日立グループは、他者の知的財産権を尊重するとともに、他者に対して日立グループの知的財産権を尊重するよう求めています。
新製品・新技術の研究・開発等に先立ち事前調査を行うことを社内の規則*1に明記し、知的財産権を侵害しない製品づくりに努めています。また、他者の知的財産権を使用する場合は、ライセンスを取得しています。一方、当社の知的財産権を侵害する企業があれば、交渉を通じてライセンスの取得を促し、必要に応じて法的手段に訴えています。
日立ブランドの保護も、グローバル事業を支えるうえで重要な施策です。日立はブランド保護のため、日立ブランドを200以上の国・地域で商標登録しています。また、日立ブランドを装った模倣品の製造や販売、類似商標の不正な出願や登録に対しては、毅然とした姿勢で対策を講じています。
模倣品対策としては、模倣品製造業者、流通業者、卸売業者、販売業者への警告や模造品摘発などが一般的ですが、「需要者がいるから供給者がいる」という観点から、消費者にも模倣品に関する啓発活動を行っています。例えば2011年度には、他の日本企業と共に独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)北京事務所と中国版権協会教育委員会が主催した「第3回首都小学生保護知識産権宣伝教育活動」に参加し、北京市内の小学校10校で小学生に知的財産保護の重要性を説明しました。
侵害対策としては、税関での水際対策が最も有効であることから、中国や中東を中心に重点的に取り組んでいます。日立は、各国・地域の警察や行政機関など関係当局の協力を得て、意見交換会やセミナー、ワークショップなどを積極的に開催し、より効率的で効果的な侵害対策を講じています。

開催日:2011年4~6月
場所:中国 北京市内の小学校、計10校
主催:独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)北京事務所、中国版権協会教育委員会
参加企業:株式会社サンリオ、ソニー株式会社、パナソニック株式会社、株式会社バンダイ、三洋電機株式会社、キヤノン株式会社、マツダ株式会社、日立製作所

開催日:2012年4月8、9日
場所 :バーレーン ハリファ・ビン・サルマン港
出席者:税関職員18人
日立は、IEC(国際電気標準会議)の副会長である藤澤浩道をはじめ国際標準化団体の要職に人財を輩出し、国際標準化に積極的に取り組んでいます。2012年度は、電力およびパワーエレクトロニクス分野でIECのコンビーナ*1として日本で開発した技術の国際標準化に貢献した白坂行康と古関庄一郎が、経済産業省の主催する工業標準化事業表彰において、「経済産業大臣表彰」を受賞しました。
日立グループ各社が連携して国際標準化活動に取り組むため、標準化委員会を設置しています。標準化委員会のステアリングコミッティ*2は、日立グループとして重点的に取り組むテーマを選定し、ワーキンググループで各テーマの標準化活動に取り組んでいます。
テーマの一つであるスマートシティでは、ISO(国際標準化機構)の都市インフラ評価指標分科委員会で日本が幹事国となり、日立から国際議長として市川芳明が活動しています。また、電気エネルギー貯蔵システムでは、日立は株式会社東芝と共にトップスタンダード制度*3を活用し、IECへの専門委員会設置と日本の幹事国就任に貢献しました。
日立グループの標準化委員会体制図

日立は、充実した発明報奨制度により研究・開発の第一線で働く社員の発明意欲の向上を図っています。報奨金額の基準を設定し、社員に公開しているほか、支払われた報奨金に関する問い合わせや意見聴取に応じる制度を設けるなど、公正で透明性のある制度運営を行っています。
知的財産権本部に制度の企画・運用を担当する専任部門を設け、さらに発明管理委員会(研究開発・法務・勤労・知財の委員で構成)を設置して日立グループ全体の発明報奨制度の適切な運用に努めています。具体的な制度としては、発明者と特許の実施部門とのコミュニケーションを促進する「発明情報システム」を構築し、発明者自身が実施情報を事業部門に問い合わせたり、実績報奨金の算定根拠を確認できるようにしています。また、発明者が報奨金額に納得できない場合は、直接その意見を聞く機関として発明報奨裁定委員会(構成は発明管理委員会と同様)を設置しており、透明性を高め、納得を得るように努めています。
2005年度からは「実績報奨金年間トップ100」の社長表彰を実施し、2006年度からは35歳以下の発明者を対象に、入社後5年間の「出願報奨金受領金額上位50」を発表し、表彰しています。