中京テレビは、どのようにしてコスト削減に対応しながら
高信頼化と運用効率化を図ることができたのか?
中京テレビは、「N+1コールドスタンバイ」で高信頼化し、「JP1」で運用効率化を図った
新営業放送システムをBladeSymphonyで構築。
地デジ化やインターネットをはじめとする新メディアの拡大、昨今の景況悪化などを背景に、テレビ業界全体が新たな活路を模索する中、今年、開局40周年を迎えた中京テレビ放送株式会社 (以下、中京テレビ) では、IT部門であるメディア開発局が中心となり、最先端デジタル技術の研究開発や実証実験、そして、新サービスの提供に注力してきた。攻めのビジネスを展開する一方、同社では、ITコストの削減を目指し、基幹システムである「営業放送システム」の再構築を決断。サーバ統合に着手した。そしてBladeSymphonyが、経営課題としてのITコスト抑制はもちろん、現場の効率化を推進するレスポンススピードの最適化、さらに、ミッションクリティカルな営業放送システムの信頼性向上などに大きな威力を発揮した。
中京テレビ放送株式会社 取締役
メディア開発局長
樋口 由紀雄 氏
2011年の地上デジタル放送完全移行が迫る中、テレビ局は何か新しいことをやっていかなければ生き残っていけない状況を迎えています。この厳しい局面において、当社の新たなチャレンジを担う戦略的なセクションが、社内システムを運用管理する情報システム部と新メディアにコンテンツを提供するデジタルメディア開発部からなるメディア開発局です。よりチャレンジングな業務に集中していくために、社内システムにかかる運用などのコスト削減を図り、無駄のない筋肉質な組織への体質転換を目指していました。
中京テレビ放送株式会社 メディア開発局
情報システム部長
鈴木 則泰 氏
「営業放送システム」はCMの受注や放送準備、月末請求処理などを管理する基幹システムです。障害の程度如何では翌日の放送に支障をきたす重要なシステムであり、旧システムでは1対1のクラスタ構成で冗長化していました。しかし、サーバの稼働率が低い非効率な状況が生じ、また予算の関係で一部サーバを冗長化できないという不安も同時に抱えていました。コスト効率と信頼性が相克するそんなジレンマの中で、最適な投資で必要にして十分な信頼性を備えたシステムを実現するのが情報システム部のミッションでした。
中京テレビ放送株式会社 メディア開発局
情報システム部 副参事
三鍋 直大 氏
以前から、「営業放送システム」はUNIXベース、会計処理など周辺業務を担う「業務システム」は、Windows®ベース、メールサーバはLinuxとなっており、運用管理システムにはそれぞれ異なる製品を採用。運用の手間が二重にかかっていました。さらに最近はUNIXスキルのないシステム要員も増えており、「営業放送システム」において、深夜や休日に障害が発生した場合、当直者が一次対応ができないという不安を伴う状況も生じていました。
中京テレビ放送株式会社 メディア開発局
情報システム部
主事 浅野 覚 氏
増え続けるサーバに対してサーバルームは狭く、ITコスト削減要求の中、電源容量・空調性能も限界でした。また、万一の際にはシステムを完全に復元する必要があるため、きめ細かなバックアップが必要。これまでは各サーバ単位で個別にLTOにバックアップを取っていたため、手間も時間も負担が大きく、また長期休暇の際には途中一度出社してテープマウント作業をするなど工程も煩雑化していました。
「営業放送システム」の再構築には、運用の効率化と信頼性向上をにらみ、新システムのプラットフォームとして拡張性に優れたBladeSymphonyの小型高集積モデルBS320の導入を決定。4ラック分・計10数台のサーバ群を、9枚のサーバブレード+予備サーバからなる1シャーシのBS320に集約しました。また、全てのサーバをN+1コールドスタンバイ構成とし、サーバ稼働率に無駄がなく、構築・運用コストの低減に寄与する高信頼・高可用なシステムを実現。またプラットフォームをUNIXから、Windows®とLinuxに変更するとともに、運用管理をシステム運用管理ソフトウェア「JP1」に統合することで、運用管理業務の標準化を図り、より多くのユーザーにとって扱いやすい効率的なシステム環境を整備しました。
