ページの本文へ

Hitachi

企業情報CSRへの取り組み

サプライチェーンマネジメント

調達方針の策定と共有

日立製作所では、国連グローバル・コンパクトの原則に則り、雇用と職業における差別の撤廃、児童労働・強制労働の排除、環境保全活動を遵守項目に加えた「購買取引行動指針」を調達基本方針として定めています。サプライチェーンにおけるグローバルな課題をグループ各社と共有しながら調達活動を行い、グループ各社もこの指針に則って活動しています。サプライヤーとの新規取引にあたっては、「購買取引行動指針」に基づいた選定を徹底しています。
また、2016年度は「日立サプライチェーンCSR推進ガイドブック」(2009年度改訂)を「日立グループ サプライチェーン CSR調達ガイドライン」として全面改訂しました。本改訂では、電子業界CSRアライアンス(EICC)が2016年1月に改訂した「Code of Conduct Version 5.1」の内容を参考に「日立グループ行動規範」の内容を加味しています。本ガイドラインは、ビジネスユニット(BU)およびグループ各社のサプライヤー合計約30,000社に配布し周知徹底を図るとともに、内容を理解した旨を書面で入手しています。1次サプライヤーに対しては、2次サプライヤーに対して本ガイドラインに定めた事項についてその内容を遵守しているか確認するよう求めています。
本ガイドラインは今後も定期的に更新し、企業のサプライチェーンマネジメントに対する国際社会からの要望を常に取り入れたいと考えています。

日立製作所購買取引行動指針

本指針は、当社業務運営に必要な材料・製品・サービス・情報を外部より調達するにあたり、当社の役員及び従業員が遵守すべき行動の基準を示すものである。

  1. 購買取引においては「日立製作所企業行動基準」をすべての行動の基本とする。
  2. 購買取引先と良きパートナーシップを築き、以下の事項に留意し、長期的観点より相互理解と信頼関係の維持向上に努める。
    1. すべての購買取引先に公平に対応し、特定の取引先を有利に、あるいは不利に扱ってはならない。
    2. 購買取引先との公正な取引関係を尊重し、正常な商慣習に照らして不当な行為により、取引先に不利益を課してはならない。
    3. 購買取引において知り得た購買取引先の営業秘密は厳格に管理し、機密の保持に努める。
  3. 広く世界に目を向け、最適な購買取引先を開拓し、競争の維持に努める。特に以下の事項に留意する。
    1. 新規に取引を希望する企業等の申入れに対しては誠実に対応し、進んで取引品目等に関する情報を開示する。
    2. 継続する購買取引においては、購買取引先の適格性を定期的に見直し、他の取引先より有利な取引の可能性について検討する。
  4. 購買取引先の選定は、資材の品質・信頼性・納期・価格、および取引先の経営の安定性・技術開発力等に加え、公正で透明性の高い情報開示、法令および社会的規範の遵守、人権の尊重、雇用と職業に関する不当な差別の撤廃、児童労働や強制労働の排除、環境保全活動、社会貢献活動、働き易い職場作り、ビジネスパートナーとの社会的責任意識の共有等の社会的責任を果たしているかを十分に評価した上で、以下に定める事項を遵守し、所定の手続きを適正に行なうものとする。
    1. 明らかに購入する意思のない見積り要請は行わない。
    2. 社内手続きにおいて、購入仕様、契約条件、および受領(検査)を決定する権限と責任は、それぞれ要求元部門・購買部門・検査部門に属する。
    3. 購買取引先との契約は、購買部門が当社を代表して行う。
  5. 購買取引に関して、購買取引先から個人的給付を受けてはならない。

(2009年改定)

