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企業情報CSRへの取り組み

[画像]日立製作所 モノづくり技術事業部 シニアプロジェクトマネージャ太田光洋
日立製作所
モノづくり技術事業部
シニアプロジェクトマネージャ
太田 光洋

日立グループは、高度な「モノづくり力」に支えられています。
卓越した技能を伝承し、生産拠点での生産効率向上と品質確保のため技能の伝承ツール「e-Meister」を国内外で活用しています。

熟練技能を可視化する「e-Meister」

[画像]「e-Meister」の画面
「e-Meister」の画面

創業時より培われた技術が日立のモノづくりの基盤であり、高度な技能が日立の品質を支えてきました。
一方、人口構造の変化に伴い、熟練技能者や指導者の不足が懸念されており、さらに製品の高精度化や生産拠点の海外移転が進むなか、安定して技能を伝承する仕組みの構築が急務となっています。技能の伝承は、経験を積まないと得られない「カン」や「コツ」をいかに正しく効率よく伝えるかがポイントです。
そこで、日立グループは、2001年からITを活用して熟練者の技を標準化し、後継者に確実に伝えていくe-Meister活動を推進しています。

「動画」「静止画」「音声」で伝える

[画像]
(左)銅パイプのろう付けの解説画面
(中)「キサゲ」と呼ばれる仕上げ技能の解説画面
(右)中国における新人指導風景

「e-Meister」は、重要な技能を整理して、誰もが理解できるように「動画」「静止画」「音声」などを駆使して解説するもので、作業手順書では表現できないノウハウを分かりやすく伝えることができます。
例えば、ろう付け技能では、「治工具準備」「作業基準」「作業手順」「作業ノウハウ」「チェック」などに分類されていて、参照したい項目を選ぶと、熟練技能者のビデオ映像に合わせて、トーチの炎の調節方法や、ろう付け材料に炎を当てる角度などを確かめることができます。初心者が起こしがちな失敗例や良・不良の限度見本も豊富に収録されているので、実践的な理解を深めることができます。
「e-Meister」の活用によって、(1)教育レベルのバラツキがなくなる、(2)教育時間が短縮できる、(3)繰り返し教育が可能になるといった効果をもたらし、導入した事業所では、生産効率や品質を向上させています。

海外でも幅広く展開

海外用には、英語版、中国語版を制作し、中国、アジアをはじめ北米、欧州などの日立グループ企業への導入が進んでいます。
例えば、経済成長著しい中国では、日立グループ10社以上で導入しています。常に新人採用を行っているため、品質や納期の確保のために短時間の技能習得が求められています。「e-Meister」導入拠点では、「技能習得が容易になり、社員の意欲も高まっている」と好評です。
今後の課題は、特に言語の異なるアジア地域などへe-Meister活動をより拡大展開することです。

日本のモノづくり力アップにも貢献

この活動を、自社にとどまらず、関係省庁や社団法人日本能率協会、日本IE協会など、モノづくり関連団体においても積極的に紹介し、日本のモノづくり技能の伝承と人材育成にも幅広く貢献しています。

(2007年7月掲載)
(太田 光洋)