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企業情報CSRへの取り組み


休み時間に地図上で遊ぶダグラス・スクールの子どもたち(米国ペンシルベニア州フィラデルフィア)。
世界地図は「企業&コミュニティ助成プログラム」の一環で作ったもの。cMitsuya Okumura

経済問題をめぐって日米関係が厳しい局面を迎えていた1980年代、日立も例外ではなく事業の成長に伴い、米国において社会的な責任を果たすことが重要となっていました。そのような状況の中で良き企業市民として米国社会に貢献していくために、1985年、日立グループは、日立製作所第5代社長の三田勝茂の提唱に基づいて、ワシントンD.C.に日立ファウンデーションを設立しました。財団の初代理事長には、米国の司法長官、国防長官、商務長官などを歴任したエリオット・リチャードソン氏が就任しました。
日立ファウンデーションは、米国社会のために米国人の手によって運営されている財団です。企業が設立した財団でありながら出資企業とは独立した関係を維持していることが、財団の活動に柔軟性を与え、社会から高い信頼を得る源泉になっています。

3つのプログラムを実践

リチャードソン創設理事長は、地域や国家、そして世界レベルで発生する問題は、政府や民間・非営利・地域社会セクターの間のパートナーシップによってのみ解決しうると確信していました。また、日立ファウンデーションはそのようなパートナーシップの構築を促進し、推進役を担えるものでありたいと考えていました。そして、1987年までに、今日の主要プログラムである「企業&コミュニティ助成プログラム」「吉山賞」「マッチング・ファンズ・プログラム(現・日立コミュニティ・アクション・パートナーシップ)」が整いました。
2003年、ジョセフ・カスピューティス第2代理事長のもと、日立ファウンデーションは、3つのプログラムを実施し、経済的・社会的に孤立している人びとの問題に焦点を合わせた5カ年計画(2004〜2008年)を策定しました。そして、2005年11月に就任したブルース・マクローリ第3代理事長がこの戦略計画を受け継ぎ、積極的に推進しています。
設立21年目に入り、コミュニティの活性化と社会に対する企業の責任との調和を図るとともに、社会と企業の変革のために、新たなプログラムや活動を行っていくことにしています。

グローバルな広がりをめざして

日立は、日立ファウンデーションが企業市民活動の先進国である米国で20年にわたって取り組んできた社会貢献活動を、先駆的かつ模範的なモデルとしてとらえています。例えば、日立ファウンデーションのプログラムをモデルにして、日立グループ各社が日本や他の地域の拠点でも同様のプログラムを実施するなど、グローバルな社会貢献活動として展開していこうと考えています。

日立ファウンデーションの主要なプログラム

企業&コミュニティ助成プログラム

企業とコミュニティのパートナーシップにより、経済的・社会的に取り残された人びとを支援する取り組みに、助成します。例えば、働く機会に恵まれない人びとが、業務スキルを身に付け、就業を可能にする教育プログラムなどが対象になります。

吉山賞

[写真]2005年度吉山賞受賞者
2005年度吉山賞受賞者
地域貢献活動や人権問題に取り組んだ受賞者10人と、日立ファウンデーション前理事長のジョセフ・E・カスピューティス(前列右)と事務局長のバーバラ・ダイヤー(前列左)。

コミュニティ奉仕活動において卓越したリーダーシップを発揮した高校3年生10人前後を毎年全米から選び、表彰しています。1987年に日立製作所第4代社長吉山博吉が会長職を退いた際に寄付した基金によって発足、以来176人を表彰してきました。若い人たちが地域社会で大きな成果を生み出した事例を広く紹介することで、より良い社会づくりに取り組む意欲を多くの人びとから引き出す呼び水にしたいと考えています。

日立コミュニティ・アクション・パートナーシップ

[写真]公立小学校の1年生に本を読み聞かせる日立アメリカ社の社員
日立コミュニティ・アクション・パートナーシップ活動
公立小学校の1年生に本を読み聞かせる日立アメリカ社の社員。本を通じて物語を聞かせるだけでなく、子どもと大人が交流する機会を提供しています。

北米の日立グループ各社の社員で構成される地域活動委員会(CAC:Community Action Committees)と日立ファウンデーションが連携して行うプログラム。社員やその家族が生活し、働く地域社会の発展のために、北米日立グループ21社のCACは寄付やボランティア活動を計画し、日立ファウンデーションは、CACがその計画に拠出する金額と同額の資金(マッチングファンド)を提供しています。

Massage:新たな展開に向けて

[写真]日立ファウンデーション 理事長:ブルース・マクローリ

日立ファウンデーション
理事長:ブルース・マクローリ

日立ファウンデーションは、日立グループのプログラムへの積極的な参加と資金面での寛大な支援によって、めざすべき方向に進み続けています。
これからの課題は、「企業の社会的責任」を全うする活動やアイデアを発展させ、一般に広く示すことです。具体的には、経済的・社会的に孤立している人びとのために、企業が力を発揮できる新しい方法を示すことで、政府と地域社会の力だけでは果たせない社会貢献ができると考えています。

Voice:吉山賞を受賞して

[写真]1990年度吉山賞受賞者ダフネ・ウォーカー(現裁判所判事)

1990年度吉山賞受賞者
ダフネ・ウォーカー(現 裁判所判事)

「吉山賞は、受賞したさまざまな賞の中で特別な存在です。私は授賞式で、どうしたら人びとが自分たちのことを覚えてくれているかを考え始めなさい、言われたことを今でも強く意識しています」。そう語るウォーカー氏のオフィスには、今も吉山賞授賞式の写真が飾られています。彼女は、恵まれない地域の子どもたちの社会交流促進に貢献。2004年にアフリカ系アメリカ人として初めてジョージア州クレイトン郡の判事に選任されました。

(2006年7月掲載)