CSRサプライチェーンマネジメントの推進体制

ビジネスがますますグローバルに進展する中、サプライチェーンにおける調達リスクが経営問題につながる可能性が増大しています。日立では、できる限り事前に当該リスクを把握し、軽減するよう努めています。
日立製作所では、社長直属の組織であるバリューチェーン・インテグレーション統括本部においてCSRサプライチェーンマネジメントおよびグリーン調達に関する方針や施策を審議しており、役員相当職であるCPO(Chief Procurement Officer)が本部長を務めています。当本部で審議・決定した事項はBUおよび主要グループ会社のCSR・グリーン調達委員からなる「日立グループCSR・グリーン調達委員会」を通じて、日立グループ全体への徹底を図っています。
また日立の方針をサプライヤーと共有するために、これまでのWebサイトでの情報発信、CSRモニタリング(自己点検)、CSR監査などの施策に加え、2015年度からは対面式でサプライヤーに直接情報を伝える取り組みを開始しました。最新の活動として2017年1月、日立グループ中国パートナーCSR・グリーン調達説明会を深センで開催し、32社45人が出席しました。
日立からはCSRの基本的な考え方、CSR監査状況、中国環境法規制動向とその対策などを説明しました。出席者からは 「企業はモノづくりだけではなく、多方面で社会的責任を果たしていくことが大事だと感じた」「利益を得るだけがすべてではなく、環境法遵守の重要性を感じた」などの意見が上がり、日立が取り組むCSR・グリーン調達への理解を深めてもらうことができました。

日立グループ サプライヤー社数
(2016年12月現在)
30,000 (66カ国)

サプライチェーンマネジメント組織体制

日立製作所 社長のもとに、バリューチェーン・インテグレーション統括本部が配置され、CSR調達・グリーン調達に関する方針を策定。調達窓口向け会議として日立グループCSR・グリーン調達委員会(2回/年)が、調達責任者向け会議としてCPO協議会(1回/隔月)、地域調達会議(中国・アジア・インド 2回/年、欧州・米州 1回/年)、グループ調達戦略会議(2回/年)、目標価格会議(2回/年)が設けられ、BU調達メンバーおよび主要グループ会社調達メンバー全員に徹底・実行されています。

グリーン調達の推進

環境保全に取り組むサプライヤーから環境負荷が低減された部品や材料を調達するためには、環境に配慮したモノづくりの考え方をサプライヤーと共有することが不可欠です。日立では地球環境に配慮した部品・製品の調達に関する基本的な考え方や、サプライヤーへの要望事項を、他社に先駆けて1998年度に「グリーン調達ガイドライン」にまとめ、サプライヤーとともにグリーン調達を推進しています。
「グリーン調達ガイドライン」は、サプライヤーの環境保全活動に関する事項(環境経営体制の確立、認証規格の取得推奨など)や、日立への納入品についての環境負荷低減に関する事項(省資源、省エネルギー、リサイクル、製品含有化学物質の適正管理、適切な情報提供など)を遵守するよう要請するものです。
化学物質に関する規制は世界的に強化される傾向にあります。製品含有化学物質に対する各種規制、特に欧州連合(EU)域内の化学物質管理を規定するREACH規則で指定された制限物質、認可物質、高懸念物質(SVHC)へ対応するため、日立では2013年度にガイドラインの管理対象物質区分を見直し、① 禁止物質への変更、② 管理物質の細分化、③ 業界団体リストの採用を実施しました。従来のグリーン調達ガイドラインをバージョン8.4として改訂し、BUとグループ各社を通じてサプライヤーに配布し、周知徹底を図りました。
さらに、インターネットを活用したグリーン調達システム「AGree' Net」を構築し、製品に含まれる化学物質の情報など、環境に関する情報をサプライヤーから随時入手し、適切な管理を実施しています。同システムでは、アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)*1が公表している報告様式「MSDSplus*2/AIS*3」をサプライヤーに推奨し、情報伝達の円滑化・省力化に努めています。

*1
アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP):JAMP(Joint Article Management Promotion-consortium)は「アーティクル(部品や成形品などの別称)が含有する化学物質などの情報を適切に管理し、サプライチェーンの中で円滑に開示・伝達するための具体的な仕組みをつくり普及させることが、日本の産業競争力の向上には不可欠である」という認識、理念に賛同する17の企業が2006年9月に結成した、業界横断活動を推進する団体
*2
MSDSplus:川上企業(化学メーカー)が川中企業(成形品メーカーなど)向けに作成する含有化学物質情報様式
*3
AIS:MSDSplusの情報をもとに川中企業が川下企業(組立メーカーなど)のために作成する含有化学物質情報様式

