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Hitachi

企業情報CSRへの取り組み

研究開発方針

日立は、「IoT時代のイノベーションパートナー」として、電力・エネルギー、産業・流通・水、アーバン、金融・公共・ヘルスケアを注力4事業分野と定め、進化した社会イノベーション事業でお客様との協創を加速していきます。
研究開発グループは、お客様の課題に対して協創と技術開発で応えることで、社会イノベーション事業をけん引する役割を担います。
「不確実性の時代におけるビジネスイノベーションを創出する」を基本方針として研究開発を推進します。
日立は社会イノベーション事業を通じて、グローバルに複雑化する社会課題の解決に貢献していきます。

お客様起点の研究開発体制および日立の事業体制との連携

研究開発グループでは、お客様との協創を加速するため、2015年4月に「お客様起点」型の体制に再編し、従来の中央研究所、日立研究所、横浜研究所の国内3研究所とデザイン本部および海外研究拠点を、社会イノベーション協創統括センタ(CSI)、テクノロジーイノベーション統括センタ(CTI)、基礎研究センタ(CER)としました。日立が2016年4月に移行した、フロント、プラットフォーム、プロダクトからなるマーケットドリブンな事業体制を研究開発の面から支え、社会イノベーション事業の拡大を図っていきます。
CSIは日立の事業体制のうち、フロントの12のBUや、日本国内外の各拠点とともに、地域のお客様のニーズに合わせたサービスを開発します。
CTIは、社会イノベーションのコアを担うプラットフォームのBUおよび競争力の高いキーコンポーネントでサービスを支えるプロダクトのBUとともに、OTとITを組み合わせたデジタルソリューションを創生し、さまざまな分野のお客様に新しい価値を提供します。2016年12月には、横浜研究所内に日立の最新技術を活用してお客様と協働でプロトタイピングを行うオープンラボを開設し、未来志向のイノベーションの創生に貢献するアプリケーションやプラットフォームの技術開発をめざします。
CERは、人々の本来の目的である「コトと幸福」を追求する人間中心社会の実現に向け、さまざまな研究機関と連携して、将来の社会課題解決を実現する最先端の研究を進めています。

研究開発グループの体制

2015年度からの研究開発体制は、各地域のお客様のニーズに合わせたサービス開発を行う「社会イノベーション協創統括センタ(CSI)」に北米100人、欧州70人、中国115人、アジア65人、日本200人の計550人を配置。プラットフォーム、プロダクトでグローバルNO.1技術の確立をめざす「テクノロジーイノベーション統括センタ(CTI)」では日本に2,050人配置。将来の社会課題解決する「基礎研究センタ(CER)」では日本に100人配置します。 2016年度からの事業体制である、「お客様」との接点となる「フロント(地域拠点、お客様のセグメント(12BU))」、社会イノベーションのコアとなる「プラットフォーム」、「プロダクト(産業機器、自動車部品、材料 等)」に対して、「社会イノベーション協創センタ(CSI)」は「フロント」に、「テクノロジーイノベーションセンタ(CTI)」は「プラットフォーム」「プロダクト」に、「基礎研究センタ(CER)」は「フロント」「プラットフォーム」「プロダクト」に対応します。

社会イノベーション事業拡大を支えるLumadaの進化

日立は、お客様と協創する中で、課題やビジョンを共有してビジネスモデルをデザインし、検証・シミュレーションを通じてビジネスモデルを具現化することで、新たな価値を創出していきます。そのためには、多くのステークホルダーのシステムがつながる、オープンでセキュアなプラットフォームが必要となります。そこで日立は、2016年にIoTプラットフォームLumadaを立ち上げ、サービスを開始しました。
研究開発グループでは、顧客協創方法論を体系化した「NEXPERIENCE」を活用し、Lumadaのユースケース創生を図っています。また、AI/アナリティクスなどの革新技術を共通基盤としたソリューションコアの開発を進めていきます。

