24時間365日稼動しつづけます。年間には約8,000時間強も動きつづけていることになるのです。これは、時速60kmで走る車にたとえると、なんと1年間で48万kmも走ってしまう計算になります。

どんな車でもこんなに走ってしまう前に必ず点検を受けて機械のチェックを行い、悪いところがあれば修理されます。それは圧縮機でも同様です。稼動している時間が長ければ長いほど、トラブルをおこす確率は高くなっていくのです。

定期点検のおすすめ

部品などの摩耗や劣化は、どんな機械にも共通して発生します。事故を未然に防ぐことはもちろん、トラブルの芽を事前に摘みとり、常にベストコンディションで機械の寿命を少しでも延ばしたい。これは機械を扱われている技術者全員の方のご希望かと思われます。

そのためには、「定期点検を実施していただくこと」が非常に大切なこととなるのです。

定期点検のご案内

圧縮機は、当社の推奨するオーバーホール期間をわずかでも過ぎれば、必ず故障するものではありません。しかし、長期運転により故障率が高くなった機械を大きなリスクとともに運転するか、あるいは計画的な整備を行い安定した操業を行うか今後のオーバーホール計画についてのご検討をお願い申し上げます。

日常点検

概要

日常点検は定期巡回により運転記録をとることです。運転記録を長時間継続することにより機械の特性をつかむことができます。

運転管理

  1. 圧縮機運転中は定期的に巡回し、回転音、振動、圧力、温度などに注意し、次の各項目ごとに測定し、記録してください。
    運転管理
    a. 日付 i. 起動、停止時間
    b. 時間 j. その他の特記事項(音・振動など)
    c. 主電動機電圧 k. オイルタンク油面
    d. 主電動機電流 l. ドレン排出状況
    e. 空気圧力 m. 給油温度
    f. 吐出温度 n. Y形ストレーナ
    g. 冷却水温度 o. 状況
    h. 給油圧力    
  2. 吐出圧力、吐出温度の数値は保護装置によってください。それらの数値を超えた値で運転いたしますとロータ接触事故の原因になります。
  3. 潤滑油給油圧力は次の条件で管理してください。
    a. 使用油種 指定潤滑油を参照願います。
    b. 給油圧力 0.15〜0.22MPaG(1.5〜2.2kgf/cm²G)
  4. 主電動機の軸受の給油は主電動機図面または電動機給油銘板をご参照ください。
  5. 巡回時は常に圧縮機、増速機、電動機などに異音がないかを注意してください。異音があって原因不明の場合は状況確認後速やかに圧縮機を停止してください。

日常点検項目

下記項目に従い毎日点検を行ってください。

日常点検項目
品名 点検項目 備考
フィルタシグナル 黄色の表示を確認 前面赤色表示が出たら吸入フィルタのメンテナンスを行う必要があります。
オイルタンク 油量確認 "L"レベル以下になったら"H"レベルと"L"レベルの中間まで補給してください。
ドレン配管 ドレンの排出を確認する ※ ドレンの排出を確認してください。ドレン排出が十分でない状態で運転を継続しますと機器の損傷につながります。

●ドレンの排出状況は毎日1回必ずドレン検出弁を開けて点検してください。

ドレン排出弁から多量のドレンが出る場合は、ドレンオリフィスが目詰まりしているか、あるいはドレンストレーナが汚れていることが考えられます。この場合、直ちにドレンサイレンサー(オリフィス内蔵)とストレーナを外して点検清掃して下さい。ドレンの多い梅雨時は、できるだけ小まめに(1回/2〜3時間)点検してください。

※ ドレンの排出を確認してください。ドレン排出が十分でない状態で運転を継続しますと機器の損傷につながります。

補機点検

オーバーホール周期について

オーバーホール周期について
時間 8,000時間(NHシリーズ:10,000時間)
期間 1.0〜1.5年(NHシリーズ:2年)
内容 容量調節装置、エアクーラ、オイルクーラ、エアフィルタ、オイルポンプ、オイルフィルタの分解、清掃、および部品交換
  • * 期間および運転時間は、どちらかが早く達した場合に行ってください。