紛争鉱物への対応

日立では、2013年9月に「日立グループの紛争鉱物調達方針」を策定しました。これに基づいて作成した「サプライヤー皆様へのお願い」をWebサイトに掲載し、取り組み姿勢を明確に表明しました。
2016年度には、この方針を改訂し日立グループは紛争鉱物を含んだ部材の調達によってコンゴ民主共和国およびその周辺国の武装集団に利することがないよう、国際的なガイドラインに基づいた調査の実施など、責任ある調達活動に取り組むことを明記しています。

日立グループの紛争鉱物調達方針

紛争鉱物

アフリカ大陸の中部に位置するコンゴ民主共和国(Democratic Republic of the Congo)、およびその周辺国(DRCおよび周辺国)には多くの種類の鉱物資源が埋蔵されています。例えば電子部品をプリント基板に固定するはんだなどに含まれるスズ、コンデンサなどに含まれるタンタル、超硬材料などに含まれるタングステン、電子部品のリードフレームなどに使われる金の鉱石などがあります。現地の住民らはそれらの鉱石を採掘し、仲買人やトレーダーはそれらを海外に輸出することによって貴重な外貨を得ますが、その外貨の一部を同地域で紛争や人権を侵害する行いを繰り返している武装集団が強制的に徴収して武器を購入するなどの活動資金に当てていることが大きな問題になっています。このために上記した鉱物は"紛争鉱物"と呼ばれています。

調達の方針

日立グループは、紛争鉱物を含んだ部材を調達することによって同地域の武装集団の活動を助長することがないように責任ある調達活動に取り組んでいくことを方針として掲げています。また同時に「OECD紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデューディリジェンスガイダンス」を尊重し、その内容に基づいてより詳細な調査にも取り組んでいます。そしてサプライヤー各社に対しては、EICC/GeSIが開発したConflict Minerals Reporting Template(紛争鉱物報告書)を活用し、鉱物の原産国およびサプライチェーンに関する調査を継続していくと同時に、CFS*1Conflict Free Smelter)からの調達も要請していきます。

*1
CFS:紛争鉱物問題に取り組む団体であるEICC/GeSIが設立した組織であるConflict-Free Sourcing Initiative(CFSI)が「同地域での紛争に関わっていない」と認定した製錬業者のこと

グローバルパートナーシップの強化

サプライヤーとのパートナーシップに基づくバリューチェーンの競争力強化は「日立グループ・ビジョン」を支えている取り組みの一つです。グローバルでのビジネス拡大という事業方針に対応するためには、地産地消の拡大を前提とした調達拡大が求められます。
日立では2011年度に世界4地域(中国・アジア・欧州・米州)それぞれに現地での調達活動を統括する「地域調達責任者」を設置しました。2013年度にはグローバルサプライヤデータベースを構築し、2014年度には日立グループ(当時)のプロフェッショナル・サービス機能(日立ハイテク、日立キャピタル、日立物流)を活用した新たなグローバル調達スキームを構築しました。新興国におけるサプライヤーの開拓を推進するとともに、サプライチェーンがグローバルに拡大する中で発生が懸念されるCSR関連のリスクへの対応を強化しています。

主要地域の資材調達高における当該地域産品の比率

中国64%、アジア64%、欧州83%、米州69%

CSRモニタリング(自己点検)の実施

日立のCSRサプライチェーンマネジメントに対する考え方が、どの程度浸透しているかを確認するため、2007年度よりJEITA版の「サプライチェーンCSR推進ガイドブック」および「チェックシート」を用いて主要サプライヤーにCSRモニタリング(自己点検)を依頼しています。
回収した結果は分析して当該サプライヤーと取引のある事業体にフィードバックし、事業体を通じてサプライヤーに対して課題の改善を促しています。
2011年度からは対象を中国・アジア地区のサプライヤーにも拡大し、2016年度は国内外サプライヤー316社に対しCSRモニタリング(自己点検)を依頼しました。
また、「日立グループ サプライチェーン CSR調達ガイドライン」の改訂に合わせて、従来のチェックシートの質問項目を全面的に見直し、サプライヤー各社が抱える課題をより具体的に把握できるようにしました。2017年度以降は改訂版のチェックシートを用いて主要サプライヤーから順次CSRモニタリング(自己点検)を実施していきます。

