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統合サービスプラットフォーム BladeSymphony

Oracle9iなどの古いデータベースを複数利用していると、サーバーやOracleの保守期限切れになったり、情報漏えいや災害時の対策に頭を悩ませたりと課題が徐々に増えていきます。そこでサーバーリプレースのタイミングで、データベースもなんとか統合したいと考える方は多いのではないでしょうか。そんなお客さまに、日本オラクル株式会社(以下日本オラクル)のデータベース・クラスタリング技術「Oracle Real Application Clusters(以下、Oracle RAC)」と日立の統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」に搭載されているサーバ論理分割機構「Virtage」による新しいデータベース統合「Oracle RAC on Virtage」のご提案です。

Oracle RAC on Virtageのポイント ○Oracle RACでの稼働が正式に認定された仮想化機構 ○従来まで実現が難しかった仮想化によるデータベース統合を実現 ○Oracle RACによるクラスタ構成で可用性を向上

データベースシステム構築の課題

データベースシステムを各部署が独自に構築したり、業務ごとに別々のデータベースを作成したりしていて、社内に多くのデータベースが散在している状況がよく見られます。このような場合、データベースの保守料が継続的にかかる、暗号化しておらず情報漏えいの危険性がある、地震や火災などの災害対策がなされていない、部門ごとにバラバラに管理されている、シングル構成でバックアップ頻度が低く信頼性・可用性に不安があるなど、課題が山積みです。

データベースシステム構築の課題

データベースのさまざまな統合方法

データベースのさまざまな統合

こうした課題を解決する方法のひとつとして、データベース統合が挙げられます。データベース統合には、以下のような方法があります。

1.ブレードサーバー統合

まずPCサーバーを最新のブレードサーバーに統合する方法があります。

データベースを統合しなければ、インスタンス数やサーバー台数は大きく変わりませんが、ブレードサーバーは省スペース・省ケーブル・省電力性に優れ、運用管理を一元化できるため、TCO削減につながります。

  • * TCO:Total Cost of Ownership(情報化コスト)

メリット ○省スペース・省ケーブル・省電力 ○運用管理の一元化が可能課題 ○インスタンス数やサーバー台数の大幅削減は困難

2.仮想化ソフトウェアによる統合

仮想化ソフトウェアによる統合

次に仮想化ソフトウェアを使用して1台のサーバー上に複数の仮想マシンを作成し、そこにデータベースを移行する方法があります。

メリットとしては、1台のサーバーに複数のデータベースを集約できること、各データベースシステムを異なるOSやDBMSのバージョンで構築できること、仮想化の可用性機能を利用できること、などが挙げられます。

課題としては、複数の仮想マシンが同居するため大きなデータベースが作れないこと、「Oracle RAC」がサポートされていないため、クラスタ化が保証されないことなどがあり、現実的には適用が難しい状況です。

メリット ○サーバー1台に複数DBを統合可 ○仮想化の高可用性機能を利用可 ○異なるOSやDBMSのバージョンで仮想環境へ移行可
課題 ○大きなDBの構築は不可 ○仮想化ソフトウェア上でのOracle RAC構築が未サポート

3.Oracle RACによる統合

こうしたなかで、Oracle RACを用いてデータベースを統合する方法が利用され始めています。

Oracle RACは各々のデータベースを複数のサーバーで並列処理し、サービスとスキーマという概念で複数のデータベースを独立して動作させることができるため、可用性やスケーラビリティに優れています。その他、システム稼働中に動的にCPUやストレージのリソースを自由に割り当てられるため、効率良くデータベースを集約でき、月末のピーク時にも容易に対応できること、1システムなのでディザスタリカバリ構成が容易に組めること、など多くのメリットがあります。

一方で、データベースがひとつに統合されることから、障害対応やメンテナンスの際にデータベース停止の影響がすべての業務に及ぶこと、同一バージョンに統合する必要があり、移行の工数が大きくなるといった難点もあります。

Oracle RAC とは

概要図

  • 共有ディスク方式を採用した、全ノード現用機で運転するデータベースクラスタシステム
  • ディスクを経由せずにノード間のデータを同期させるキャッシュフュージョンによりリニアなスケーラビリティを実現

Oracle RACで構築された業務システム

メリット ○高可用性とスケーラビリティを実現 ○DB間のリソース融通で月末などのピーク対応可 ○1システムのためディザスタリカバリ構成が容易課題 ○データベース停止の影響がすべての業務に及ぶ ○同一バージョンに統合する必要があり移行に工数がかかる

