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ホーム > uVALUEの世界 > 日立モノづくりにおける進化の系譜

モノづくりの進化は、突然変異によって実現するものではない。長年にわたって培った多彩な技術やノウハウが集積され、さらにそこにITという後ろ盾を得ることによって成し遂げられるシステム系の産物ともいえる。
本項では、日立が手がけている原子力プラントや医療系の画像診断装置におけるモノづくりを取りあげ、その進化の姿を探った。

第四世代に突入したプラント設計エンジニアリング

 日立が手がけている原子力プラントのエンジニアリングは、構成機器総数1200〜1600基、配管総延長100〜120キロメートル、設計着手から運転開始まで9〜10年を要する大規模プロジェクトである。一人の人間が持っている能力では到底およびもつかない世界だ。設計、機器製作、据え付けから、耐圧試験、各種付帯工事、系統移管、試運転、運転、保守・保全まで、多様な領域にまたがる多くの技術者の知識と経験、ノウハウを結集した総合力によってはじめて成し遂げられる巨大な“モノづくり”と言えよう。
 まず、これまでのプラント設計エンジニアリング手法の変遷を簡単に振り返ってみたい。
 1970年代の半ば頃までの第一世代におけるそれは、手書き図面によって行われていた。その枚数は、A4サイズの図面換算で実に約19万枚にも上っていたという。そして1980年代に入ってからは、プラントを10分の1〜25分の1に縮尺したプラスチックモデルを利用して設計を行う第二世代に移行した。
 ところが、こうした手づくりを主体とした設計では、次第に対応しきれない状況を迎えたのである。原子力であるがゆえの高品質要求、設計の高速化と変更への即応、工期短縮やコスト削減の要求にともなって迫られる工法変革への対応、熟練技術者や現場経験者の減少にともなうエンジニアの世代交代、電力会社や建設事業者との調整業務の拡大など、原子力プラント建設を取り巻く環境の変化がその背景にある。
 そうした中で取り入れられていったのが、急速な進歩を遂げてきたITだったのである。1980年代の半ば頃からプラント計画に3次元CAD(Computer Aided Design)のシステムが導入され、プラント設計エンジニアリングは第三世代に移行した。さらに、1990年代に入って、3次元CADをベースとするITはその適用領域を設計のみならず設備の製造や施工にも拡大。現在のエンジニアリングは、プラント統合CAE(Computer Aided Engineering)と呼ばれるシステムを全面的に活用する第四世代に突入している。

3D‐CADによってモデリング原子力プラントを構成するさまざまな機器や設備、配管などが、3D‐CADによってモデリングされ、視覚化されており、プラントの基本設計からモジュールの製造、建設、保守に至るまで、エンジニアリングの工程をサポートする。

機関誌「Uvalere(ユーヴァレール) Vol.2より
取材・文=小山健治(ジャーナリスト)  写真=中川カンゴロー・吉江好樹

記載の情報は取材時点のものです。

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