坂東園長へのインタビューを終えた私たちは、“環境”をテーマに動物園を取材。生き生きと動く野生動物たちのほかにも、動物と人間が共生する未来に向けた環境への取り組みをたくさん見つけました。
今回、皆さんにはその一部をご紹介します。いつもとは違った視点で、旭山動物園を一緒に探検してみませんか?


取材当日はあいにくの大雨…。それでも、遠足や修学旅行で訪れた子どもたちの姿をたくさん見かけました。さぁ、私たちも元気に取材開始!


歩き始めてまず発見したのが、園内にたくさん設置された飼育員さん手作りの看板です。旭山動物園が野生動物と向き合う姿勢を伝えるメッセージや、園内に植えられた本来北海道に自生する植物の紹介など、いろんな看板があってとっても楽しい!


旭山動物園の広さは、およそ15万1000平方メートル。サッカーグラウンドに例えると、30面くらいです。園内には125種類・704頭もの野生動物が暮らしています。(2011年9月現在)
そこで私たちが見つけたものとは…?




私たちが最初に向かったのは、ほっきょくぐま館です。ホッキョクグマは、野生動物の中でも近年特に地球温暖化の影響を受けており、絶滅危惧種となっています。

野生のホッキョクグマにとって、北極海をおおう氷は、彼らの食糧となるアザラシを探す餌場(えさば)であり、出産や子育てを行う大切な場所です。ですが現在、地球温暖化により氷が溶けるスピードが早まり、氷の面積は減り続けています。そのためホッキョクグマは厳しい環境で生きなければならず、その個体数は減少しています。

野生動物の種の保存は、
動物園の大切な役割の
ひとつなんだね。
ほっきょくぐま館入り口の手作り看板では、世界の動物園で飼育しているホッキョクグマの数も減っていると伝えていました。そこで日本では、ホッキョクグマを飼育する動物園や水族館が協力して「繁殖プロジェクト」を立ち上げたそうです。動物の種の保存は、動物園が担う大切な役割のひとつなんですね。
わぁ、大きい!
歩くと迫力あるなぁ。

ほっきょくぐま館を歩くピリカ(メス)
2005年12月15日生まれ
ほっきょくぐま館2Fには、ルルとピリカという2頭のホッキョクグマがいました。私たちがのぞくと、ピリカが近づいてきてくれました。のっしのっしと大きな体を揺らして歩く姿は、とっても迫力がありましたよ。

「毎日ホッキョクグマを世話する飼育員さんは、環境問題のこともより身近に感じるのかな…」 そう思った私たちは、ホッキョクグマ担当の佐橋さんにお伺いしました。

旭山動物園 ホッキョクグマ担当
佐橋さん

旭山動物園にホッキョクグマを見に来てくれたお客さまには、動物と一緒に過ごせる地球の未来のことを少しでも考えていただければいいな、と思っています。僕たちと同じ気持ちで、これからのことを考えてエコに取り組んでくれたら、とってもうれしいですね。飼育員さんのお話を聞いた後、ふたたび園内を歩くと…



あっ、ほっきょくぐま館入り口の屋根に太陽光パネルを発見!このパネルは、旭川市による環境政策の一環として設置されました。
発電量は、47kW/日(2011年6月平均)と少量ですが、照明などの園内の電気に使われています。



旭山動物園のカバ舎の横にはなんと、カラスのいるおりを発見! このカラスは有害鳥獣駆除で殺処分される予定でしたが、旭山動物園が譲り受けたのだそうです。

嫌いだったカラス。
本当は、
“森の掃除屋”なんだ。
近年、日本各地では街のゴミをあさるカラスの苦情が絶えず、年間数万羽以上が有害駆除されています。ですが、もともとカラスがゴミをあさるのは、人間が餌づけしたのが原因。手作り看板には、「カラスは本来、自然界で増え過ぎた虫や動物の死体を食べる“森の掃除屋”として重要な存在」と書かれていました。
カラスってすごい!
身近な動物ほど
知るとおもしろい。

カラスの知能は人間の5〜6才程度あり、とても賢い野鳥なのだそうです。旭山動物園では、カラスの巣作りの巧みさや人間の約10倍もある聴力などの驚くべき能力について、獣医さんがお話をしてくださいます。身近なカラスの見かたが一変しそう!
その後、さらに園内の中央へどんどん歩いていくと…



おっ、おいしそうに赤く熟したトマト発見!と思ったら、これは人間用ではなく、動物のエサ用。 飼育中のヤギや馬のフンをたい肥にし、トマトやキャベツなどの野菜を栽培。そして獲れた野菜をまた動物のエサにするという、循環型農園です。地元の高校生ボランティアや飲料メーカーも協力して取り組み中です。