ページの本文へ

Hitachi

メニュー

日立総合病院

主とする対応疾患

  • 消化器系悪性腫瘍(食道がん、胃がん、大腸がん、小腸がん、肝細胞がん、胆管細胞がん、胆嚢がん、胆管がん、膵がん、十二指腸乳頭部がん、GIST、原発不明がん)
  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)
  • 急性肝炎、劇症肝炎、慢性肝炎、肝硬変、急性膵炎、慢性膵炎
  • 吐下血・血便の救急治療(胃・十二指腸潰瘍、食道静脈瘤、Mallory-Weiss症候群、逆流性食道炎、大腸憩室出血等)
  • 胆石、胆嚢炎、胆管炎、総胆管結石の診断と治療
  • その他の消化器系疾患(胃十二指腸潰瘍、ピロリ菌除菌治療など)

科の特徴

茨城県地域がんセンター、茨城県肝疾患相談支援センターに指定され、がんを含めた多くの疾患を診療しています。消化器系悪性腫瘍に対し、手術以外の化学療法、放射線療法、栄養療法を含む緩和療法を主に行なっています。食道がんに対しては術前化学療法や、手術非適応の場合は根治的放射線化学療法を行い、切除不能や再発した食道がん・胃がん、大腸がん、小腸がん、膵がん、胆道がんに対しては化学療法を標準的な方法を用いて行なっています(最近では化学療法センターでの外来治療が増えています)。肝がんに対しては、経皮的ラジオ波焼灼療法や肝動脈塞栓術、分子標的治療薬、さらには放射線治療を病態に応じて選択して行なっています。その他の消化器系悪性腫瘍の方に対しても、より長くかつ快適に生活できるように化学療法、がん免疫栄養療法や緩和療法を行なっています。
以下の早期がんに対しては内視鏡治療を行なっています。(1)粘膜に限局した食道がん(粘膜筋板に浸潤したものを除く)(2)粘膜に限局した分化型胃がん、粘膜に限局した20mmまでの潰瘍を伴わない未分化型胃がんの一部(3)粘膜に限局した大腸がん(粘膜下層へ微小に浸潤したものも含む)。

吐下血・血便をきたした患者さんに対しては緊急内視鏡により診断し、同時に止血術を行ないます(胃潰瘍、十二指腸潰瘍に対してはクリッピングやAPC焼灼、HSEなどの局注、食道静脈瘤破裂に対しては結紮術、大腸憩室出血や出血性直腸潰瘍に対してはクリッピングなど)。
閉塞性黄疸に対し、可及的早期の内視鏡的減黄術を行い乳頭切開術やバルーン拡張術にて結石除去、腫瘍の場合はステント挿入を行います。
ヘリコバクター・ピロリ菌に感染した患者さんに対し、除菌治療を行なっています。内視鏡は必要ですが胃炎も除菌できるようになりました。

肝炎拠点病院としてB型・C型肝炎に対しての治療や、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患に対する治療も行っております。
その他の消化器系疾患や、腹部症状をきたした方への診断、治療、症状緩和に努めております。
また、近隣の医療機関と密接に情報交換をおこなっており、患者さんの紹介を受けたり逆紹介をさせていただいています。

診療実績

  1. 外来(記載事項:患者数、検査例数、その他科毎の特記事項)
    消化器内科受診者は1日当たり85名程度です。以前より外来患者数は減ってきていますが、まだまだ混雑しています。かかりつけ医への紹介をさせて頂き、待ち時間の短縮に努めています。
  2. 入院(患者数、平均在院日数、その他科毎の特記事項)
    東日本大震災により当院の病床数は561床から337床と減少していましたが、徐々に病床数は増加しています。2016年本館棟が完成し、本館棟10階がメイン病棟となりましたが、消化器内科入院患者数が多いときはベッドコントロールにより他病棟に入院となることも多々あります。退院した消化器内科の患者数はのべ1,980人でした。クリニカルパスの導入を行い在院日数は減少傾向にあり平均在院日数は10.3日でした。
  3. 治療実績(手術件数、5年生存率、その他科毎の特記事項)
    2012年に内視鏡センターが稼動し上部消化管検査、下部消化管検査はともに増加しています。

