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企業情報CSRへの取り組み

災害に強い都市づくりを支援

ライフラインや交通インフラの損壊により、一時は10万人を超える避難者が避難所にあふれた仙台市。
日立は、人に着目した独自の手法を用いて避難所の調査・分析を行い、潜在的な課題や要望を「見える化」したうえで、ソリューションを提案しました。

仙台市とともに避難所の調査を実施

震災により872人が亡くなり、8,000世帯以上が津波による浸水被害を受けた仙台市。多くの東北の自治体と同様、市役所自体が被災しながらも避難所の運営や災害への対応にあたってきました。

「今後の復興および防災計画を検討するにあたり、仙台市や全国の自治体がまず把握したいのは、避難所での生活実態。そこで何が起きて、何が課題なのかということです」(仙台市震災復興本部 小島さん)。多くの企業から震災対応に関する技術や製品の申し出があるなかで、「グローバルに事業を展開する日立と一緒に課題を考え、得た知見を技術へと転換し、広く情報発信してくれると期待して」(小島さん)、仙台市は避難所に関する協働調査を日立に依頼しました。行政と企業が協働で行う震災調査は仙台市では初めての試みでしたが、2011年8〜9月に避難所の調査を実施しました。

日立独自の手法でソフト面から復興を支援

写真:ワークショップの様子
地震発生から避難所閉鎖までの出来事や課題を、市役所職員の日報と聞き取りから探り出して時系列に表にまとめ、職員とともに分析し、課題を見出すワークショップを市役所で行った

調査には「エクスペリエンス指向アプローチ(Exアプローチ)*」を用い、交通の要所の近辺や津波被害地域など特性の異なる7つの指定・収容避難所を対象に計27人から聞き取りを実施。地震発生から避難所閉鎖までの出来事や課題を時系列にまとめました。その結果、避難所生活は、避難所に「集まる」「過ごす」「出る」という3つのフェーズに分類されることがわかり、この結果をもとに市とワークショップを2回行い、課題を分析しました。一連の調査・分析を経て、日立からは複数の避難所をグループ化する共同体の構想や、被災者の情報を集約・集積する情報システムの活用など、防災・減災につながる施策を市に提案しました。
仙台市からは、「行政の視点だと避難所運営という『過ごす』フェーズばかりに焦点を当ててしまう傾向があるので、避難所全体の課題の把握に優れていると感じました。今後もこのような企業の協力が必要です」(小島さん)、「フラットな視点で客観的に課題を整理した貴重な提案になっています」(同 大川さん)と評価していただきました。

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Exアプローチ:関係者が協力しながら本質的課題と解決策の理解・共有を図る日立グループ独自のフレームワーク。見える化や合意形成手法を用いて実現性のある基本構想・システム化計画の策定を支援する

人に着目した技術で、行政のパートナーとして貢献する

仙台市は、減災対策やエネルギー対策を強化して『防災・環境都市』をめざすとともに、企業との協働や市民の自助力を拡大することで『市民力』を高めていこうとしています。「震災の教訓からひとつの防災モデルをつくり、全国ひいては世界に発信していくことが仙台市の責務です。日立には、社会の満足度をより高めるためにハードとソフトの両面で技術を提供して支えてもらいたいし、私たちと一緒に全国および世界に情報を発信してもらいたい」(小島さん)。

日立は、人とその経験に着目した調査・分析手法や技術力を最大限に活用し、地域社会が抱える課題を解決するため、自治体とも協働し、人がより安全に、安心して暮らしていける社会の仕組みづくりに貢献していきます。