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大切な生態系(せいたいけい)を守るお話

地球には人間だけでなく、さまざまな生きものが住んでいて、お(たが)いに影響(えいきょう)(あた)え合いながら、()らしています。そんな中で、最近(さいきん)では「絶滅(ぜつめつ)してしまうかもしれない」と言われる生きものが()えています。それはなぜなのでしょうか?ここでは、生態系(せいたいけい)保全(ほぜん)生物多様性(せいぶつたようせい)の大切さについて学びましょう。

生態系(せいたいけい)生物多様性(せいぶつたようせい)って何だろう?

たとえば、森に行くとさまざまな生きものがいることが分かります。森の(おく)()らしているキツネやウサギ、小鳥や昆虫(こんちゅう)のほかにも、(わたし)たちの目には見えないほど小さな微生物(びせいぶつ)など、さまざまな生きものがいます。こうした森の生きものたちはバラバラに存在(そんざい)しているのではなく、すべてがお(たが)いに関係(かんけい)して生きているのです。これを「生態系(せいたいけい)」と言い、生態系(せいたいけい)にたくさんの種類(しゅるい)の生きものがいることを「生物多様性(せいぶつたようせい)」と言います。

生態系(せいたいけい)食物連鎖(しょくもつれんさ)

生態系(せいたいけい)の中には、「食物連鎖(しょくもつれんさ)」と呼ばれる、「食べる」「食べられる」のつながりがあります。たとえば、ウサギのような草食動物は森の草や木の実を食べますが、そのウサギを食べるキツネのような肉食動物がいます。また、そのキツネも、より大きな肉食動物に食べられてしまうことがあります。

また森には、動物のフンや死がい、落ち葉があり、それらは微生物(びせいぶつ)やダンゴムシ、ミミズなどによって分解(ぶんかい)され、土の中で養分(ようぶん)となります。その養分(ようぶん)吸収(きゅうしゅう)して、植物が育ち、その植物を草食動物が食べるわけです。このように、お(たが)いに影響(えいきょう)(あた)え合いながら、自然界全体(しぜんかいぜんたい)のバランスを(たも)っているので、つながりのある生きものがいなくなると、生態系全体(せいたいけいぜんたい)に大きな影響(えいきょう)が出てきます。

生物多様性(せいぶつたようせい)危機(きき)

3つの危機(きき)

  • 第1の危機(きき)

    人間の活動による生態系(せいたいけい)破壊(はかい)(しゅ)減少(げんしょう)絶滅(ぜつめつ)
  • 第2の危機(きき)

    里地里山など人間の(はたら)きかけの減少(げんしょう)による影響(えいきょう)
  • 第3の危機(きき)

    外来生物などによる
    生態系(せいたいけい)のかく(らん)
  • 地球温暖化(ちきゅうおんだんか)による危機(きき)

現在(げんざい)、その生態系(せいたいけい)危機(きき)にひんしています。そしてその原因(げんいん)の多くは、われわれ人間の活動だと言われています。このままでは、(わたし)たちは自らの行いで、自分たちが()らす生態系(せいたいけい)生物多様性(せいぶつたようせい)(こわ)してしまうかもしれません。生物多様性(せいぶつたようせい)危機(きき)は、3つの危機(きき)地球温暖化(ちきゅうおんだんか)による危機(きき)によって引き起こされています。一つ一つ見ていきましょう。

出典:環境省 自然環境局 
生物多様性〜いのちと暮らしを支えるもの〜

第1の危機(きき) 
ウナギが食べられなくなる?
人間の活動による生態系(せいたいけい)破壊(はかい)(しゅ)減少(げんしょう)絶滅(ぜつめつ)

各種ウナギ類稚魚の漁獲量(1960〜70年代を100としたときの推移)

