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ホーム > uVALUEの世界 > 時間と空間を超えて美と感動を伝達するデジタル・イメージ・システム(DIS)

美術館や博物館などに所蔵されている絵画や文化財。
日立は、これらの貴重なコンテンツが持つ情報を余すことなく取り出し、デジタルテクノロジーによって再現する「DIS(Digital Image System)」と呼ばれる技術の研究・開発を推進してきた。
単にコンテンツを保存し、再利用するだけでなく、「時間と空間を超えて美と感動を伝達する」をコンセプトに、本物そのものの価値を現在から将来へと継承していくことを目指している。

平安時代そのままの姿に再現された源氏物語絵巻

神内俊郎
DISを牽引する神内俊郎。「DISで追求しているのは、芸術と学術と技術の融合した世界なのです」と、熱く語る。

 絵柄の一部が二千円札のデザインに使用されたことでも知られる「源氏物語絵巻」。平安時代に制作された日本最古の絵巻であり、まさに国宝の中の国宝である。軸長二八センチ、全長1.7メートルの「鈴虫(二)」および1.4メートルの「夕霧」。この貴重な絵巻が、日立テクノパーク横浜(横浜市戸塚区)ショールームに展示されている。それを我々は、実際に手にとって鑑賞することができるのだ。しかも、望むならば購入することも可能なのだという。試作開発センターのセンター長であり、イタリア・フィレンツェ大学の客員教授および国際DIS研究所の所長を務める神内俊郎は、次のように語る。
 「もし、海外企業の経営トップなど、VIPクラスのお客さまへの贈り物で悩まれているのなら、ぜひ私たちにご相談ください。源氏物語絵巻は、これ以上ない最高の贈り物となることでしょう」
 なぜ、日立にこのようなことが可能なのだろうか。普通に考えれば、わが国のかけがえのない文化遺産を、一企業の独断で海外に流出させることなど許されるはずがない。
 もうほとんどの方がお気づきのことと思うが、この源氏物語絵巻は「本物」ではない。本物は徳川美術館に一六段、五島美術館に四段がそれぞれ保存されており門外不出となっている。そもそも源氏物語絵巻は、詞書(ことばがき)と絵の部分が分割保存されており、制作された当時のままの巻子に装丁されたものは、今の世の中に存在しない。
 ここにある源氏物語絵巻は、実は日立の手によって「復元」されたものである。もっとも、その精度の高さは単なる複製品のレベルをはるかに凌駕している。長い年月を経て失われてしまった平安時代の鮮やかな色彩や質感が、そこには見事なまでに忠実に再現されているのである。

日本最古の物語絵巻である「源氏物語絵巻」日本最古の物語絵巻である「源氏物語絵巻」。DIS技術によって、制作された平安時代のままの鮮やかな色彩、巻子に装丁された姿が再現された。国宝中の国宝を手にとって鑑賞することが可能となった。

機関誌「Uvalere(ユーヴァレール) Vol.4より
文=小山健治(ジャーナリスト)  写真=吉江好樹

記載の情報は取材時点のものです。

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