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企業情報CSRへの取り組み

人権の尊重

人権への取り組み

日立は、2010年度に制定した「日立グループ行動規範」を補完するものとして、2013年5月に「日立グループ人権方針」を策定しました。この方針では、国際人権章典*1および国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」に記された人権を最低限のものと理解し、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則*2」に基づく人権デュー・ディリジェンス(HRDD)*3や従業員への適切な教育の実施、日立が事業活動を行う国や地域の法令の遵守、さらには国際的に認められた人権と各国・地域の法令の間に矛盾がある場合には、国際的な人権の原則を尊重するための方法を追求していくことを明確に定めています。
2014年度は、グループ内の既存の仕組みや方針に「ビジネスと人権」の視点を追加し、日常業務に組み込むための手順をまとめたHRDDに関するガイダンスを作成しました。このガイダンスに基づき、2015年度は調達部門、2016年度は人財部門においてHRDDを開始するなど、これまで2部門で日立グループの従業員が直面しうる人権リスクの評価および優先度づけ、リスク軽減策の検討を行っています。

*1
国際人権章典:国連総会で採択された世界人権宣言と国際人権規約の総称
*2
国連「ビジネスと人権に関する指導原則」:本原則は2011年3月発表の「人権と多国籍企業及びその他の企業の問題に関する事務総長特別代表、ジョン・ラギーの報告書」に掲載(A/HRC/17/31)
*3
人権デュー・ディリジェンス(HRDD):事業上の人権への影響を特定して評価、対応し、負の影響に対して防止・軽減、救済の措置を講じて、その効果を継続的に検証・開示すること

人権尊重の推進体制

日立製作所では、CSR部門担当役員を委員長として営業、調達、人財、CSRなど各コーポレート部門の責任者が参加する「中央人権問題推進委員会」を1981年度に設立し、企業活動がステークホルダーの人権に与える影響を把握するとともに、人権侵害を未然に防止する仕組みや施策を審議しています。「中央人権問題推進委員会」が審議・決定した方針に基づき、日立グループ全体の人権意識の向上を図っています。審議の内容は、各ビジネスユニット(BU)・事業所長を委員長とする「ビジネスユニット・事業所推進委員会」を通じて全従業員に伝達し、人権侵害の防止に努めています。セクハラなどの問題については、事業所ごとに相談窓口を設け、相談を受け付けるとともに、相談者に不利益な扱いをしないよう適切な対応に努めています。
2014年度からは、12月10日の「世界人権デー」に執行役社長兼CEO 東原敏昭による人権メッセージを配信しています。2016年度は日立製作所およびグループ会社の国内外の役員および従業員約15万6,000人にメールを配信して、人権に関するグローバルな潮流、日立の方針や取り組み、そして従業員一人ひとりが自らの業務で人権を尊重することの重要性を伝えました。

日立製作所 人権尊重の推進体制

委員長(CSR担当執行役)、副委員長(人財担当執行役)、委員(営業、調達、人財、CSR部門などの各コーポレート部門責任者)からなる「中央人権問題推進委員会」のもと、委員長(ビジネスユニット・事業所長)、委員(各部門責任者)からなる各「ビジネスユニット・事業所推進委員会」で構成されます。

役員・従業員の人権意識向上


役員向け人権研修の様子

事業所・グループ会社単位で、定期的に集合研修や講演会、映像による啓発活動を行っており、従業員1人当たり3年に1回以上の受講(単年度の受講率:33.3%)を目標に推進しています。2016年度は、日立製作所で41.9%、グループ会社で48.4%の受講率を達成しました。集合研修に加えて、2016年10月より「ビジネスと人権」をテーマにeラーニングを実施し、2017年3月までに国内外で約18万6,000人のグループ役員および従業員が受講しました。このeラーニングは2013年5月に策定した「日立グループ人権方針」に基づいた教材を使用し、従業員が日立の人権尊重の方針を理解し、行動できるようになることを目的としています。これらの研修は、世界の人権に関する動向を踏まえて内容を改訂しながら、上記の目標に従って約3年に1度の割合で全従業員に実施しています。
また2016年7月には、部落解放同盟中央執行委員長の組坂繁之氏を講師に迎えて「グローバルビジネスにおける人権課題」をテーマとした役員研修を実施し、日立製作所執行役30人が出席しました。事業のグローバル化が進展する中で、日本における人権状況と国際的な移民問題の解決に向けた課題などについて、事例を交えた説明がありました。

人権デュー・ディリジェンスの取り組み

日立は「日立グループ人権方針」において、HRDDの仕組みを開発し継続的に実施していくことを宣言しています。2013年度は、HRDDのパイロットプログラムを特定の事業体で実施し、グループ全体に展開する上での留意事項を洗い出すとともに、ASEAN 6カ国における人権リスクの分析と評価を行いました。2014年度は、パイロットプログラムの結果を踏まえ、NPO「Shift」と協働し、HRDDを実施するためのガイダンス文書を作成しました。
2015年度はガイダンスに基づき、サプライチェーンにおいて労働者や地域コミュニティの人権に影響を与えるリスクがある調達部門においてHRDDを開始し、2016年度にはその結果をサプライヤー向けのCSR調達ガイドラインの改訂などの具体的な施策に反映しました。
また、2016年度は、労働時間や処遇、安全衛生など、その業務の多くが従業員の人権に関連する人財部門においてもHRDDを開始しました。日立製作所の人財部門とCSR部門が中心となり、BU2社、グループ会社3社、海外地域本社4社のCSR担当者でワーキンググループを立ち上げ、従業員に対する人権リスクの評価、優先度づけ、リスク軽減策の検討を行いました。また苦情処理メカニズムに関しても、既存の仕組みを整理し、その改善案を検討しました。2017年度からは、2016年度のHRDDの結果を踏まえ、具体的な人財施策に反映していきたいと考えています。

児童労働および強制労働リスクに対する取り組み

日立では、「日立グループ行動規範」において自社ならびにサプライチェーン上における児童労働および強制労働を容認しない姿勢を明確にしています。2016年度は社長の人権メッセージの中でも強制労働や人身売買について言及しています。また、ビジネスのグローバル化に伴い強制労働のリスクに直面する可能性が高まる中、日立グループ全役員および従業員向けの人権に関するeラーニングでも企業として強制労働や人身売買の問題を未然に防ぐことの重要性について事例を交えて解説しています。
さらにサプライヤー向けのCSR調達に関するガイドラインにおいても、児童労働や強制労働を用いてはならない旨を明記し、BUおよびグループ各社の1次サプライヤーに配布するなど、サプライチェーンでの周知徹底を図っています。2016年度は、強制労働のリスクが高いと想定される東南アジアの調達担当者および人財担当者を対象に、NGOや先進的な取り組みを実施する企業から講師を招き4回シリーズのウェビナー*1を実施、1回当たり平均45人の参加がありました。
現代の奴隷と呼ばれる強制労働、人身売買が自社およびサプライチェーンで発生しないようにするために実施したさまざまな施策については、英国現代奴隷法2015に基づく日立製作所としての宣言文でも公表しています。

*1
ウェビナー:ウェブ(Web)とセミナー(Seminar)を合わせた造語。インターネット上で双方向の交流が可能なセミナー

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