今回は、日立の製造現場を取材、現代のモノづくりを支える「匠の技」を紹介します。削ったり、曲げたり、固めたり、くっつけたり。最新のロボットやコンピューターもあれば、昔ながらの職人技も健在。日々、つくり、学び、伝えられていく技術をリポートするとともに、モノづくりの課題や意味を考えます。
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1溶接する/2設計する/3切削する/ 4試作する/5伝承する/6曲げる/ 7塗る・磨く/8改善する
[対談] 現代モノづくり考 佐々木正人×美馬のゆり
[座談会]モノづくり力の時代 天田満明×寺本義也×清水盾夫
結晶の世界 小林健二
1
刻々変化する水害状況を、パソコン上でリアルタイムに シミュレーションする 山口悟史(日立製作所 中央研究所)
2
ダブルスキン構造とFSW技術で、これからのアルミ車両の スタンダードを提案した「つくばエクスプレス」 石川彰弘(日立製作所 電機グループ 交通システム事業部)
3
身の周りのエコエネルギーを発掘する「やまホタル構想」 酒井孝寿(日立産機システム 産業システム事業部)
鈴木理策「サント・ヴィクトワール山」
エレベーター・エスカレーター ――人の流れを支える立体の道
MEMS――小さな賢い機器が生活を豊かにする 河添宏(日立総合計画研究所)
過酷な状況下で使用される発電設備や超大型建設機械を溶接していく、熟練の技。
コンピューターで立体モデルをつくり、その加工方法まで設計してしまうCAD/CAMシステム。
鉄の塊から、複雑な曲面形状を100分の1mm単位の精度で削り出す。
樹脂をレーザー光で固め、どんな複雑な形でも試作品化できるRP(Rapid Prototyping)技術。
熟練者の匠の技をデジタルコンテンツ化し、指導ツールやデータベースとして活用する日立「e-Meister活動」。
熟練者の曲げ感覚をNCデータ化してプレス機に入力、作業効率が飛躍的にアップ。
美しく滑らかな塗装面に仕上げるための、塗りと磨きの名人技。
ITを駆使して生産工程を「見える化」。リアルタイムで機械の稼働状況を監視し、生産効率を向上。
●[対談] 現代モノづくり考 ◎佐々木正人(東京大学大学院教授)×美馬のゆり(日本科学未来館副館長)
環境から誘発される人間の行為について考察するアフォーダンス研究の第一人者である佐々木正人氏と、情報アーキテクチャーの研究者であり、科学技術の学びの場に携わる美馬のゆり氏が、人にとってのモノづくりの意味を考察します。
●[座談会]モノづくり力の時代
一見、対極にあるアナログ型とデジタル型の技術をすり合わせ、ともに磨き上げていくこと。ハード、ソフトづくりだけでなくサービスまで含めた、顧客第一主義のモノづくりへ。モノづくりを基盤とした製造業の改革が始まっています。
[エッセイ] 技術に会う 3 結晶の世界 小林健二
「幼いころから透質のものが好きでした。さざれた硝子の破片や透明性さえあればとりあえず何でも好きになったのです。プラスチック製の宝石も消しゴムも、クラゲや下敷きでさえ、そのようなものたちを光に透かして見ているのが好きだったのです。ですから科学博物館で水晶と出合ったときは、まさに心を奪われたという感じでした……」 長じて小林さんは「鉱石ラジオ」の制作を手がけることとなり、クリスタルイヤフォンを自作するなかで、結晶づくりに魅入られていくのです。 日々の暮らしのなかでの「技術」との出会いを、毎回さまざまな方がつづります。
[トーク]
日立グループのさまざまな取り組みや業界の最新動向を、キーパーソンの「talk(語り)」を通して紹介します。さらに「talk」のテーマを、「+(プラス)」で写真やダイアグラム、図鑑などに展開。
