仲間も増えて、楽しく活動している田中さん。けれど、皆さんの理解を得るまでには時間が必要だったとおっしゃいます。

アクアプラネットの活動は、最初から順風満帆だったわけではありません。軌道に乗せるまでには3年ほどかかりました。立ち上げた頃は今ほどエコが注目されていなかったので、知り合いの方に「サンゴの話を取り上げて」とお願いしてもなかなか難しかったり、サンゴ礁が危機だと言っても実感してもらえないことも…。それでも少しずつ活動の成果が認められるようになって、心強い協力者も増えました。
今では地域の漁業組合が、私たちがサンゴを植えている場所で釣りや漁をしないように「保護区域」にしてくれています。最初は「東京からそう何度も来られるわけないよ」と、私にあまり期待していなかったみたい(笑)。だけど、3カ月に1回、2カ月に1回と沖縄に通い、その度にご挨拶に行っていたら「そんなに言うなら協力してあげるよ」と。
金城さんに言われるんですよ。「りっちゃんの笑顔はすごいね〜」って(笑)。
沖縄には私たち以外にもサンゴ礁の再生をしている団体がいくつかあるんですよ。いずれその方々とも連携して活動していくべきだと考えています。
サンゴの養殖もいつも順調とは限らなくて、台風の影響で流されてしまうこともあるし、最近ではサンゴを食べつくしてしまうオニヒトデの大量発生も心配です。だから他の団体の方々と情報交換したり、広い地域で横のつながりを持っていけたらいいと思うんです。
アクアプラネットも沖縄本島だけでなく、石垣島にも施設を作る予定なんですよ。私たちの活動を次世代につなげていくためにも、もっと連携を強めていきたいと思っています。
最後に、田中さんから私たちへのメッセージ、日立グループへ期待することをお伺いしました。

エコ活動を長く続け、仲間を増やすのに一番効果的なのは、自分自身が楽しむことだと思うんですよ。楽しんでいると、「なになに?」って人が集まってきて仲間が増えていく。いい循環が生まれると思います。アクアプラネットの活動も少しずつ認知度が上がってきて、今では活動を知った方からインタビューや講演のお仕事をいただく機会も増えました。
講演では「ダイビングはできないけど、私にも何かできますか?」と聞かれることがあります。そんな時、私は普段の生活でできること、例えば「水を大切にしよう」といった身近なエコについてお話ししています。生活排水で川の水が汚れれば、それが全部海に流れてしまいますからね。サンゴはきれいな水でしか生きられないので、水を汚さないことはとても大切です。
ビーチに行くと、流れ着いた空き缶やビニール袋などのゴミをたくさん目にします。海は境界などなくつながっているから、1カ所で頑張ってもだめなんですよね。皆さんの協力が必要です。だから講演会では必ず「帰ったら、このお話を最低10人の方に広めてくださいね」って言っています。

日立さんには、台風が多い沖縄の気象条件や塩害に負けないソーラーとか風力発電のシステムを開発してほしいですね。サンゴ畑は海水をくみあげている上、一定の水温に保たなくてはならないので、かなり電力を必要とするんですよ。いつか、沖縄の自然から得たエネルギーでサンゴを育てられるようになるといいと思います。
アクアプラネットのモットーは「100年後の子どもたちにこの海を残そう」です。私たちの活動を次世代につなげていくためにも、手軽に使える地球環境に配慮した製品を開発していただけたらうれしいですね。
サンゴの養殖から植え付け、そしてクライマックスの産卵…と、活動の様子を手振りを交えて説明してくださった田中さん。時折、おちゃめな素顔ものぞいて、私たちは思わず声をあげて笑ったりと、とても楽しくお話を伺いました。それにしても、多忙な毎日を送っていらっしゃるはずなのに、田中さんはなんてアクティブなのでしょう!自ら率先して動いているNPO法人の活動以外にも、ヨガのインストラクターをされていたり、トライアスロンに挑戦したり…。関心を持ったものに、真剣に取り組んでいく田中さんの姿には驚かされます。
そして、そんな田中さんからのメッセージは…

これからも、田中さんは素敵な笑顔でたくさんの人たちを引っ張っていくことでしょう。田中さんのますますのご活躍を期待しています!

1971年生まれ。東京都出身。女優・タレントとしてドラマや映画で活躍する一方で、2006年に特定非営利活動法人「アクアプラネット」を設立。2009年より理事長に就任。海の環境啓発活動を中心に、ボランティアダイバーとともにサンゴ礁の再生活動を行っている。
また、美ら海沖縄大使(2010年〜)、久米島観光大使(2011年〜)なども務め、広く活動している。2013年6月公開予定の映画「サンゴレンジャー」に出演。