60年以上にわたり、エネルギー輸送のエキスパートとして活躍する雄洋海運株式会社。そんな雄洋海運が、海の環境を守るためにいち早く導入したバラスト水浄化システムについてお伺いしました。
(2011年3月掲載)
今、企業では、製品をつくる工程だけでなく、モノを運ぶ工程でも、地球温暖化を防止するため、CO2排出量の少ない手段が求められるようになってきています。そのような中、貨物の輸送手段として“船”が注目を集めています。
日本の貨物輸送として最も利用されている、トラックなどによる自動車輸送と比較すると、船のCO2排出量は、約1/3から1/5程度であるといわれています。(*1)
少ないCO2排出量で、一度に大量にモノを運べる。それが、政府も企業も注目する、貨物船の魅力なのです。
![[画像] 少ないCO2排出量でモノを大量に運べる。それが貨物船の魅力。](/environment/showcase/customer/case_vol3/images/case_txt_01.gif)
![[画像] 少ないCO2](/environment/showcase/customer/case_vol3/images/case_01.png)
CO2排出量の少ない海の輸送ですが、美しい海を守るために、国際的な動きが活発化しています。
海の環境と航海安全は、国際連合の専門機関である国際海事機関(IMO:International Maritime Organization)によって、国際的なルールづくりと規制が行われ、守られてきました。
1970年代には、原油や石油を積んだタンカーに残る油かす(スラッジ)を海に捨てる海洋投棄が問題になりました。そのためIMOは、海の環境を守ろうと、船に課する規制を厳しくしてきました。
2000年代に入り、国際的な環境問題として、海の“生物多様性”の議論が活発化し、海の生態系破壊をくいとめようとする声が高まりました。
そして2004年2月、IMOはバラスト水管理条約を採択しました。
![[画像] IMOが規制する海と船の国際ルール。1970年代以降、海の環境を守るため船への規制もより厳しく。](/environment/showcase/customer/case_vol3/images/case_txt_02.gif)
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私たち雄洋海運では、 1970年代以降、タンカーの油かす(スラッジ)を陸上で処理したり、機関室の底に溜まった汚水をビルジセパレータで油と水に分離して排水するなど、IMOの海洋保全の動きに合わせ、タイムリーに対応してきました。
そのような中、2002年頃、船が荷物を下ろした後に積むバラスト水の処理を、 IMOが厳しく規制するという話を聞いたんです。
当初は、海水に含まれる昆布などの海藻類や小型の動植物を規制するのかと思っていたので、「船にフィルタを取り付ければなんとかなるだろう」と安易に考えていました。しかし、コレラ菌や大腸菌など、海水に含まれるプランクトンや菌類の数まで規制すると聞き、「これは大変だ!」と。バラスト水への対応は、単純な装置では行えない。何かいい方法を探さなくては…、と思いました。
![[画像] 2002年頃、IMOが世界中の船のバラスト水処理を厳しくすると聞いて「これは大変だ!」と。](/environment/showcase/customer/case_vol3/images/case_comment_01.gif)
雄洋海運株式会社
取締役 兼 船舶本部長
佐藤 多彦(さとう かずひこ)さん
![[画像] 雄洋海運株式会社 取締役 兼 船舶本部長 佐藤 多彦(さとう かずひこ)さん](/environment/showcase/customer/case_vol3/images/person1.jpg)
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