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社会貢献活動

【日立ボランティアセミナー】
第52回「視覚に障がいのある方たちと共に映画を楽しむ
~誘導ボランティア~」

2014年11月12日(水) 18:45~20:30(交流会21:00まで)

  • 人づくり
  • ボランティア支援

普段、私たちが当たり前のように鑑賞している映画。最近あなたが観たその映画は、どのようにすれば視覚に障がいのある方も一緒に楽しむことができるのでしょうか?
最近では音声ガイド付きの映画が増えてはいますが、まだまだ少ないのが現状です。今回は、視覚に障がいのある方と共に映画鑑賞を楽しむ環境づくりの活動を行っている団体「シティ・ライツ」の代表、平塚氏を講師にお招きし、「視覚に障がいのある方が映画を観る」ということはどういうことかを実際に体験しながら、誘導ボランティアの活動や役割などを教えていただきました。

会場の様子

映画の感動をもっとたくさんの人たちと

初めにシティ・ライツについて平塚氏よりお話いただきました。
シティ・ライツは、視覚に障がいのある方たちと一緒に映画鑑賞を楽しむ環境づくりの活動を行っているボランティア団体です。映画館までの道のりや場内での歩行のサポート(誘導)・音声ガイド・字幕朗読のボランティアや、バリアフリー映画(※)の情報提供サポート、イベントへの出展・講演などを行っています。
チャップリンの映画、盲目の花売り娘との愛の物語「街の灯」に感動した平塚氏は、視覚に障がいのある方にもこの感動を伝えたいという想いから、2001年にシティ・ライツを立ち上げました。団体名もこの「街の灯」の原題からとったものだそうです。

  • 「バリアフリー映画」とは、誰もが共に映画を楽しむことができるよう環境を整えている映画のことです。セリフの合間に場面の視覚的情報を補う音声ガイドや、日本映画に日本語字幕をつけることによって、視覚や聴覚に障がいのある方や、高齢者の方の映画鑑賞をサポートするツールとなると共に、一般の方々にとっても映画をより分かりやすく鑑賞するツールとなります。

左:シティ・ライツ 代表 平塚氏      右:会場の様子

「視覚に障がいのある方と音声ガイドをツールとしたバリアフリー映画の鑑賞の環境づくりから取り組み始めました。音声ガイドの研究からメーリングリストを立ち上げたところ、全国の視覚に障がいのある方と映画ファンとのコミュニケーションが生まれ、そこから新しい活動が次々と考え出されていきました。

初めての鑑賞会は、隣に座り耳元で解説をするという方法で、きっかけは視覚に障がいのある方が『ある映画を映画館で観たいので、誰か耳もとで解説してくれませんか?』という希望からでした。それがFMラジオを使って複数の人が同時に音声ガイドを聴きながら鑑賞するスタイルへ、字幕朗読付きの外国映画鑑賞へ、そしてバリアフリー映画祭へとつながり、みんなでアイデアを出し合いながら、映画の感動を共有できる喜びを広げてきました。」

視覚に障がいのある方が“映画を観る”ということ

同団体の活動紹介の後、視覚に障がいのある方が映画をみるということはどういうことなのか、また音声ガイドがつくことによりどのようにイメージがしやすくなるのかをある映画の冒頭シーンを使って、

  1. 映像を表示させずに映画の音声のみを聞く
  2. 映像を表示させずに、音声ガイドと映画の音声を聞く
  3. 音声ガイド付きで映像を見る

の3つのパターンで体験しました。

「目が見えない人が映画を見ることが全くイメージできなかったが、3段階のステップで音声ガイドによる映画鑑賞の意味がよく理解できた」
「無音の時間は『なんだろう?』という気持ちになり、説明がないと場面転換されたことも分からないので急に話が飛んでついていけないということも体感できた」
「1のパターンでは拾える情報が音だけなので、音から想像できる光景が自分の今まで経験してきたこと、見てきた物と一生懸命リンクさせていた」
「映画のシーンを音だけ聴く場合と比べ、音声ガイドが入ったことで、視覚に障がいのある方が映画の情景をわかりやすくなることが理解できた」などの感想が参加者から寄せられました。

体験の様子

実際に映像を観ながらライブ音声ガイドを付けてみる体験も参加者から二人ほどしてもらい、平塚氏から音声ガイドを制作するポイントについてお話いただきました。
「セリフや要になるような音は、視覚に障がいのある方にとっては、それが軸となり、またその作品から直に受け取ることができる情報でもあります。音声ガイドはセリフなどには極力かぶせずに、その隙間に場面転換や情景、人物の動きなどを入れていく作業になります。映像が伝える情報の1割2割くらいしか伝えられない言葉の制限・時間の制限がある中で、どの情報を選ぶか、このシーンで一番大事なことは何か、また全体を通して観た時に後ほど必要となる情報などの解説を入れることも考えます。映画が好きなボランティアと、視覚に障がいのある方と、時には監督側からの視点というのも交えて一緒に作り上げていく中で、お互いがより深く作品に触れることが出来る、そういう楽しさを味わっていける活動です。」

誘導ボランティアを体験!