    2022年の内視鏡例数は、上部消化管3,523件(緊急含む) (食道ESD11件,食道静脈瘤EIS1件,EVL21件,食道狭窄拡張術46件,胃EMR4件,胃ESD86件,APC7件,胃瘻造設・交換45件,内視鏡止血術122件,異物除去28件,イレウス管挿入補助73件,EUS-FNA75件,EUS56件含む)小腸カプセル内視鏡件12件,ダブルバルン小腸内視鏡15件、下部消化管2,150件(緊急含む)(大腸ESD68件,大腸ポリペクトミー18件,大腸EMR537件,大腸ステント留置術22件,経肛門的イレウス管挿入5件,内視鏡的止血術64件を含む),膵胆管系(ERCP関連)665件(緊急含む)(EPBD4件,EBD 180件,ENBD6件,EST41件,胆道砕石術142件,胆道メタリックステント56件を含む)緊急内視鏡のみでは上部412件,下部162件,胆道系208件です。その他としては日立市胃内視鏡検診148件でした。また、栄養ルートもしくは減圧目的のPTEGも数件施行しております。

    すべてのがん治療において、薬剤師、看護師や管理栄養士、歯科口腔外科等と連携しチーム医療を実践しています。免疫チェックポイント阻害薬に関連した副作用対策もチームで行っています。
    食道がんに対しては、5FU+CDDPによる術前化学療法や根治を目標とした放射線化学療法を施行しています。セカンドライン以降はニボルマブやtaxan系を用います。胃がんでは5FU系とプラチナ製剤を併用したSP、XP、SOX、CapeOX、mFOLFOX6などの治療、HER2スコア強陽性の場合は前述の治療+トラスツマブを使用します。セカンドライン以降の治療効果も向上しtaxan系+ラムシルマブ、ニボルマブ、CPT-11、TAS-102を使い切る戦略で行っております。肝細胞がんは肝動脈塞栓療法(TACE)とラジオ波焼灼術(RFA)、さらには放射線治療(筑波大学病院での陽子線治療を含む)を組み合わせて集学的に行っています。特にRFAは初回治療にRFAを施行した115例の解析で1年生存率95.9%、2生率85.3%、3生率75.4%、4生率63.9%,5生率59.3%、6生率44.3%、7生率38.7%と良好な成績でした。TACEやRFAが適応とならない場合は、肝機能が良好であれば化学療法の方針とし、2020年に承認された免疫チェックポイント阻害薬のアテゾリズマブと分子標的薬のベバシズマブの併用療法をはじめ、レンバチニブやソラフェニブ、レゴラフェニブなどの分子標的治療薬も積極的に使用しさらに治療成績が向上しています。切除不能膵がんではジェムシタビン+ナブパクリタキセル、FOLFIRINOXやS-1を、胆道系のがんに対してはジェムシタビン+CDDPやTS-1を使用しております。また、閉塞性黄疸に対し迅速なステント挿入を施行しQOLの向上に役立っています。大腸がんでは、がん遺伝子の状態(RASKET-B)を治療開始前に調べて、原発部位や全身状態も考慮したうえで治療方針を提案いたします。3剤併用療法のFOLFOXIRI、5FU系+L-OHPもしくはCPT-11を組み合わせた2剤併用療法、または5FU系単剤に血管新生阻害薬、抗EGFR抗体薬の上乗せを行い、サルベージラインではRegolafenib、TAS-102を使用しています。また一次治療が無効になった消化管癌に対してはMSI遺伝子変異を調べ、MSI-Hであった場合はペンブロリズマブを投与しております。

