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日立キッズ

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明治大学文学部教授 齋藤 孝さん

子どもたちを取り巻く環境

近年、子どもたちを取り巻く環境が大きく変わり、いじめや不登校が大きな問題になっています。齋藤先生はどう考えているのかお聞きしました。

いじめは絶対に許さない、と子どもたちに伝えよう。

■いじめについてどうお考えですか。

齋藤さん学ぶことがわかっている子どもは、基本的にいじめはしません。なぜなら、自分が向上することに主なエネルギーを使っているからです。やはり、目標のない人間が、いじめをしたりするのかもしれません。

いじめに対しては毅然たる態度をとり、絶対に許さないというメッセージを子どもたちに伝える必要があります。いじめている事実があった場合は、放課後、毎日その生徒と一緒に論語を音読しましょう。これは私の持論なのですが、論語を声に出して読むことで、心と頭を鍛えることができます。人生にとってプラスになるから体罰ではありません。むしろスペシャルプレゼントですね。

いじめは、学校の責任です。学校という場で起こっているわけですからね。誰が誰をいじめているというのがわからないようでは、教師としては能力が低いと思います。

生徒1人ひとりを見て、とにかく聞きまくればいいのです。聞いて聞いて聞きまくれば、誰が誰に対してどうしているかみんな話します。自分がいじめているわけではないですから。それでもいじめが見つからなかったというのは、本気で探そうとしていないということです。

教育分野で日立に期待すること。

社会インフラや科学技術の経験とノウハウの授業化を期待!

齋藤さん日立の特長は、インフラ整備など社会貢献度が高いことです。1つの製品を売るのではなく、社会全体を整備するという企業活動ですね。やはり日本が発展したのは、国を中心にして社会インフラがすべて整っていたからなんです。

インフラ整備によって日本がどう発展してきたかを、コンパクトにまとめた授業風のビデオをつくるのはどうでしょう。それを各校へ無料配布し、これを見ると、日本がわかり、世界がわかります。
「すごい、すご過ぎるよ、水システム」とか、日立の広告ではなく、自分たちの仕事がどれだけすごいのか、誇りを持って伝えるという意味ですね。

もう1つは、科学の未来を子どもたちに伝えることです。科学によって私たちがどれだけ豊かになってきたのか、それを開発者の苦労とともに感動的に伝えてほしいですね。震災以降、ちょっと雰囲気が暗いですが、ポジティブな未来を描いてくれることを期待しています。

僕は授業をつくるのが専門だからですが、チームでアイデアを出す経験のサポートを期待します。例えば、水や電気が不足している地域に対して何ができるのか、資料をもとに、自分たちのチームでアイデアを出していく授業です。それは学力としてこれから非常に大事になります。日立ほどの経験と実績があれば、きっと授業化できると思います。

取材を終えて/齋藤先生のオフィスにおじゃましたのは夏の真っ盛り。都内で最高気温35℃を記録した猛暑日でした。暑い日にもかかわらず、先生は、きちんとネクタイを締め、スーツ姿でご対応いただきました。テレビで拝見するとおり、スラスラとよどみなくインタビューに答えていただきました。その際、印象に残った一言があります。"小学校時代は人間が一番伸びる6年間だ。" 小学生の世代に対する企業の取り組みは責任重大。日立キッズとしても参考になりました。

プロフィール

1960年、静岡生まれ。明治大学文学部教授。
東京大学法学部卒業。東京大学大学院教育学研究科博士課程などを経て現職。
専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。
2001年に出した『声に出して読みたい日本語』(草思社・毎日出版文化賞特別賞)がシリーズ260万部のベストセラーになり日本語ブームをつくった。
著書に『身体感覚を取り戻す』(NHK 出版・新潮学芸賞)、『読書力』『コミュニケーション力』『教育力』(岩波新書)など多数。
『読書力』は、過去入試出題率ナンバーワンにもなっている。
NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。
TBS系「情報7daysニュースキャスター」にレギュラー出演中。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~saito/