シティ・ライツの活動の中で、視覚に障がいのある方を駅から映画館までの道のりや場内での歩行をサポートする「誘導ボランティア」があります。主に週末に行っており、映画を楽しみたい方など誰でも参加しやすい活動となっています。
今回のセミナーは視覚に障がいのある榊氏にも参加してもらいました。日立グループの従業員であり、またシティ・ライツの会員でもある榊氏からは、誘導ボランティアを体験する前に、白杖の使い方や誘導する基本姿勢(白杖を持っていない方の手でつかまれるように、斜め前に立つ)や、視覚に障がいのある方は突然杖や腕を捕まれると驚いてしまうことや声をかけてもらえると嬉しいことなども説明してもらいました。

左:説明の様子    右:日立グループ従業員 榊 氏

誘導ボランティア体験は二人一組となって、ひとりは白杖をもって目をつぶって視覚に障がいのある方の役になり、もうひとりはその役の方を誘導して歩く体験をしました。幅の狭い道を案内する場合は、横並びになって歩く方法やつかまっている肘で誘導ボランティアの後ろに誘導し一列になれば、ひとりの幅で歩くことができる方法を教えていただきながら、会場の廊下を一周しました。

誘導体験の様子

視覚に障がいのある方は、その人によって見え方の違いがあり、また映画館までの道を歩いた経験がどれだけあるのかもそれぞれ違うため、基本的にはその人にどういうふうにしてほしいかを聞いて対応するのが良いそうです。「映画を一緒に観る仲間に対する、気遣い・思いやりの延長なのだと思います」と平塚氏はお話くださいました。

参加者からは「頭で考えるのと実際にやってみるのとでは全然違うことがよく分かった」「初めての体験で、目が見えないとこんなにも不安になるものかと驚いた。」「誘導される側の体験を通じて、誘導する側の配慮が相当必要なことを実感できた」などの感想が寄せられました。

事務局より

セミナー終了後は、交流会の時間を設けました。立川市にある児童擁護施設「至誠学園」の敷地内にある「手作りおやつのお店LEAF(リーフ)」(*)のかわいい焼き菓子を頂きながら、平塚氏や榊氏に質問したり、参加者同士での意見交換もできたようでした。

右:交流会の様子      左:「手作りおやつのお店LEAF(リーフ)」の焼き菓子

2014年11月には、平塚氏の念願であったバリアフリー映画館「チュプキ」がJR京浜東北線上中里駅前にオープンしました。どの作品もFMラジオのイヤホンで音声ガイドを聴くことができ、視覚に障がいのある方もない方も、誰でもいつでも当たり前に共存して楽しめる空間として、上映後には感想をシェアするカフェタイムも設けているそうです。

セミナー後の平塚氏

映画館は、多くの人が一緒に映画を楽しみ笑い涙し、その空間を共有できる場所です。すべての人が分け隔てなく、その空間を共有できる社会づくりのお手伝いをしてみませんか?映画が好きな方、ご興味のある方はぜひシティ・ライツのWEBサイトへアクセスしてみてください。

  • 「手作りおやつのお店LEAF(リーフ)」
    児童擁護施設 至誠学園のアフターケア事業として始まった障害者就労継続支援B型事業所「ワークセンターまことくらぶ」が就労支援プログラムのひとつとして運営し、素材にこだわった製菓製造・販売を行っています。その他、クリーニング・食器洗い・ビルメンテナンス・農業などで障がいのある方の社会参加促進、自立支援、就労支援を目的とし、さまざまな活動を行っています。

連絡先

バリアフリー映画鑑賞推進団体 シティ・ライツ
アートスペース チュプキ
東京ボランティア・市民活動センター
児童擁護施設 至誠学園
ワークセンターまことくらぶ
手作りおやつのお店「Leaf(リーフ)」

場所 東京ボランティア・市民活動センター 会議室
講師 バリアフリー映画鑑賞推進団体 シティ・ライツ 代表 平塚千穂子氏
進行 東京ボランティア・市民活動センター 若林明子 氏
参加者 日立グループ従業員32名
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