すべてのブレードサーバを、1枚の予備サーバで複数サーバの障害を迅速にリカバリーできる「N+1コールドスタンバイ」構成とし、コストを抑えながら、高信頼化・高可用化を実現。さらに、「営業放送システム」のミッションクリティカル性に配慮して、その中核となるAP・DBサーバでは1対1のクラスタ構成とN+1構成を組み合わせた二重の切り替え系を構築し、より高度な信頼性・可用性を確保しました。
既存の「業務システム」で使いやすさに評価のあったシステム運用管理ソフトウェア「JP1」に運用管理を統合。BladeSymphonyとの親和性も高く、各システム要員のスキルに依存することのない運用管理が実現し、障害発生時に、誰でも一次対応できる体制となりました。
各サーバのバックアップデータをいったんストレージに集約し、一括で大容量のLTO4ライブラリに統合的にバックアップする効率的な方式を採用。併せて、日立ディスクアレイサブシステムのShadowImage機能で、24時間稼働する「営業放送システム」の停止時間を最小限に抑え、常に最新のデータをバックアップできるようにし、スムーズな業務遂行を支援しました。
小型高集積モデルBS320の採用により、従来4ラックからサーバ群1ラック、ストレージ1ラックの計2ラックへダウンサイジング。この結果、電源容量や空調能力を拡張する必要もなく、大幅な省スペース化を実現しました。
営業放送システム概要

LDAP:Lightweight Directory Access Protocol
システム構築コストを20%も削減できたほか、電気代などを含むランニングコストについても、今後確実に低減効果があらわれてくるでしょう。コスト削減と性能向上、運用効率化など多くの課題を克服した本プロジェクトの成果には非常に満足しており、社内的にも、取締役会で審議を経て局長賞を贈りました。
N+1コールドスタンバイの活用で、コストを下げながら信頼性向上を実現できました。特に重要なシステムは1対1のクラスタリングとN+1コールドスタンバイの併用で信頼性を強化できるなど、コストと信頼性のバランスを最適化することができました。
Windows®とLinuxで構築した新しい「営業放送システム」の運用管理を、「業務システム」で使い慣れた「JP1」で標準化することでシステム要員の負担が軽減。深夜の呼び出しなども減りました。また、システム管理ソフトウェア「JP1/ServerConductor」で各ブレードの稼働状況をビジュアルで直感的に把握できるため安心感が向上しました。
大幅な省スペース化を実現するとともに、消費電力・発熱量も低減。ケーブルも少なくなってサーバルームがすっきりしました。また、効率的な統合バックアップで運用負荷が低減し、バックアップに要する時間もほぼ半減と大幅に短縮できました。

左から三鍋直大氏、浅野覚氏、樋口由紀雄氏、鈴木則泰氏、
メディア開発局 情報システム部 副部長 岩田敏裕氏
仮想化技術などの活用も視野に入れつつ、システムのさらなるBladeSymphonyへの集約を検討中。体質強化を推し進めたいと思います。そこで削減できたコストを新しいサービスやコンテンツ開発に投入しながら、メディア開発局が「クロスメディアプロデューサー」として、現在の困難を打開する新たなフロンティアを開拓していければと思います。
[お客さまプロフィール]中京テレビ放送株式会社
![]()
東海3県をエリアとする日本テレビ系列の民放テレビ局。最近では従来のテレビ放送の枠を越え、ワンセグ放送を活用したキャラクター育成ゲーム「せぐっチュ!」の配信や産学連携による各種デジタル技術の実証実験などにも積極的に取り組んでいる。
[所在地]名古屋市昭和区高峯町154番地
[設立]1968年3月1日
[開局]1969年4月1日
[従業員数]253名 (2009年4月現在)