グローバルにおける顧客協創の加速

日立がめざす社会イノベーション事業の市場はグローバルに拡大しています。CSIでは、お客様との協創拡大に向けて、東京、APAC(Asia-Pacific)、北米、中国、欧州の5極体制として、所属する約550人のうち、東京以外の拠点に約350人を配置しています。
CSI東京では、デザインやサービス研究で培った顧客協創技法を活用し、お客様とソリューションの協創を進めています。
CSI APACでは、データサイエンス、機械学習、ソフトウェア工学を活用し、エネルギー、交通、都市ソリューションなどをお客様と協創しています。インド、シンガポールに加え、新たにオーストラリアの拠点にも研究開発人員を配置しました。
CSI北米では、ビッグデータアナリティクス基盤を構築し、エネルギー、通信、金融、ヘルスケアなどの分野で先進ソリューションをお客様と協創しています。2016年には、「金融イノベーションラボ」(Financial Innovation Laboratory)、IoTプラットフォームの研究強化を目的とした「Digital Solution Platform Laboratory」(DSPL)を開設しました。
CSI中国では、昇降機やATMなどの製品開発をお客様と協創し、中国政府が進める製造業の発展を促す政策「中国製造2025」や低炭素社会などの産業政策に応えるソリューションを実現していきます。2016年には北京、上海の拠点に加え、製造業集積地である南部の都市、広州にも拠点を新設しました。
CSI欧州では、標準化に強い欧州の市場創生活動に参加し、主要機関とともに成熟社会の課題を解決するソリューションを実現していきます。2017年4月には、デジタルソリューション開発加速に向けて、英国ロンドンに新オフィスを開設しました。
また、同月に、CSIの顧客協創をグローバルに束ねる「Insights Laboratory」も新設しました。2016年5月に組織したHitachi Insight Groupと連携し、Lumadaのグローバル展開を加速していきます。

オープンイノベーションの推進

日立だけでは実現できない革新的な技術開発を進めるため、日本国内外の研究機関、大学、お客様と連携し、オープンな研究開発環境を維持しています。
2015年度からは、CERがオープンイノベーションのハブとなり、次の社会イノベーション事業の芽を創生しています。
日本国内では、政府が提唱する「超スマート社会」(Society 5.0*1の実現に向けて、2016年6月に東京大学、京都大学、北海道大学とそれぞれ共同研究拠点を設置しました。また、2017年4月には、再生医療の実用化をめざして、「神戸医療産業都市」に再生医療の開発拠点「日立神戸ラボ」を開設しました。これらの拠点において、将来の社会課題を洞察し、その課題解決と経済発展の両立を実現する新たなビジョンやイノベーションを創生していきます。
また、Society 5.0実現に向けた取り組みとして、将来、人々の生活に対して技術がどのように関係していくべきか考える活動「ビジョンデザイン」を発表しました。「School Education」「Public Safety」「Ageing Support」「Meal Experience」の4つのテーマを中心に、「人間だけではできない、技術ならではの人への寄り添い方」を提案しました。
グローバルにおいては、自動車の自動運転技術を中心としたスタンフォード大学との連携のほか、2016年には、FinTech(フィンテック)分野を中心に注目が高まっているブロックチェーン技術の共同開発プロジェクト「Hyperledgerプロジェクト」にボードメンバーとして参加しました。また、北米・欧州・アジアから46団体が参加している「OpenFog コンソーシアム」においても、日立は日本地区委員会で重要な位置を占めています。
2016年度現在、65の海外の研究機関、243の日本国内の研究機関と連携しています。また、海外の研究者を有期雇用する研究者招聘制度「Hitachi Research Visit Programs」(HIVIPS)を1985年度から実施するなど、海外研究者との連携を深めています。

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「超スマート社会」(Society 5.0):政府の「第5期科学技術基本計画」において打ち出されたコンセプトで、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続くような新たな社会を生み出す変革を科学技術イノベーションが先導する意味

