2013年3月29日
今、世の中で“ビッグデータ”というキーワードが熱い注目を集めている。もっとも、なんとなくわかったようで、いまひとつ本質がつかみきれないのがビッグデータではないだろうか。インターネットの普及が“情報爆発時代”をもたらしたとも言われ、多くの企業や人々はあふれる情報を持て余し気味であった。そうした中で、見過ごされてきたデータ、あるいは捨て去られてきたデータを蓄積し、的確な分析や解析を行うことで、ビジネスや生活に役立てていく。さらには、新しい知見や洞察(気づき)を導き出し、社会やビジネスにイノベーションをもたらしていくというのがビッグデータのめざす姿だ。顧客やパートナー企業との協業を通じて新たなビジネス価値を創出すべく、ビッグデータ利活用事業の強化に踏み出した日立の取り組みについて、執行役常務であり情報・通信システム社のCSOを務める渡部眞也と、スマート情報システム統括本部の副統括本部長を務める安田誠の二人が語った。
![[写真] 渡部 眞也](/products/dream-real/innovation/001/images/index_p01.jpg)
日立製作所 執行役常務
情報・通信システム社CSO
渡部 眞也
![[写真] 安田 誠](/products/dream-real/innovation/001/images/index_p02.jpg)
日立製作所 情報・通信システム社
スマート情報システム統括本部
副統括本部長
兼ビジネスイノベーション本部長
安田 誠
![[写真] 渡部 眞也](/products/dream-real/innovation/001/images/index_img01.jpg)
大量かつ多様な情報のポジティブな利活用を促していくビッグデータは、これまでとは大きく違ったIT(情報通信技術)の将来を切り拓いていく可能性がある。
日立製作所の執行役常務であり情報・通信システム社のCSOを務める渡部眞也は、このように語る。
「ITの歴史を振り返ると、2000年以前においても、例えばデータウェアハウスやビジネスインテリジェンスなど、大規模なデータ分析基盤が構築されてきました。ビッグデータも、そうした取り組みの延長線上にある技術とみることができます。ただ、従来のデータウェアハウスやビジネスインテリジェンスは、市場トレンドの把握や現状のビジネスにおける問題点の究明、経営の意思決定支援など、特定の課題に対するソリューションを導き出すためのものでした。これに対してビッグデータは、まったく新しい情報の価値そのものを創出していくことを目的としています。その意味でもビッグデータは、かつてない大きなポテンシャルを秘めた革新へのチャレンジと言えるのです」
世界に目を向けてみると、すでに政府レベルによる取り組みが始まっている。例えば米国オバマ政権は、2012年3月29日、膨大な量のデータを最大限に活用し、国家が直面する喫緊の課題への取り組みに役立てることを目的とした「ビッグデータ研究開発イニシアティブ」を発表した。
同施策は、「ビッグデータ関連技術に対する政府投資が、まだまだ足りない」と指摘した大統領科学技術諮問委員会の提言に応える形で策定されたもので、「膨大な量のデータ管理や分析を必要とする最先端中核技術の発展を促す」、「その技術を科学や工学分野における発見、国家安全保障の強化、教育に役立てる」、「ビッグデータ技術分野の人材育成を推し進める」といった目的が掲げられている。
厳しい予算の中で、年間2億ドルを超える巨額の財政的コミットメントを行ったことも衝撃として受け止められた。かつて政府が先駆的な投資によって育成してきたインターネットと同様に、革命的な効果を持つビッグデータに対する期待がその背後にある。
もちろん、我が国でもITベンダーや大手ユーザー企業を中心に、ビッグデータは急速な勢いで関心を集めており、盛り上がりを見せている。総務省や経済産業省が中心となり、2020年頃までに重点的に取り組むべき情報通信技術戦略のテーマとしてビッグデータの利活用を採択するなど、政府も動き始めた。