    その他Helicobacter pylori 感染症対する除菌治療や、肝炎拠点病院としてB型C型慢性肝炎に対して核酸アナログ製剤やDAA製剤による治療も行っております。またクローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患に対する5-ASA製剤や免疫調整薬や生物学的製剤投与も行っております。

スタッフ紹介

鴨志田 敏郎(副院長)
1988年弘前大学医学部卒。日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会指導医、日本消化器内視鏡学会指導医、日本肝臓学会指導医、日本病理学会専門医、日本消化器がん検診学会がん検診総合認定医、日本ヘリコバクター学会認定医、日本臨床栄養代謝学会認定医。

平井 信二(院長付)
1981年筑波大学医学専門学群卒。日本内科学会総合内科専門医、日本消化器内視鏡学会指導医、日本消化器病学会指導医、日本消化器がん検診学会指導医、ICD、人間ドック健診指導医。

柿木 信重(主任医長)
1998年新潟大学医学部卒。日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会指導医、日本肝臓学会専門医。

大河原 敦(主任医長)
2003年獨協医科大学医学部卒。獨協医科大学越谷病院 救急医療科 初期研修医。2005年4月より救急医療科医師。2006年4月より当院勤務。日本内科学会総合内科専門医、日本救急医学会専門医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会指導医。

大河原 悠(主任医長)
2005年獨協医科大学医学部卒。獨協医科大学越谷病院初期研修医、2007年より当院勤務。日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会指導医、日本緩和医療学会認定医。緩和ケア科兼任。

浜野 由花子(主任医長)
2009年新潟大学医学部卒。筑波大学附属病院初期研修医、同院消化器内科後期研修医を経て2019年から当院勤務。医学博士。日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会指導医、日本消化器内視鏡学会指導医、日本肝臓学会専門医。

越智 正憲(医長 兼 筑波大学附属病院日立社会連携教育研究センター 講師)
2013年帝京大学医学部卒。東京大学医学部附属病院で初期臨床研修、当院で後期研修、2018年4月より東京大学医学系研究科消化器内科 医員。2022年3月に東京大学大学院医学系研究科 内科学専攻 医学博士取得(研究テーマは炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎およびクローン病の再燃に関する大規模コホート研究))を経て、2022年4月より筑波大学医学医療系 筑波大学附属病院 日立社会連携教育研究センターに所属。日本内科学会認定内科医・指導医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会専門医、日本医師会認定産業医。日本炎症性腸疾患学会(JSIBD)、日本炎症性腸疾患協会(CCFJ)所属。

山口 雄司(医長)
2013年昭和大学医学部卒。筑波メディカルセンター初期臨床研修、2018年4月より当院勤務。日本内科学会認定内科医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会専門医。

山本 麻路(医員)
2018年富山大医学部卒。君津中央病院初期臨床研修、2022年より当院勤務。日本専門医機構認定内科専門医、日本抗加齢医学会専門医。

石川 雄大(医員)
2019年東京大学医学部卒。藤枝市立総合病院初期臨床研修、2023年より当院勤務。

小川 万里(医員)
2020年東京大学医学部卒。東京逓信病院初期臨床研修、2023年より当院勤務。

鈴木 聡 (医員)
2020年秋田大学医学部卒。茨城県立中央病院初期臨床研修、2024年より当院勤務。

照屋 善斗(医員)
2020年山梨大学医学部卒。東京逓信病院初期臨床研修、2022年より当院勤務。

中里 遼太郎 (医員)
2022年浜松医科大学卒。JR東京総合病院病院初期臨床研修、2024年より当院勤務。

その他特記事項

現在外来の新患受け入れについては完全紹介予約制をとっておりますが、急患対応が必要な場合は迅速に対応させていただきます。他院からのご紹介の場合は、ぜひ紹介状と資料を借りてきていただけると幸いです。
また、当科の治療方針以外にも他の病院のセカンドオピニオンをおききになりたい場合、遠慮なく言っていただければ、遅滞なく紹介状を書き、資料をお貸しいたします。