日立と北大が動体追跡粒子線がん治療装置で全国発明表彰「恩賜発明賞」を受賞

日立と北海道大学は、動体追跡粒子線がん治療装置に関する発明(特許第05896211号)で、平成29年度全国発明表彰で年度内の最も優れた発明に贈られる「恩賜発明賞」を受賞しました。
粒子線がん治療は、水素の原子核である陽子や炭素イオンなどの粒子を加速し、生成した粒子線を腫瘍に集中して照射することでがんを治療するもので、治療に伴う痛みがほとんどなく、ほかの放射線治療に比べて副作用が少ない最先端の治療法として日本国内外の医療機関で導入が拡大しています。しかし、肺や肝臓のような体幹部の腫瘍は呼吸などで移動するため、腫瘍位置を正確に捉えて粒子線を照射する技術が求められていました。今回の共同開発で日立が持つスポットスキャニング照射技術と、北大が持つ動体追跡照射技術の両方を搭載したシステムを併せもつ治療装置が完成したことにより、短時間で移動する腫瘍に対する正確な照射が可能になり、患者の負担が軽減しました。北大病院ではすでに、2014年から本技術を適用した治療を行っています。
全国発明表彰は1919年に創設され、日本の発明分野の表彰では最も権威があるとされています。

研究開発の倫理審査

日立では、ヒトの遺伝子解析情報を扱うことから、2000年9月に民間企業としては初めての「倫理審査委員会」*1を設立しました。委員会は過半数の外部有識者から構成され、年2回以上開催しています。現在は行政の「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」および「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」を基に作成した独自の「倫理指針」にて運用しています。
なお、審査を必要とする日立製作所事業部およびグループ各社では、企業の社会的責任が求められており、研究関係者に対しても高い倫理観を求めています。

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日立では、2015年10月1日より倫理審査委員会の「臨床研究に関する倫理指針」を「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に変更

研究開発計画と予算

日立は売上収益の約4%に相当する額を研究開発に投資しています。研究開発グループにおける開発費はそのうちの約20%に相当します。研究ターゲットとしては、主に事業体主導の事業ロードマップに基づくBUやグループ会社からの依頼研究・先行研究と、研究開発グループ主導の技術中長期計画に基づく先端・基盤研究の2つに分けられます。依頼研究・先行研究は、主力事業の拡大・成長を目的に3〜5年内の実用化をめざしており、先端・基盤研究は、顧客協創や技術基盤の強化、新事業の創生をめざすものです。
2017年度の先端・基盤研究については、2018中期経営計画の注力事業4分野である電力・エネルギー、産業・流通・水、アーバン、金融・公共・ヘルスケアに集中するとともに、IoTプラットフォームLumadaの進化に貢献する「デジタルソリューション」(デジタル技術を活用した社会イノベーション事業)に重点的に投資します。
今後も経営戦略に沿った研究開発に取り組み、日立の事業拡大とグローバル展開の加速に貢献していきます。

主要指標

研究開発費の推移(日立グループ)

研究開発費の推移(日立グループ)のグラフ(グラフの内容は次のリンク先に表で表しています)

研究開発グループにおける投資配分

2017年度の研究開発投資*1は、依頼研究が48%、先行研究が19%、先端・基盤研究が33%を計画しています。先端・基盤研究のうち、注力4事業分野関連研究比率は76%、デジタルソリューション関連研究比率の推移は、68%です。

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日立グループ研究開発投資額の20%に相当

再生医療の普及をけん引するオープンイノベーションの推進

日立は、再生医療向けの細胞自動培養装置開発を推進するとともに、細胞調製室などの施設・設備、細胞の品質検査にかかわる装置や情報システムを製薬会社や医療機関に提供するなど、再生医療の普及に広く貢献しています。
パーキンソン病は脳のドパミン神経の変性・脱落が原因とされますが、2017年6月に日立が開発したヒトiPS細胞の大量自動培養装置が大日本住友製薬に納入され、同社が京都大学と共同で取り組むパーキンソン病の新しい再生医療移植治療に用いる他家iPS細胞*1のドパミン神経前駆細胞*2の実用化に向けた研究を支援します。本装置は、無菌性に優れた完全閉鎖系の流路を採用し、現在ほぼ手作業で行われている製造プロセスを自動化することにより、品質が保証された細胞を安価に供給することを可能にします。
また、2017年4月に神戸医療産業都市内に開設した「日立神戸ラボ」において、再生医療用細胞自動培養技術をはじめとする研究・製品開発をこれまで以上に積極的に加速していきます。神戸医療産業都市は、330を超える企業、団体に加え先端医療技術の研究開発拠点や高度専門病院などが集まる日本最大級の医療産業クラスター(集積拠点)です。「日立神戸ラボ」は、顧客やパートナーとともに臨床応用に向けた検証を実施し、再生医療の研究開発の深化に貢献します。