環境省(かんきょうしょう)は2013年2月1日、汽水・淡水魚類(たんすいぎょるい)の新たなレッドリスト(絶滅(ぜつめつ)(おそ)れがある野生生物の(しゅ)のリスト)にニホンウナギを追加(ついか)しました。みなさんが食べるウナギは、近海でとったり輸入(ゆにゅう)した稚魚(ちぎょ)のシラスウナギを育てたもの。この稚魚(ちぎょ)が年ごとに少なくなり、10年前の時点でもピーク時の2(わり)ほどしかとれなくなっています。不漁(ふりょう)原因(げんいん)は、海水の温暖化(おんだんか)やエルニーニョなど自然現象(しぜんげんしょう)乱獲(らんかく)河川(かせん)人工構造物(じんこうこうぞうぶつ)建設(けんせつ)などが考えられていますが、原因(げんいん)(いま)不明(ふめい)です。日本の食文化に()かせないウナギを守るため、(きび)しい漁獲管理(ぎょかくかんり)資源保護(しげんほご)などの対策(たいさく)必要(ひつよう)です。

グラフ:農林水産省 農林水産レポート
出典:環境省 2013年2月1日報道発表資料より

第2の危機(きき) 
何だか森に元気がない?
里地里山への人間の(はたら)きかけの減少(げんしょう)による影響(えいきょう)

耕作放棄地(こうさくほうきち)

手入れ不足(ぶそく)雑木林(ぞうきばやし)

昔の日本は、生活に必要(ひつよう)なものを自然(しぜん)から手に入れるため「里地里山」で()らしていました。水田・畑などの農地をつくり、ため池や水路をつなぎ、燃料(ねんりょう)となるまきを森から運び出したりして、自然(しぜん)とともに生きてきました。こうした()らしが生態系(せいたいけい)保全(ほぜん)に大きな役割(やくわり)を果たしてきたのですが、世の中が便利(べんり)になるにつれて徐々(じょじょ)(うしな)われ、()れた田畑や森林が()えてしまったのです。

第3の危機(きき) 
海外の生きものが()えている?
外来生物などによる生態系(せいたいけい)のかく(らん)

もともとその地域(ちいき)にいなかったのに、人間の活動でほかの地域(ちいき)から入ってきた生きものを「外来種(がいらいしゅ)」と言います。「ブラックバス」という()りの愛好家(あいこうか)に人気の高い、北米に生息していた魚もその一つ。この魚は、人間の手で日本に()()まれ、今では日本中の多くの湖や池に生息しています。ブラックバスは肉食のため、もともとそこに住んでいた日本の魚を大量(たいりょう)に食べてしまい、生態系(せいたいけい)に大きな影響(えいきょう)(あた)えています。

地球温暖化(ちきゅうおんだんか)による影響(えいきょう) 
絶滅(ぜつめつ)のリスクが上昇(じょうしょう)する?

白化したサンゴの(れい)

健康(けんこう)なサンゴの(れい)

人間の出す温室効果(おんしつこうか)ガスなどが原因(げんいん)で、地球全体の平均気温(へいきんきおん)は昔と(くら)べて上がっています。地球の気温が1.5〜2.5℃上昇(じょうしょう)してしまうだけで、サンゴやアザラシ、ホッキョクグマなどが生息できない環境(かんきょう)になってしまうと言われています。温暖化(おんだんか)によって世界の動植物の20〜30%は、絶滅(ぜつめつ)のリスクが高まるという調査報告(ちょうさほうこく)もあります。

出典:環境省 IPCC第4次評価報告書(2007)
※気候変動に関する政府間パネル(Inter governmental Panel on Climate Change)

国際会議(こくさいかいぎ)開催(かいさい)

世界中の人が立ち上がった!

生態系(せいたいけい)生物多様性(せいぶつたようせい)保護(ほご)するために、1992年、ブラジルのリオデジャネイロで地球サミット(国連環境開発会議(こくれんかんきょうかいはつかいぎ))が開催(かいさい)されました。世界中の国や地域(ちいき)一堂(いちどう)に集まり、話し合いの場を持つことになりました。以来(いらい)条約(じょうやく)や取り組みの状況(じょうきょう)確認(かくにん)したり、議論(ぎろん)を深めるために「締約国会議(ていやくこくかいぎ)」が定期的(ていきてき)開催(かいさい)されていて、「COP(コップ)」と()ばれています。

※COP:Conference of Parties

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