点検内容

点検内容
1 吸入フィルタ エレメント交換
2 吸入バタフライ弁 弁および油圧シリンダの分解、清掃、防錆、部品交換などの整備
3 エアクーラ 分解、ジェット洗浄、防錆、耐圧試験、部品交換などの整備
4 オイルクーラユニット オイルクーラ/オイルフィルタの分解整備、オイルポンプ用シール、キーなどの交換
5 吐出サイレンサ 分解、清掃
6 潤滑油 全量交換
7 ナイロンチューブ 交換
8 エアブロックケーシング 冷却水通路部の清掃
9 ドレン用Yタイプストレーナ 分解、清掃、防錆などの整備
10 放風サイレンサ 分解、清掃
11 主電動機軸受へのグリース補給  
12 電気盤 リレー、スイッチなどの目視による点検、気吹き清掃
  • * 主機部分(エアブロック、主電動機など)以外の分解、点検、整備を実施いたします。

全体点検

オーバーホール周期について

オーバーホール周期について
シリーズ Hシリーズ NHシリーズ EHシリーズ SHシリーズ UHシリーズ
時間 35,000時間 50,000時間 - - -
期間 4年 6年 6年 6年 6年
内容 <補機点検内容> 容量調節装置、エアクーラ、オイルクーラ、エアフィルタ、オイルポンプ、吐出逆止弁、オイルフィルタの分解、清掃(NH以降は2次側エレメント交換)および部品交換
<全体点検> 本体エアブロックの清掃、部品交換、モータの清掃、絶縁処理、部品交換
  • * 期間および運転時間は、どちらかが早く達した場合に行ってください。

点検内容

  1. エアブロック(以下はすべて油圧特殊冶具を必要とします)
    1. ギヤ、ケーシング、ベアリング、軸封装置、ロータなどの分解、洗浄、防錆塗装、目視/寸法検査
    2. ベアリング、O-リング、カーボンリング、ガスケット、規定部品類の交換
    3. ロータ間のタイミングおよびギャップ調整
  2. 主電動機
    1. ロータ/ベアリングの分解、コイルおよびステータコイルのスチーム洗浄
    2. コイルの緊縛点検、ロータ表面への仕上ワニスの塗布/乾燥、部品交換、単体無負荷試験(メガー測定)
  3. オイルポンプ用モータ
    1. ロータ/ベアリングの分解、ベアリング交換
  • * 全体、補機点検ともに空気側ダスト、冷却水側スケールの除去を実施します。

主電動機点検

概要

日立ドライスクリュー圧縮機(NDSシリーズ、SDSシリーズ)の主電動機標準仕様は、自己通風方式の開放形で、軸受はグリース給油方式のころがり軸受を使用した三相誘導電動機(2極,4極機)を採用しております。このためダストによる通風路の閉塞やコイル表面への付着による過熱が焼損事故の原因となります。また、往復圧縮機の電動機(10極,12極機)に比べて高速回転で運転されるため、指定グリース(日立WR−2グリース)の補給を怠りますと、ころがり軸受の損傷により、固定子と回転子の摺損事故につながります。

これらの事故を未然に防止し、安定した運転を確保していただくためには、電動機の定期的な分解整備が必要不可欠となります。日常の保守管理に加えて4年に一度の分解整備を実施願います。

画像:主電動機点検作業チャート
主電動機点検作業チャート

予防保全

主電動機の過熱を防止するため入気口のフィルタを定期的に掃除したり、注意銘板の指示に従い定期的に負荷側、反負荷側の軸受にグリースを運転中に補給することが必要です。排気温度や騒音、軸受の振動などにも毎日気を付けて監視して下さい。

分解整備

4年を過ぎたらSDS本体と同じ時に、モータの分解整備をお奨めします。巻線相互間や通風路にダストが付着し、冷却効果を悪くします。また、軸受箱内のグリースも劣化して軸受損傷に至ります。早めの分解設備で、ダストの除去と軸受の交換をお奨めします。

品質管理

分解整備と点検により、次回の分解整備に何を交換するか、どのように手入れをするかなど、当社にて来歴を管理させて戴いています。また、圧縮機との総合的な品質管理からも、分解整備は是非当社へ申し付け下さい。