*1
他家iPS細胞:治療を受ける患者本人の細胞ではなく、他人の細胞から作製したiPS細胞
*2
ドパミン神経前駆細胞:神経伝達物質としてドパミンを放出するドパミン神経細胞の前駆細胞

自動運転の実現に寄与する車両統合制御システムの開発

交通事故の撲滅や渋滞の解消、高齢者の移動支援などクルマ社会における課題解決につながるものとして期待が寄せられている自動運転のニーズが世界的な規模で高まりを見せています。日立オートモティブシステムズでは、そのニーズに応えるため、自動運転の要件となる「認知」「判断」「制御」の機能を統合した車両統合制御システムの開発に注力しています。まず「認知」においては、単一センサーでは不可能な、より高度な認識技術が必要となるため、障害物を感知する外界認識センサーのステレオカメラをはじめ、前・後側方レーダー、前方遠距離レーダー、クラリオンの周辺監視カメラなど、複数のセンサーを組み合わせ、それらの認識結果を統合することで高度な「認知」機能を発揮するセンサーフュージョンを実現しています。また、その認識情報をもとに「判断」を行う電子制御ユニット(ECU)や、さらに車両の「制御」機能を担うブレーキ、ステアリング、サスペンションなど、車両統合制御システムを構成する製品・技術を幅広く有しており、さらなる技術革新に向けて開発を強化しています。
加えて、自動運転の機能を実証するために、公道や自社のテストコースにおいて開発技術を搭載した実車での走行試験も重ねており、車両統合制御システムの性能と信頼性の向上に努めています。高速道の自動運転技術に向けては、2016年2月に茨城県ひたちなか市の常陸那珂有料道路において走行実証試験を実施し、センサーフュージョンと高精度地図から得られる地物情報を組み合わせ、実験車両が周辺車両や車線を認識しながら先導車や車線を追従する自動での単一車線走行と車線変更を行いました。また同年10月には、北海道の十勝テストコースにおいて、低速先導車追従走行(渋滞運転支援)を含む11種類の自動運転機能を制御する自動運転ECUを搭載した実車で走行試験を行い、すべての機能が正常に作動したことを実証しました。さらに、一般道の自動運転技術に向けては、2017年4月に茨城県の自動車安全運転センター安全運転中央研修所の模擬市街路において、一般道での実車走行を想定したセンサーフュージョン機能の実証試験を実施しています。
このように日立オートモティブシステムズは、車両統合制御システムの開発を加速させることで自動運転の早期実用化と進化に寄与していきます。さらに今後は、日立グループ内の連携をより一層強化し、セキュアな通信技術やIoTプラットフォーム、人工知能、ビッグデータなどを活用した先進車両制御システムの開発にも取り組んでいきます。

「ウォークスルー型爆発物探知装置」の提供を開始

日立は2016年10月から、発電所やデータセンターなどの重要インフラ設備向けに「ウォークスルー型爆発物探知装置」の提供を開始しました。本装置では、本人認証として使用されるIDカードに付着した微粒子を効率的に採取し、分析することで、爆発物の有無を3秒で探知します。1時間あたり最大で約1,200人の検査が可能で、通行者の流れを妨げない検査が可能です。
近年、重要インフラ設備や公共施設、イベント会場などでは、入場者の管理やセキュリティ対策のさらなる強化が求められていますが、従来の爆発物検査では、検査員による対応時間の長さが課題となっていました。日立は、文部科学省の「社会システム改革と研究開発の一体的推進」プロジェクトにおいて、検査時間を短縮する爆発物探知装置を2012年に試作し、空港や駅での実証実験で実用化に向けた検討を重ね、今回、製品化しました。
今後は、監視カメラや顔認証システムなどと連携させ、広範囲なセキュリティシステムとして提供することで、公共スペースでのさらなる安心・安全確保をめざします。また、IoTプラットフォーム「Lumada」の基本機能群の一つとして、本装置を含むセキュリティシステムを提供することで、社会やお客様の課題解決に貢献していきます。

