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企業情報CSRへの取り組み

電力の安定供給とCO2排出抑制に向けて

2050年に向けた発電方式とCO2排出抑制

開発途上国のエネルギー需要の急増および化石エネルギー消費の増大が見込まれ、CO2排出抑制とエネルギーの安定供給の両立は地球規模で解決すべき社会課題です。地球温暖化の抑制のため、2050年までにCO2の排出量を50%以上削減することが国際会議で議論されています。そのためには、電力の安定供給を確保しつつ、発電方式や技術の開発・革新によるCO2削減が必要です。

世界の電力供給源の内訳とCO2排出量の変化
[画像]CO2排出量半減シナリオ CO2排出量延長線シナリオ

*1
CO2排出量半減シナリオ
CO2排出量を現状の50%に削減する場合の電力供給源の内訳とCO2排出量の予想
*2
CO2排出量延長線シナリオ
現在のCO2排出量削減対策を継続した場合の電力供給源の内訳とCO2排出量の予想

小数点以下は記載せず
出典:国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)“Energy Technology Perspectives 2008”一部データは(株)日立総合計画研究所の推計
※( )内は発電におけるCO2排出量

主な発電方式別CO2排出量
[グラフ]

発電燃料の燃焼に加え、原料の採掘から発電設備等の建設・燃料輸送・運用・保守等のために消費されるすべてのエネルギーを対象としてCO2排出量を算出
原子力については、現在計画中の使用済み燃料国内再処理・プルサーマル利用(1回リサイクルを前提)・高レベル放射性廃棄物処分等を含めて算出
出典:(財)電力中央研究所「研究報告Y99009・Y01006」(2001年8月発行)

日立グループの発電技術

日立グループは、現在、先進的な原子力発電設備の提供、石炭火力発電の高効率化、太陽光や風力などを利用した発電システム、系統連携制御や蓄電技術、スマートグリッド*1などに取り組んでいます。
さらに長期的な展望のもと、次世代の高効率発電有力候補である石炭ガス化複合発電(IGCC)*2、火力発電所などから出るCO2を分離・回収して地中などに封じこめる技術(CCS)*3、資源を有効活用する次世代原子力発電などについて、研究機関、大学、他企業と連携しながら研究開発を行っています。

*1
スマートグリッド:情報技術を使って電力供給を最適に制御する次世代送電網
*2
IGCC:Integrated coal Gasification Combined Cycle
*3
CCS:Carbon dioxide Capture and Storage

[画像]
(上)火力発電に使用する高効率の600℃級高圧タービン
(下)富士重工業株式会社と共同開発した2,000kW風力発電設備

発電分野の製品・技術開発による主な取り組み
CO2排出抑制 再生可能エネルギー発電システム
系統連携制御
蓄電技術
スマートグリッド
CCS
高効率/資源の有効活用 改良型沸騰水型原子炉
高効率石炭火力発電
IGCC
高速増殖炉

次世代の発電技術の確立を

[画像](財)地球環境産業技術研究機構 副理事長・研究所長  茅 陽一氏

(財)地球環境産業技術研究機構 副理事長・研究所長
茅 陽一氏

2050年までにCO2を半分以上削減するには、排出量の約4割を占め、今後も需要拡大の可能性の大きい電力供給分野での取り組みが鍵となります。基盤はやはり原子力発電の安定的な稼動ですが、さらに核燃料サイクルの確立、IGCCを中心とする石炭火力発電の効率化、再生可能エネルギーの利用拡大に欠かせない蓄電技術の開発など、メーカーである日立グループの貢献できることは多数あると思います。低炭素社会の実現と電力の安定供給に向けて、今後長期的な展望をもちながら現実的かつ具体的な革新的技術の開発にますます尽力されることを大いに期待しています。

信頼性の向上をめざす日立の原子力発電技術

世界的な原子力のニーズに応えるために

発電過程でCO2を排出しない原子力発電は、燃料のウランが政情の安定する地域に広く分布することから、エネルギー供給の安定化という観点からも再評価が進んでいます。米国でも、現在30基以上の原子力発電所新設計画が浮上しています。しかし1973年以降、原子力発電所の新設が途絶えていました。今後は、原子力発電がCO2排出抑制に大きな役割を果たすと期待されています。
日立は1970年に運転を開始した敦賀1号機から、日本国内で20基の原子力発電所建設に参画し、技術的ノウハウを培うとともに、人財の維持・育成に努めてきました。2007年7月には米国で多くの建設経験をもつGEとの合弁により「日立GEニュークリア・エナジー(株)」を設立しました。これは、これまで培ってきた技術力や人財を駆使して、急速に高まる北米市場での原子力発電のニーズに対応する戦略的取り組みです。

さらなる信頼性の向上をめざして

日立の原子力事業の特徴は、原子力発電所の設計から、製作、据付、試運転にいたるまでの全工程をグループ各社の協力を得て一貫して行うところにあります。3次元CADシステムによる設計図に始まり、各種製作図面、据付図、さらには現地据付作業の進捗状況にいたるまでの情報を一元的に管理する総合エンジニアリングデータベースを構築することで品質管理の強化を図っています。
また、日立は、工場から出荷される配管やケーブルに超小型無線ICチップ「ミューチップ」を取り付けることで、発電所建設現場においてより高度な製品管理、工程管理をしています。
製作・据付工程の効率化という観点から、従来は機器の据付や配管工事を建設工事の進捗状況に合わせて現地で行ってきましたが、現在は機器や配管等のプラント構成品を専用工場で組み立て、完成後のモジュールを船で建設現場へと運ぶ大型モジュール工法という独自の工法を編み出して実用化しています。原子力発電所の建設では、この工法の採用により、計画通りに建設することが容易となり、品質管理を徹底することができました。大型モジュール工法は、北米など海外での発電所建設にも大きく寄与するものと考えています。

[画像]
(上)モジュール工場(日立GEニュークリア・エナジー(株)日立事業所)
(下)中国電力株式会社島根原子力発電所第3号機向け原子炉格納容器吊りこみ作業

明日に向けた取り組み

日立はプラントメーカーとして、これまで、国内の原子力発電所でもっとも多く採用されてきた沸騰水型炉(BWR)を手がけてきました。1995年以降は、信頼性をより高めた改良型沸騰水型炉(ABWR)の建設を進めています。2030年前後からの代替炉建設需要をにらみ、世界市場も視野に入れて、国、電気事業者、メーカーが一体となったプロジェクト「日本型次世代軽水炉開発」を進めています。
ウランの可採年数は約85年といわれています。ウラン利用効率の向上のため、核燃料再処理工場の建設や、政府主導で進められている高速増殖炉計画にも日立は積極的に関与しています。

(2009年7月掲載)

環境への取り組み(日立グループの環境への取り組みサイトへ)

環境に配慮した製品、オフィスや工場でのエコ事例、社員の活動など、環境と調和したモノづくりをめざす日立の取り組みを紹介します。