高圧起動盤点検

概要

本圧縮機では、圧縮機の取扱説明書中で、盤内の電磁接触機器接触子の目視点検、リレーやタイマーの異常、異臭、変色の有無、ネジの増締めなど、お客さまによる各種点検整備をお願いしておりますが、圧縮機および高圧盤がパッケージ化された製品ということもあり、高圧盤の点検保守が見逃されやすい状況にあります。

高圧電磁接触器主接点の溶着による限流ヒューズ遮断という事故が発生し、高圧電磁接触器を交換するということがありました。この事例は、定期的な高圧電磁接触器など高圧盤の点検を実施していれば、未然に防止できるものでした。

お客さまが設備を安心してご使用いただくためには、高圧盤においても通常点検のほかに、定期的な総点検をおこない、事故を未然に防止することが必要不可欠です。

高圧盤の定期的な総点検には、専門的な訓練を必要としますので、当社営業、または、日立特約店に照会いただければ、サービス員による点検整備を承ります。

高圧盤内機器の点検整備
機器名 保守の該当部位
盤本体 盤内各部の塵埃、異物
高圧電磁接触器 操作機構遮断部(消弧室)接触部、締付部制御装置補助接点
断路器 主回路接触部絶縁部
高圧限流ヒューズ ヒューズリンク(可溶体)ヒューズホルダ(支持絶縁体、接触部金具)
起動リアクトル起動変圧器 導体接続部絶縁物表面(エポキシ樹脂モールド)ケース変形(コンパウンド充填形)
電力ケーブル ケーブル本体(被服)端末部
保護継電器 出力接点機構部品コイル、電解コンデンサ、フォトカップラー
補助リレー限時リレー 出力接点コイル、コイル端末ケース端子台、端子時限設定値
操作、制御回路端子台開閉器、二次端子、補助接触器端子 締付端子端子間絶縁物接触子部
指示計器 指針端子
操作、切替開閉器 ハンドル、取付座接触子端子、端子台
配線用遮断機 接続端子開閉動作
高圧PT用ヒューズ ヒューズリンク(可溶体)ヒューズホルダ(磁器製)
制御用ヒューズ ヒューズリンク(可溶体)ヒューズホルダ
制御配線 電線被覆端末部
信号灯 -

アンロード100万回点検

概要

SDS圧縮機の容量制御はアンロード制御方式による、0〜100の%のステップにて行っております。アンロードの機構は下図となっておりますが、いずれも電気、機械部品からなり、作動回数と経過年数による整備、交換のメンテナンスをお願いしております。

アンロード電装部品の交換基準

アンロード電装部品の交換基準
  作動回数 経過年数 備考
SDS-Hシリーズ 100万回 約4.0〜6.0年 50万回で点検
(必要に応じ交換)
SDS-NHシリーズ
SDS-EHシリーズ 補助リレーは50万回で交換。他、点検(必要に応じ交換)
SDS-SHシリーズ
SDS-UHシリーズ
アンロードの機構

画像:アンロードの機構

  • *  上記の参考機構図はSDS-H、NHシリーズの代表的な例です(リレー盤)。
交換対象の電装部品と不具合現象例
部品名 記号 不具合現象
四方口電磁弁 20V1 スプールのスティック(動作不良)
吐出圧力スイッチ 63A3 圧力設定値の狂い(ハンチング現象)
補助リレー 20VX 接点の面荒(連続アンロード)
アンロードカウンタ HC 回数未カウント(作動回数の管理不可)
放風圧力スイッチ 63A1 圧力設定値の狂い(保護回路の誤動作)
放風圧力タイマ 62A1 時限カウント不可(保護回路動作不可)
  • * 上記に記述のとおり不具合の生じる可能性が高くなりますので、部品の事前準備(予備品の保有)をお願いいたします。
  • * 上記部品構成例はリレー盤をモデルとしております、「E盤(電子盤)・N.I.C.S.盤」搭載機などに関しましては記号、仕様が異なる場合がございますのでご不明な点はお問い合わせください。