知的財産

知的財産活動の展開

日立は事業戦略の一環として知的財産活動を重視しています。研究開発などから生まれたイノベーションや日立ブランドを、特許権、商標権といった知的財産権や、ノウハウの秘匿により保護するとともに、発明者への報奨・表彰といったインセンティブ施策にも取り組んでいます。また、社会イノベーション事業の拡大に伴いお客様やパートナーとの協創が増加する中、お客様やパートナーから取得する知的財産の適切な取り扱いにも配慮しています。

グローバル特許網の構築

グローバル事業を支える知的財産活動の一つがグローバルな特許網の構築です。競合他社が日立の差別化ポイントに追随するのをけん制するとともに、日立の技術をお客様に訴求したり、ライセンスを提供し他社との協創を促進したりすることなどを目的として、研究開発などから生まれたイノベーションをグローバルに保護しています。日立は2009年度に47%であった海外への特許出願比率を2016年度には57%にまで引き上げました。今後も効率的にグローバルな特許網を構築・維持していきます。
研究開発拠点のグローバル化に伴い、知的財産活動拠点のグローバル化にも取り組んでいます。日立では、米国のニューヨークとサンタクララ、中国の北京と上海、英国のロンドンに知的財産活動の拠点を設置し、海外での研究開発活動から生まれるイノベーションの保護に取り組んでいます。
グローバル人財の育成も重要な課題です。日立製作所では1964年度から知的財産部門に海外実務研修制度を導入し、欧米の特許法律事務所やグループ会社に研修生を派遣しているほか、海外留学も実施しています。2016年度は研修生を米国に2人、ドイツに2人、シンガポールに1人、海外留学生を米国に1人派遣しました。

主要指標

国・地域別特許出願比率

国・地域別特許出願比率のグラフ(グラフの内容は次のリンク先に表で表しています)

知的財産権の尊重

日立は、他者の知的財産権を尊重するとともに、他者に対して日立の知的財産権を尊重するよう求めています。新製品・新技術の研究開発にあたっては事前調査を行うことを「日立グループ行動規範」に明記し、他者の知的財産権を侵害しない製品づくりに努めています。また、他者の知的財産権を使用する場合は、ライセンスを取得しています。さらに、社会イノベーション事業の拡大に伴いお客様やパートナーとの協創が増加する中、お客様やパートナーから取得する知的財産の適切な取り扱いにも配慮をしています。一方、日立の知的財産権を侵害する企業があれば、交渉を通じてライセンスの取得を促し、必要に応じて法的手段に訴えています。

模倣品への対策

日立ブランドの保護はグローバルな事業展開をする上で非常に重要です。そのため日立ブランドを装った模倣品の製造や販売、類似商標の不正な出願や登録に対しては毅然とした姿勢で対策を講じています。
これまで模倣品の多くは中国で製造されていましたが、近年、模倣品の製造方法や販売ルートが巧妙化・多様化しており、対応を進めています。
模倣品をなくすためには、一般消費者にも模倣品を購入しないという意識をもってもらうことも大切です。日立は一般消費者に向けた啓発活動も継続して行っており、模倣品の撲滅に努めています。

発明者への報奨制度

日立は、発明報奨制度の充実により研究開発の第一線で働く従業員の発明意欲の向上を図っています。報奨金額の基準を設定し従業員に公開しているほか、支払われた報奨金に関する問い合わせや意見に応対する制度を設けるなど、公正で透明性のある制度運営に努めています。
さらに知的財産本部に制度の企画・運用を担当する専任部門を設置したほか、発明管理委員会(研究開発・法務・勤労・知財の委員で構成)を設置し、日立全体の発明報奨制度を適切に運用しています。発明者と特許の実施部門とのコミュニケーションを促進する「発明情報システム」を構築し、発明者自身が実施情報を事業部門に問い合わせるなど、実績報奨金の算定根拠を確認できる仕組みを整えています。発明者が報奨金額に納得できない場合には、意見を聞く機関として発明報奨裁定委員会(構成は発明管理委員会と同様)を設置しています。
また、2005年度から「実績報奨金年間トップ100」の社長表彰を実施してきたほか、2006年度からは35歳以下の発明者を対象に、入社後5年間の「出願報奨金受領金額上位50」を発表し、表彰しています。

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