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企業情報CSRへの取り組み

次世代鉄道システムを世界へ

高い技術と経験が環境に配慮した安全な移動を実現します

近年、人や荷物の移動手段を環境負荷が低い手段へと転換する「モーダルシフト」という考え方が注目されています。鉄道は船舶と並び、輸送単位あたりのCO2排出量がきわめて少ない交通手段でもあるのです。

交通機関によるCO2排出量の比較

[グラフ]
g-CO2/人キロ(2007年度)
出典:国土交通省「運輸部門の地球温暖化対策について」

より環境に配慮した鉄道に向けて

日立はメーカーとして長年にわたり新幹線をはじめとする鉄道事業に携わっており、ディーゼルエンジンと蓄電池を組み合わせたハイブリッド駆動システムを東日本旅客鉄道株式会社と共同開発するなど、鉄道分野の先進技術の開発に努めています。
そのひとつが、「A-train」と名付けられたアルミの車両システムです。軽量素材のアルミニウムは、走行時のエネルギー消費を大幅に削減できるほか、リサイクルが容易であるなど、環境負荷が少ないとされています。また、生産システムにおいても、生産工程で生じるアルミ廃棄物の回収・再利用をはじめ、骨組みのいらない構造で車体加工を自動化し、ゆがみが少なく無塗装でも美しい車両を実現する独自の溶接技術「摩擦攪拌接合」や、部品点数を大幅に減らせるモジュール工法を採用するなど、できるだけ環境負荷を軽減すると同時に、従来熟練の技術者が行っていた作業を、コンピューターで再現できるようにすることで、短い納期でも、高い品質と安全性を提供できるようにしました。こうした工夫の積み重ねにより、生産効率の飛躍的向上と環境負荷低減を両立させることができました。

日立の鉄道技術

[画像]日立の鉄道技術

英国で高い評価を受けた日立製車両

[画像]
Class395が走る ハイスピード1(HS1)と在来線の路線

2009年12月に開業した英国初の高速鉄道線であるハイスピード1(HS1)に、日立製の高速列車Class395がデビューしました。高速列車Class395が選ばれた最大の理由は、半年前倒しで納入し、高い信頼性を実現する、日立の技術力の高さでした。
これまで80分かかったロンドン・アシュフォード間を37分で結ぶHS1開通の効果についてスティーブン・ゴマソール日立欧州総代表は次のように語っています。
「HS1は開通以来、モーダルシフトによる環境負荷の低減や、快適で快速な列車運行という乗客の利便性向上などのさまざまな成果を収めています。サウスイースタン・レイルウェイ社には、納品が早いうえ、故障が少なく満足していただいています。日立が納入した174車両は英国において最高レベルであると認められ、Class395は「Rail Business Award 2009」において車両賞を受賞しました。また日立はClass395の保守業務も手掛けていますが、新設したアシュフォードの保守拠点ではスタッフの大部分を地元で採用し、入念な職業訓練によるスタッフの技術力向上に努めています。開通による人の流れの変化は、アシュフォードを中心とするケント州全体の活性化にもつながっています。日立は、今後拡大が見込まれる欧州の鉄道ニーズに応えていきたいと考えています」。
米国で高速鉄道網計画がもち上がるなど、鉄道の再評価は欧州だけでなく、世界的な広がりを見せています。日立は、米国高速鉄道や、2016年のリオデジャネイロ五輪に向けて計画が進むブラジル高速鉄道、インドの貨物新線計画など、世界各地の鉄道計画に参画し、モーダルシフトという地球環境を見据えた取り組みに貢献していきます。

[voices] 高速鉄道の利点を証明したClass395

[画像]サウスイースタン・レイルウェイ社 マネージング・ディレクター  チャールズ・ホートン氏

サウスイースタン・レイルウェイ社
マネージング・ディレクター  チャールズ・ホートン氏

鉄道プロジェクトには、常に挑戦があります。今回、われわれは日立をはじめとする企業との強いパートナーシップによって、それを乗り越えることができました。このプロジェクトを通じて、日立製車両の品質について信頼を深めていきました。日立の鉄道事業における強みは、納品の早さに加え、プロセスや品質を重視する姿勢ではないかと思います。英国初の高速列車であるClass395は、高速鉄道のメリットを目に見える形で人びとに示すとともに、われわれの旅客サービスの信頼性を高めました。それは日立の技術力の高さを示すことにもつながったと考えています。

(2010年7月掲載)