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これまでATMは、「現金自動預払機」と呼ばれてきたことからもわかるとおり、単純な業務を行なうだけの機械であった。しかし、ATMを、「気づき」「理解」「納得」という一連のプロセスの入口としてとらえることで、そこで展開されるユーザインタフェースが変わってくるのである。
ATMに「残高照会」というメニューがある。例えばこの残高がグラフによって示されたらどうだろう。ここ1年の残高の動きがグラフによって可視化されることで、利用客は自分の口座の中でずっと動かずにいる資産の存在を目で見て確認することができる。
そこへタイミングよく金融商品の広告が提示されれば、利用客は「資産運用」というこれまでは縁遠かった言葉が、自分にもあてはまるものであることに気づくかもしれない。これが「気づき」を与えるということである。
「気づき」を与えることができれば、より詳しい情報を知ってもらうための相談端末へと案内したり、金融コンサルタントと話す機会を設定したりという、「理解」を促すための接点へと誘導することにもATMは利用できる。とらえ方が変われば、既存の機器もここまで変わるのである。
大切なのは、ひとつの機器のインターフェースを考えることではなく、利用客が金融商品を購入するまでのストーリーを組み立てることだ。そして、そのストーリーをひと続きのものにするために、その中にどのような機器を登場させ、どのような機能を提供すればよいかを考えることである。
つねに利用客が体験することのつながりを意識することによって、単純な機器の機能はひとつのサービスへと変わるのである。こうして、利用客が体験する、「気づき」「理解」「納得」という一連のストーリーを組み立て、顧客が利用する機器を連携を図り経験価値を最大化するソリューションとして、統合チャネルソリューション「FREIA21+」が開発された。
この金融ソリューション「FREIA21+」は、2008年のグッドデザイン賞を受賞している。