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CSRへの取り組み

Hitachi

持続可能な社会を実現する社会イノベーション事業を拡大するには、世界各国の政府および政策関係者と連携することが重要です。日立グループでは渉外機能を強化し、社会インフラを提供する企業として社会の期待に応えると同時に、社会動向・政策動向を経営にフィードバックしています。

渉外活動の推進体制

渉外活動の背景とビジョン

日立が社会イノベーション事業をグローバルに展開していくうえで、日本および海外各国の政府機関との関係は重要度を増しています。日立は、社会インフラの主な担い手である政府機関との関係を深めることにより、現地の事業ニーズをより適切に把握し、最適な社会の構築に貢献することができると考えています。また同時に、日本政府と連携し、政府が進めているインフラ・システム輸出事業に関する各種支援制度を活用することも当社事業にとって大きな力となります。

渉外活動体制とミッション

社会イノベーション事業強化の経営方針や、日本政府のインフラ・システム輸出に対する支援拡充の流れを受けて、日立グループ全体の渉外活動を先導・加速するため、日立は2009年度にコーポレートに渉外部門(現渉外本部)を設置しました。経営トップを含め政府関係者との対話を促進し、当社事業に対する政府機関の理解を得るだけでなく、産業界全体を活性化する観点から各種政策の提言活動を行うことを目標にしています。
また、各事業部門やグループ会社にも渉外担当者を設けているほか、米国のワシントンとベルギーのブリュッセルにもコーポレート事務所を置き、米国、欧州それぞれの政策動向を見据えながら渉外活動を行っています。
こうした渉外活動を日立グループ全体で推進するために、定期的に会議を開催し、渉外活動の事例や課題を共有することで、より効果的な渉外活動を行うことをめざしています。

公共政策とのかかわり:活動と実績

各種国際会議への参加

日立は、日本および各国の政府機関が開催する国際会議に積極的にプレゼンターとして参加し、産業界の立場から各種政策策定に貢献したいと考えています。2012年度には、経済産業省がメコン5カ国における日本のプレゼンス強化等を目的に推進する「日メコン産業政府対話」に日立グループ現地法人の代表者が出席し、メコン地域のインフラ整備に関する各プロジェクトについて意見を表明しました。また、パリ商工会議所主催の「日仏エネルギーフォーラム」に経営幹部が出席し、エネルギーミックスの重要性を訴えました。

政策審議への参加

日本政府によるインフラ・システム輸出の支援策については、さまざまな意見交換の場が設定されており、日立も積極的に参加しています。2012年度には、経済産業省産業構造審議会「インフラ・システム輸出部会」、国土交通省「インフラ海外展開推進のための有識者懇談会」等に経営幹部が出席し、具体的な支援策について提言しています。

財界・業界団体への参加

渉外活動においては、財界・業界団体を通じた活動も非常に重要です。例えば、現在欧州議会および欧州連合理事会においてデータ保護(個人情報保護)規則案の修正が進んでいますが、こうした動きに対し、日立も加入している一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)を通じて欧州議会および欧州連合理事会に働きかけているほか、日本産業界としての対応を経済産業省に相談しながら進めています。
また日立は、一般社団法人日本経済団体連合会に加盟し、副会長のほか各種委員会の役職に就いています。例えば欧州地域委員会の企画部会長として、日EU経済連携協定(EPA)の交渉開始について継続的に日欧両政府に働きかけ、2013年3月に交渉開始が合意されましたが、引き続き同交渉の進展を支援していきます。

政府支援策の活用

インフラ・システム輸出支援策である、経済産業省のグローバル人材の育成と海外ネットワークの構築を目的とするプログラムは、民間企業の実務担当者クラスを数カ月間新興国の政府関係機関や現地企業に派遣するものですが、日立グループから14人(2012年度)が派遣されました。こうしたプログラムへの参加は新興国のニーズをより的確に汲み取ることにつながります。
また、2030年に島内の全体発電量の40%を再生可能エネルギーに置き換える計画を打ち出している米国ハワイ州マウイ島において独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する「島しょ域スマートグリッド実証事業(正式名称:Japan U.S. Island Grid Project)」の委託先の一つとして、2014年度末までの事業実証に参加しています。

北米における渉外活動

日立グループのワシントンコーポレート事務所において、米国政府の立法がビジネスに与える影響を把握する活動を行っています。重要なステークホルダーに対して、米国社会の成長に日立のビジネスがどのように貢献できるかを伝えることで、相互理解を促進し、ビジネスチャンスの拡大に努めています。
例えば、2011年度にスタートしたHGRN(Hitachi Government Relations Network)は、グループ企業を中心とする20人以上のメンバーで構成され、経営や事業に影響を与える重要な立法や規制に関して情報交換を行い、公共政策がビジネスに与える影響を共有する場となっています。また、連邦政府や州政府の重要な政策立案者(ポリシーメーカー)や政府関係者とのコミュニケーションを行う機能も有しています。
社会イノベーション事業を推進する日立は、政策立案者や政府関係者に日立の専門技術に関する情報を提供することにより、日立の技術が米国社会に貢献できることを直接的、間接的に伝えています。例えば、政策提案にかかわることもあるブルッキングス研究所、米国科学振興協会(AAAS)、戦略・国際問題研究所(CSIS)、外交問題評議会(CFR)などの権威ある機関の研究者とのコミュニケーションを通じて、日立のビジネスや技術力に対する理解を深めてもらい、各機関の政策立案における専門技術の反映に貢献しています。

欧州における渉外活動

欧州コーポレート事務所(在ブリュッセル)は、欧州政策の動向に関する情報の収集・分析と配信に努め、欧州政策への提案やEU政策機関との調整を行っています。グローバル企業として欧州政策議論に積極的に参画することは、早期に将来のビジネス環境動向を把握するのみならず、その形成にも影響を与える機会を得られます。こうした取り組みはグローバル企業としてふさわしい経営品質達成への貢献につながると考えています。中でもビジネスと人権の分野では、近年さまざまなステークホルダーを巻き込んだ議論が活発に行われてきており、欧州政策のみならず欧州のビジネス環境動向に大きな影響を与える可能性があります。このような視点から2012年度は、欧州委員会主導のビジネスと人権の議論に積極的に参加しました。特に欧州委員会作成の国連「ビジネスと人権に関する指導原則」を実践に移すためのセクター別ガイダンス作成に関しては、日立が委員長を務める在欧日系ビジネス協議会(JBCE)CSR委員会を通して意見をまとめ、EU政策機関へ提案しました。また、実務者の立場から社内伝達をテーマにJBCE日欧ビジネスと人権ラウンドテーブルを開催し、その結果をレポートにまとめ、公開しました。