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企業情報CSRへの取り組み

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日立製作所労政人事部 藤原 敏

法律で定められた民間企業の障害者雇用率は1.8%です*。しかし、一般の民間企業における実雇用率の平均は 1.46%に留まっています(2004年6月厚生労働省調べ)。求職者と仕事をマッチングする難しさが、雇用促進の大きな障壁となっています。

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障害者の雇用の促進等に関する法律」(障害者雇用促進法)。常用労働者数56人以上の規模の企業が対象。障害者雇用率は、ほかに特殊法人は2%、国や地方公共団体は2.1%

日立が変われば、社会も変わる

2003年6月、日立製作所の障害者雇用率は、法定基準を下回る1.66%となってしまいました。分社化などの経営改革の影響により、人材の動きが生じたことが直接要因でしたが、法定基準を下回った事実は軽視できません。障害者雇用の計画を見直し、実行を早めた結果、新たに63名の人材を雇用。1.8%という基準は半年で達成しました。しかし、数字の達成が目標ではないのです。
日本の障害者雇用に課題がある今、日立に何ができるのか。日立が障害者にとって、働きやすく、魅力的な職場になるにはどうすればいいか。日立製作所には約4万人の社員が、グループでは約34万人が働く組織です。その規模を考えると、日立が変われば、社会をも変える可能性を秘めています。これを機に課題に向かう「攻め」の雇用をめざしていこう。その現場の指揮を、障害を持つ身である私が担うことになったのも、日立が変わろうとする思いの表れと感じます。

社会の課題に取り組む

ただ待つだけでは人材は集まりません。ハローワーク(公共職業安定所)主催の面接会に出向いたり、養護学校や障害者訓練学校に紹介いただくなど、まず人材との出会いの場を求めました。
また、雇用後の働きやすさの確保も重要です。バリアフリー化など、ハード面はすでに進んでいますが、難しいのはソフト面。それぞれのケースに応じた、きめ細かな対応が不可欠です。そこで、入社後の悩みやキャリア相談に応じる研修会と、雇用する上司への研修会を開始しました。またイントラネットに、相談窓口も設けました。
あわせて、大学生を実習生として受け入れるインターンシップにも注力しました。就職するしないにかかわらず、これからもどんどん、彼らに学ぶチャンスを提供したいと考えます。これは、障害者の可能性を発見し、また気づくという、私たち自身も学べる機会です。
現在の最大の課題は、他社にもあまり事例のない重度障害者の雇用と育成です。そこで私たちは、まず日立がリーダーシップを発揮すべきと考え、2005年、全盲の学生を採用しました。実習から手探りでまだ始動したばかりですが、彼女の意欲と才能に、すでに部内スタッフは大きな刺激を受けています。
「社会が変わるとき、変えるのは日立でありたい」というチャレンジを、障害者雇用において、これからも実践していきます。

VOICE:日立に就職して

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日立製作所労政人事部 小野山 亜矢

障害者枠があっても、やはり軽度の方が中心で、私のような全盲の重度障害者へのハードルは高いのではないでしょうか。でも日立は、すごく情熱的に受け入れてくれました。正直なところ、不安は抱いています。私だけでなく、周りの方もそうだと思います。でもそうした不安を曖昧にしないで、ストレートに伝えていけば、きっとさまざまな問題の解決につながると思います。
現在は、音声ソフトがインストールされたパソコンを使った業務を中心に行っています。皆さんとのコミュニケーションも、だんだんスムーズになってきました。たとえば「あれ」とか「こっち」とかの指示語では、私にはわからないので、そうした確認から始めました。
ただ会社では、どうしても紙の資料が多くなるのが難点です。点字化にはコストが生じるので、それをどのように解決するか、自らが、考えていきたいと思います。
目標は、障害があることを生かして、商品づくりや社会への提案をしていくこと。これからがんばっていこうという気持ちでいっぱいです。

(2005年7月掲載)