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CSRへの取り組み

Hitachi

日立グループのCSRの取り組みに対して、有識者からご意見をいただきました

SAMリサーチ サステナビリティサービス担当シニアマネジャー イヴァン・ギャフリ

企業価値を向上させる非財務活動・情報開示の重要性が高まっており、経営戦略にサステナビリティの視点を組み込む企業が年々増加しています。サステナビリティを考慮した経営は、ステークホルダーの期待に応えることができ、長期的な価値創造、イノベーションの創出、経営効率の改善、ブランドやレピュテーションに好影響をもたらすと考えられています。企業は、サステナビリティを実現する上での課題を適切にマネジメントしながら、ステークホルダーに対してより一層透明性を向上させることが求められています。

ステークホルダーは、日立のような規模の企業に対して、高い期待感をもっています。つまり日立は、さまざまな活動を通じてビジネスだけでなく、社会や環境に対しても大きな影響力をもっています。このことは、幅広く透明性のある情報開示が極めて重要であることを示しています。

日立のサステナビリティレポートでは、環境および社会に関する主要なパフォーマンス指標の開示のほか、定性的な面や重要課題の選定・分析なども重要な要素となっています。これら目標値に対する進捗状況の開示は、ベストプラクティスといえるでしょう。また、イノベーション・マネジメントおよび知的財産を扱った章は、特に注目に値します。これらは、企業が詳細情報を開示することに消極的になりがちな分野だからです。グローバルな観点からしても、日立のサステナビリティレポートは完成度が高いといえます。

環境活動については、事業活動が環境に及ぼす直接的な影響と、製品・サービスが間接的に与える影響について説明しています。両者について、取り組み方法、目標、製品グループ別の達成状況、事例をきめ細かに説明しています。特筆すべき点は、製品ライフサイクル全体にわたり、環境適合設計アセスメントを用いて、自社製品の環境パフォーマンスを包括的に評価していることです。

一方、社会活動については、社員、地域社会およびサプライチェーンに影響を及ぼす重要な課題について真摯に考察し、数値的な裏づけや目標も記載しています。日立のようなグローバル企業では、ダイバーシティや地域社会への影響をどのようにマネジメントしているかが、特に注目されます。本レポートでは、ダイバーシティの推進、人権、サプライチェーンなどの重要な課題に関する活動内容が十分なデータを添えて報告されています。社会イノベーションを戦略的に重視する企業であることを考えれば、今後さらに多くの指標、目標値、成果が報告書に加えられることを期待しています。

2011年版で特に際立っているのは、CSR(企業の社会的責任)が同社の経営戦略とビジョンにどのように組み込まれているかについて、明確な説明がなされていることです。サステナビリティの視点からの重要課題の分析は、主要な企業方針および中期目標の決定にとって重要な柱であるばかりでなく、環境および社会活動にかかわる日立が抱える多くの課題が、ステークホルダーにとっていかに重要であるかを確認するためにも用いられています。サステナビリティに関連するテーマについて、ステークホルダーと定期的に向き合っていくことによって、日立は社会イノベーションというコアコンピテンシーに基づく事業戦略を、さらに研ぎ澄ますことができるでしょう。