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企業情報CSRへの取り組み

グローバルな活動を行っている企業は今、2006年7月に施行されるEUのRoHS指令*をはじめ、分別回収とリサイクルを義務化するWEEE指令など、新たな環境規制への対応が急務となっています。日立グループも1998年より、対象化学物質の全廃に向け、取り組みを進めてきました。
私たちは、環境規制を単に「守っていく」という発想から、一歩踏み込んで、汎用性のある強い仕掛けを構築すれば、一連の活動で生じるコスト増を吸収し、新たな価値を生み出せるのではないか、と考えました。

「環境CSR対応モノづくり規程」で、全プロセスの環境配慮ポイントを明確化

そこで、グループ全体のモノづくりを捉え直し、2004年に策定したのが「環境CSR対応モノづくり規程」です。経営、企画、設計開発、調達、製造、流通、使用、リサイクル、廃棄といった、企業活動の各プロセスでの責務と環境配慮ポイントを明確化することで、製品(ハードウェア、ソフトウェア)、サービスのライフサイクル全体にこの考えを適用していきます。この中で製品の化学物質対応を視野に構築したシステムが「製品含有化学物質一元管理システム」です。化学物質は、禁止物質として鉛、カドミウムなどの13物質群と、管理物質として、アンチモン、ヒ素など12物質群を対象としました。
各プロセスの担当者が、コンピュータに必要な情報を入力し、一元管理するもので、使用材料や成分情報の管理はもとより、材料・部品の購買情報を統合して管理でき、トレーサビリティ(生産履歴追跡)も可能になるという仕組みです。

製品含有化学物質一元管理システム
[画像]製品含有化学物質一元管理システム

サプライヤー7,000社以上、部品150万点以上に対応

このようなシステムを構築した背景には、日立グループならではの事業の多様性が影響しています。日立は、日立製作所をはじめ、国内外の約1,100社で構成され、その事業内容も、高機能材料や部品から、コンシューマー機器、社会インフラシステムまで、きわめて広範囲に及んでいます。年間で扱う部品の種類は150万点以上にものぼり、部品や資材を、世界中の7,000社以上の調達先(サプライヤー)から納入いただき、また日立も同様に、サプライヤーとしてさまざまな企業に商品を納入しています。
こうした複雑な状況に対応しながら、グループ内の化学物質の管理を徹底させるには、製品、サービスの流れをすべて捉えられる、まったく新しい仕組みをつくる必要がありました。そのスケールを考えるとたやすいことではありませんが、一旦、システムが定着すれば、データはどんどん蓄積されていくことになり、それはやがて日立の強みにもなります。そしてシステムが軌道に乗れば、そのノウハウを、さまざまな企業と共有していくこともできるのです。

紐付けと確認を繰り返す

[画像]日立製作所 RAIDシステム事業部 生産IT統括部 築島 俊尋
日立製作所 RAIDシステム事業部 生産IT統括部 築島 俊尋

このシステムがすでに導入されている日立製作所RAIDシステム事業部での流れを例に、具体的に説明してみましょう。RAIDとはRedundant Arrays of Inexpensive Disksの略で、複数のハードディスクをまとめて、1台のハードディスクとして管理する技術を採用したシステムをいいます。航空、金融、エネルギー、医療、行政など、情報社会のライフラインを担っている企業が膨大なデータを蓄積するためのストレージシステムに採用されています。これを活用した日立のストレージ製品も、米国や欧州をはじめとした、世界中の企業にご利用いただいています。
ハードディスクの集積であり、お客様の注文に応じてカスタマイズしていく商品のため、厳密には数えられませんが、およそ1機種あたりの部品点数は2,000種にものぼります。まず、設計段階において、日立グループで禁止している対象化学物質を含まない部品を、調達先から選び認定します。
部品納入の際は、調達先から部品データと、対象化学物質の不含有保証書を提出していただきます。そして、その部品をもとに、製造担当が商品を作ります。完成品は、製造個体番号と、すべての部品データを紐付けし、コンピュータ上でデータを一元管理します。
そして個々の部品だけでなく、製品個体の化学物質の含有量を算出し、管理基準値内であることを確認してお客様に納入します。その後、増設やメンテナンスなどで、お客様が製品に手を加える際は、その都度、データを記録・更新していきます。

2006年6月までにグループ全社で展開

RAIDシステム事業部では2005年の4月より、このシステム対応へと順次切り替えを始めています。2005年6月より、グループ企業での導入を開始し、2006年6月までに徹底することを目標にしています。
グループ全社でシステムを活用すると、1日平均で3,000〜4,000人の担当者がデータにアクセスし、入力することになるでしょう。その一人ひとりの入力を集計すると、日立グループとして、化学物質をどれだけ扱ったかが一目瞭然となるのです。万一、問題が発生した場合は、48時間以内に、影響範囲を把握することが可能です。
このシステムにより、日立の活動を検証することができます。その意味では、社会が期待する水準に近づいたと思っています。そしてこの透明性を高めるチャレンジは、有害な化学物質を含まない製品を開発し、出荷していくという日立の環境活動を加速させると、私たちは信じています。

(2005年7月掲載)
(日立グループ 環境CSRモノづくり対応プロジェクトメンバー)