Oracle RAC on Virtageのすすめ

上記いずれの方法もそれぞれメリットがある反面、課題も残されています。そこで、これらの課題を解決し、各々のメリットを両立するために、日本オラクルと日立が共同でシステム稼働検証を重ねてきたのが、Oracle RACと日立サーバ論理分割機構Virtageによるデータベース統合「Oracle RAC on Virtage」です。

Oracle RAC on Virtage

Oracle RAC on Virtageのポイント ○多ノード化することで、ノード障害発生時の性能低下やリカバリ処理による負荷上昇を軽減

Virtageは日本オラクルがOracleデータベースの稼働を正式に認定した仮想化機構です。シングルデータベースはもちろん、Oracle RAC環境下でも安心して利用でき、既存のシングルデータベースを統合する場合には、そのままVirtage上に移行できます。これを機にVirtage上でOracle RACによるクラスタ構成を組み、ビジネス継続性を確保してはいかがでしょうか。

1.物理環境と同様の運用・信頼性を実現

Virtageによるハードウェアの論理分割方式

Virtageはハードウェアの論理分割方式であり、他の仮想化ソフトウェアとは異なり LPAR上のOSは物理環境と同一のI/Oドライバーを通して直接I/Oにアクセスします。これにより、Oracle Automatic Storage Management(ASM)やバックアップソフトなど、LPAR上で従来と同じソフトウェアを利用可能です。

また、CPUやメモリなどのハードウェアリソースに万が一障害が発生した場合、障害部位を使用しているLPARのみに影響範囲を局所化できるため、縮退運転で業務の継続が可能です。

2.仮想化を用いたプライベートクラウド環境を構築可能

Virtageでは、Oracle以外にもWeb/APサーバーやバックアップサーバー、ファイルサーバーなどもLPAR上に構築できるため、仮想化を用いたプライベートクラウド環境を構築し、マシン設置スペースの削減や運用負担の軽減が図れます。

3. 処理に応じたLPAR割り当てでピーク時処理に力を発揮

Virtageでは、6コアCPUを2個搭載した計12コアのサーバーを使用するような場合、他の仮想化ソフトウェアでは実現不可能な多くのコア、たとえば10コアを1つのLPARに割り当てることができます。これにより、月末、期末のバッチ処理などの多くのCPUコアを必要とする業務にも柔軟に対応できます。

さらに、BS2000の高性能サーバブレードなら、より多くのCPUをLPARに割り当てられるため、大規模なデータベースを問題なく統合することができます。

4.データベースやLPAR単位で設定変更が可能

Oracle RACによるデータベース統合を物理環境で実行する場合、システムが1つのインスタンスとして稼働するため、バックアップやパッチ適用がすべてのデータベースに反映されます。一方でVirtageを利用した場合、LPAR単位で設定変更やリブートが可能なため、他のLPARの業務を止めずにバックアップやパッチ適用、本番環境への移行などを個別に実行できるようになります。

また、データベースごとに異なるOSやDBMSのバージョンを利用できるため、古いデータベースからの移行にも柔軟に対応できます。

サーバーリプレースの際には、ぜひOracle RACとVirtageによるデータベース統合(Oracle RAC on Virtage)をご検討ください。 お問い合わせはこちら

「日立-オラクルVirtageソリューションセンター」のご紹介

日立と日本オラクルは本センターでのシステム検証を通して、Virtageと「Oracle Database 11g」や「Oracle Real Application Clusters」を組み合わせた高い信頼性、可用性を持つデータベースシステムの構築・統合に向けてのコンサルテーションや事前評価などを行います。さらに「Oracle Active Data Guard」などの予備システムの効率的な運用を実現するソフトウェアと「Oracle Database 11g」、Virtageを組み合わせた事業継続計画(BCP)を実現するシステムの提案・構築支援も行っています。

記事・動画

「Oracle Real Application Clusters」の稼働環境として、日立のサーバ仮想化機構「Virtage(バタージュ)」が認定された。
メインフレームに由来する信頼性を持つVirtageとOracle RACのコラボレーションは、基幹系システムのクラウド化を後押しすることになるだろうか。

[ ITmediaエンタープライズ 2011年8月 ]

Oracle OpenWorld Tokyo 2012、4月4日の日立製作所の講演では、日立のサーバ仮想化技術であるVirtageとOracle製品を組み合わせて、相互の特長を活かし障害や災害に強いシステムを構築した具体例、検証結果を交えた解説が紹介された。

[ ZDNet Japan 2012年5月 ]

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