日立グループは、新たな価値を創造するためには、社員の可能性を最大限に引き出すことが重要であると考え、社員の能力開発とキャリア開発に努めています。特にグローバル化が加速する環境下において、世界で戦えるグローバルリーダーの育成が急務であり、各種施策の展開によりグローバル事業の強化・拡大に寄与することをめざしています。
ビジネスのグローバル化を踏まえ、求められる人財の資質を「相手の視点で話ができる」「自らの意思を明確に主張できる」など8項目に整理し、2012年卒採用活動の選考基準の一つとして活用を始めました。目標としては、国内で採用する新卒者のうち、事務系については100%、技術系については50%を将来グローバルビジネスに従事してもらうことを前提に採用活動を行い、外国人留学生については新卒採用の10%を目標とします。なお技術系の採用については、ジョブマッチング制度を2001年から他社に先駆けて導入しており、応募学生の希望分野と事業所の採用ニーズを相互に確認しあうことで、採用社員の満足度と人財質の向上を図っています。
海外地域での採用活動についても、重点地域を定め、海外の各地域本社と協力しながらグループ共通の採用プラットフォームの整備に取り組んでいく予定です。
外国人雇用数の推移

将来、グローバルビジネスで活躍できる人財を計画的に確保・育成するために、各種育成施策を検討しています。特に若手社員を対象に、海外実習や現地調査、語学留学等を含むプログラムを用意し、海外での生活を体験してもらうことで、グローバル化に対応できるようにしていきます。2011年度から実施する海外派遣では、単なる語学力の習得のみならず、多様な人財と協業する経験やビジネス経験を通じて、肌で現地の文化・生活を理解してもらうさまざまな派遣プログラムを開発し、2012年度までに2,000人の社員を派遣する予定です。語学力については、グローバルビジネスの共通語である英語を一つの指標とし、特にグローバルビジネスを中心となって牽引できる人財の育成強化を図ります。
また、海外地域の社員についても、日立や日本について理解を深めてもうらため、優秀な人財を対象に日本で業務に携われる機会を計画的に増やしていきます。

世界共通管理者教育の受講者たち
日立のビジネスがグローバル化するなかで、その第一線で活躍するさまざまな国・地域の管理者に日立の歴史、日立創業の精神、事業概要、共通の価値観や企業理念、マネジメント基礎スキル等を理解してもらうことは非常に重要です。そのために、日立グループでは、世界共通管理者教育「Global Fundamental Course−Ready to Inspire−」という4日間の研修コースを実施しています。
2006年度に開始して以来、約1,369名の管理者が受講しました。2011年度以降も、地域・対象者・実施方法等を多様化しながら継続していく予定です。
これからの日立グループの経営者には、世界トップクラスの企業と戦うために独自のビジネスモデルをつくり上げ、それを実現する仕組みを構築、管理することが求められており、そうした観点から集中的に経営研修を実施する予定です。日本国内の管理者に対しては、これまでの内容を全面的に見直し、約4,000人を対象とする研修を推進しています。「ビジョンを示す」「動機付ける」「明確なフィードバック」といったグローバルに共通するリーダーシップスタイルを修得してもらう研修のほか、特に幹部候補に対しては、具体的な事業戦略の策定やリーダーシップについて、英語による1週間のセッションや海外での現地調査を含む約6カ月の研修を実施しています。海外地域の優秀な人財に対しては、本社幹部との議論の場を設けたり、ネットワークの構築を図る研修等を日本で実施するとともに、幹部への登用を推進しています。
日立グループでは、グローバルに、またグループ全体で企業理念や、仕事の仕方、考え方を共有することを目的に、「共通基盤教育」を定め、その基盤の上に多岐にわたる事業領域・地域ごとに必要とされる人財の育成施策を展開するという「2階建て構造」の体系化教育を実施しています。

共通基盤教育ポータルサイト
2010年度から主要グループ会社の教育実施の実態を把握する体制を整えました。共通基盤教育の一つとして、2010年の日立製作所創業100周年を機に、日立グループの「歴史」「事業概要」「日立創業の精神」「経営方針」について再確認するプログラム「日立発見プログラムDiscover Hitachi」を全世界のグループ社員を対象に実施しました。
社員の能力開発には、日々の業務を通じて行われる職場内教育と、これを補完する研修体系があります。日立グループにはグループ共通の研修機関として、「技術研修所」「モノづくり技術研修所」「日立総合経営研修所」があり、「経営・管理研修」「技術研修」「技能研修」「国際化研修」「営業研修」「職能研修」等を全社研修としてグループ全体で実施しています。2010年度は、2万2,666人が受講しました。
そのほか、各社各事業所でも独自に多様な研修を行っています。