刻々変化する水害状況を、 パソコン上でリアルタイムにシミュレーションする 日立製作所中央研究所は、(財)日本気象協会首都圏支社と共同で洪水シミュレーションを開発しました。これは、堤防が決壊した場合、いつ、どこでどのくらい浸水するかを、パソコンを用いて、日本全国の地域でリアルタイムにシミュレーションできるシステムです。計算領域を絞ったことで、従来の洪水シミュレーションよりも格段に速く、正確な結果が得られるこのソフトは、洪水予報や避難情報の住民への提供に役立てられるものとして、大いに期待されています。「+」では、実際のシミュレーション画像を掲載。堤防が決壊し、浸水していく様子を時系列に紹介。
ダブルスキン構造とFSW技術で、これからのアルミ車両の スタンダードを提案した「つくばエクスプレス」 今年8月に開業した、つくばエクスプレス。秋葉原・つくば間の58.3kmを最短45分で結び、最高時速は在来線としては最も速い130km。日立は、交流・直流区間をまたがる「秋葉原・つくば」間専用車両の開発を取りまとめました。リサイクル率の高いアルミ合金の「ダブルスキン構造」ボディ、継ぎ目のない溶接技術のFSW(摩擦撹拌接合)、高速運転を可能にする主回路電機品などの新技術を導入し、これからのアルミ車両のスタンダードを提案しています。「+」は、車両の図面、写真、路線断面図を組み合わせた「つくばエクスプレス図鑑」。
身の周りのエコエネルギーを発掘する「やまホタル構想」 日立産機システムは、身近にある水力、風力、太陽光などの「再生可能エネルギー」に注目しています。たとえば「日立エネルギー回収システム」は、工場やビルの配水管に取りつけ、水車を回して発電するマイクロ水車発電システム。こうした身の周りのエコエネルギーを発掘し、ソリューションとして提案するのが「やまホタル構想」です。その究極の目標は、エコエネルギーを核として、自然と工場、自然と都市の融合を図っていくこと。「+」は、1880(明治13)年から2030年の日本の一次エネルギー供給の推移と予測をグラフ化。
[写真] technobscure 3 鈴木理策 「サント・ヴィクトワール山」
カメラというテクノロジーの目を通して表象される隠れた自然のメカニズム、人工物に内在するダイナミズム――。 今回は、カメラでしか得られない視覚表現にこだわり、その場のもつ空気感や気配を表現してきた鈴木理策さんの作品。被写体は、セザンヌが描いた山として知られる「サント・ヴィクトワール山」。
[ルポルタージュ] 永瀬唯の サイエンス・ パースペクティブ 3
科学・技術に造詣の深い作家・永瀬唯氏が日立グループの製造現場や研究施設を歩き、レポートします。
第3回は、エレベーターやエスカレーターの製造を担当する都市開発システムグループの水戸ビルシステム本部。高速化や省エネ化、乗り心地などの追求、さらにユニバーサルデザインにもとづく「万人に優しい立体の道」へ。エレベーター・エスカレーターの進化をたどります。
[コラム] 日立総研 CLICK ON! research report 3 河添宏 (日立総合計画研究所 副主任研究員)
MEMS――小さな賢い機器が生活を豊かにする 日立総合計画研究所のインターネット番組「HANDSHAKING」と連動し、最新の研究レポートをコラムとして紹介します。 http://www.hitachi-hri.com/handshaking/ インクジェットプリンターやデジカメの手ぶれ感知センサーなど、いまや身近な生活機器にも使われ始めたMEMS(Micro Electro Mechanical System=微小電気機械システム)のビジネスとしての可能性を、「ベンチャー」「産学協同」から検討します。
[ニュース] HITACHI Information
[web] 映像で見る日立の最新情報「HITACHI NOW 2005」新メニューを追加 [Security] ドアハンドルを握るだけで本人認証するグリップ型の指静脈認証技術を発表 [Projector] 高コントラスト、高輝度を実現した、ハイビジョン対応液晶プロジェクターWooo「PJ−TX200J」を発売
生ごみ処理機「キッチンマジック」
室内置き生ごみ処理機 キッチンマジックECO-B25 最大処理量約2.5kg
室内置き生ごみ処理機 キッチンマジックBGD-V18 最大処理量約1.8kg