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Hitachi

企業情報CSRへの取り組み

電気を制御する

ハイブリッド駆動技術を開発した
日立製作所電機グループ交通システム事業部スタッフ(国産初の電気機関車の前で)

今日、鉄道は極めてエネルギー効率のよい交通システムとされています。しかしその一方で、非電化区間を走るディーゼル車両は電車と比べると、エネルギー効率の低さや、排気に含まれる窒素酸化物(NOx)等の有害物質が多く含まれるなどの課題を抱えています。
とはいえ架線などの地上設備の建設コストを考えると、ローカル線中心の非電化区間の電化は難しいのが実情です。現在、国内には約3,000両のディーゼル車両が走っていますが、これは全車両の6%弱に相当します。
一般の電車では、ブレーキをかけた際にモーターが発電を行い、その電気を架線に返し、他の車両がそれを使う回生ブレーキの導入が進んだ結果、エネルギー効率が大きく向上しました。一方、エンジンの動力で車輪を動かすディーゼル車両の場合、ブレーキ時のエネルギー回収は困難です。それが電車に比べエネルギー効率が低い大きな要因ともなっています。

この問題を解決するため、私たちは2001年より東日本旅客鉄道(株)(以下JR東日本)と共同で「ハイブリッド駆動システム」の実用化に取り組んできました。これは、「発電所を積んだ電車」と考えると理解しやすいでしょう。ディーゼルエンジンは発電に徹し、その電気でモーターを動かすことがこのシステムの基本的な仕組みで、発電機とモーターの間にはリチウムイオン電池を配置しています。これによりハイブリッド自動車のように、ブレーキによるエネルギーの再利用が可能になるわけです。
もちろん自動車とは違う難しさもありました。このシステムでは、駅構内の騒音問題を解消するため、停車中はもちろん発車後も時速25kmに達するまではエンジンを停止させたまま、電池だけでモーターを動かします。そのためには、駅に到着したときに電池に十分な電気が蓄えられていることが不可欠です。日立はそれを可能にするため、走行速度や線路の勾配の有無などを総合的に判断して行う充電量の管理制御技術を開発しています。

ハイブリッド駆動システムの電気制御
[画像]ハイブリッド駆動システムの電気制御
ハイブリッド駆動システムは、電池だけで発車し、走行中のエンジンによる発電とブレーキ時の発電で電池を充電します。

[画像]小海線を走るキハE200形
小海線を走るキハE200形

世界初の実用化車両であるJR東日本のキハE200形は、2007年夏より小海線で運行を開始し、同路線を走る従来型の車両に比べ、燃料消費量で10%、有害物質排出量で60%の削減を実現しました。日立は鉄道車両の環境負荷を低減するため、電気を効率的に制御する技術の向上に、さらなる努力をしていきます。

(2008年7月掲載)