サプライヤーのCSRモニタリング(自己点検)回収状況

サプライヤーのCSRモニタリング(自己点検)回収状況
年度 日本国内のサプライヤー(社) 海外サプライヤー(社) 合計(社)
2012 57 41 98
2013 55 45 100
2014 0 200 200
2015 0 218 218
2016 198 118 316
累計*1 310 724 1,034
*1
累計には2011年度の調査結果も含む

CSR監査の実施

日立製作所では2012年7月より、中国・アジア地区にある自社ならびにグループ会社のサプライヤーの製造拠点を訪問してCSR監査を実施しています。
2016年度も、中国・アジアのサプライヤー20社に対して同監査を実施しました。実施にあたっては、CSR監査の経験が豊富なインターテック・サーティフィケーション*1の支援を受けています。監査では米国のCSR評価機関である「ソーシャル・アカウンタビリティ・インターナショナル」の就労環境評価の国際規格「SA8000」に基づき、EICC公認の監査員が「労働・人権」「安全衛生」「環境」「倫理」を中心とした観点からサプライヤーのCSR施策取り組み状況を点検しています。2016年度は監査の結果、当該20社に重大な違反事項は認められませんでしたが、法定残業時間を超えた就業(20社のうち19社)、機械設備の定期点検未実施(20社のうち6社)、危険廃棄物の管理不十分(20社のうち9社)など細かな部分において是正が必要な事項も散見されました。該当するサプライヤーに対しては「改善実施計画表」の提出を義務づけ、その計画に基づいた改善が完了するまで、日立製作所とグループ会社からフォローとアドバイスを継続しています。

*1
インターテック・サーティフィケーション:世界100カ国以上で、あらゆる産業分野にわたり、幅広い認証サービスを提供する会社

事務用品でもグリーン購入比率を拡大

日立では、グループ各社で共通して事務用品を購入できるインターネットシステム「e-sourcing Mall」を運用し、環境に配慮した事務用品の購入比率であるグリーン購入比率の拡大を図っています。具体的には同システムで購入できるグリーン対象品目数を増やすとともに、画面上に対象品目であることを明示してその購入を促しています。2016年度の購入比率は88%に達しています。

人権デュー・ディリジェンスの実施

2015年度より日立グループ調達部門では、「日立グループ人権方針」に基づいた人権デュー・ディリジェンス(HRDD)に取り組んでいます。NPO「Shift」にコンサルティングを依頼し、日立製作所コーポレート部門の調達部門およびCSR部門を中心に、社内カンパニー2社、グループ会社4社の調達部門およびCSR部門、日立アジアのCSR部門でワーキンググループをつくり、サプライチェーンにおける人権リスクの評価、優先度づけ、リスク軽減のための対策を検討しました。
2016年度は、2015年度のHRDD活動から導き出された結果を踏まえるとともに、Hitachi Europe、日立(中国)、そして社外の専門家などさまざまな国や立場の人の意見を取り入れながら、「日立グループ サプライチェーン CSR調達ガイドライン」を全面的に改訂しました。
2017年度以降は、さまざまな視点からの意見を取り入れてチェックシートを改訂し、サプライチェーン上のリスクを未然に防ぐために有効活用していきます。こうした従来の取り組みを強化・改善する一方、チェックシートから得られた結果をもとにサプライヤーとのコミュニケーションを深めています。また、社外専門家とも協働しながら、サプライヤーの日立グループ調達部門の期待値への理解の促進に努め、そのために必要なキャパシティビルディングなども同時に進めていきます。

サステナビリティレポート ダウンロード

Adobe Readerのダウンロード
PDF形式のファイルをご覧になるには、Adobe Systems Incorporated (アドビシステムズ社)のAdobe® Reader®が必要です。