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言葉は絶えず変化を遂げています。今までにない新しい言葉が流行語になることもありますし、既にある言葉に新しい意味が加わることもあります。

たとえば、ルックスの良い男性が「イケメン」と呼ばれたり、「ヤバい」という言葉が「スゴくいい」という意味で使われるようになったのは、ここ10年ぐらいのことではないでしょうか。今ではどちらも国語辞典に載るようになり、もはや単なる流行語の域を脱した感があります。

英語では、流行語のことを "buzz word" または "buzz phrase" といいます。今回みなさんに紹介する "going forward" も、元々はそのようなバズワードの一つだったのかもしれませんが、今ではインターネットの辞書サイトにも掲載されています。

近年、英語圏では多くのビジネスパーソンが「going forward」という言葉を好んで使うようになっています。メールや会議でも使われますし、プレゼンテーションで使われることもあります。たとえばこんな感じです。

Going forward our strategy is to focus on business growth and customer satisfaction.

(注) strategy: 戦略 focus on: 集中する customer satisfaction: 顧客満足

We need to build a sustainable business model going forward.

(注) sustainable: 持続可能な business model: 事業モデル

この2つの文章で、going forward はどんな意味を表しているのでしょうか?

単語自体は中学校で習うレベルの英語で、とても簡単ですね。おそらくほとんどの皆さんが「前進する」と答えると思います。しかし、上記の文章で going forward を「前進する」と訳すと、なんだか今ひとつスッキリしませんね。

それでは正解です。

Going forward our strategy is to focus on business growth and customer satisfaction.

今後は、事業成長と顧客満足に注力することが我々の戦略となる。)

We need to build a sustainable business model going forward.

今後我々は、持続性のあるビジネスモデルを構築する必要がある。)

英語圏では、going forward が「今後」という意味で使われることが増えています。たしかに言われてみれば、私たちが前進したその先に待ち構えているものは、過去や現在ではなく、今後の未来ですよね。

このような going forward の使い方は、政治家の間にも広まっていて、一国のリーダーである大統領でさえもスピーチで使うことがあるそうです。ただし、ネイティブの中には、このような用法に違和感を感じている人もいますので、そのことは頭の中に入れておいた方が無難です。たしかに「前進する」という言葉には前向きでポジティブな響きがありますが、「必ずしも実体を伴うとはかぎらないので胡散臭い」というネイティブも少なからずいます。

「今後」という意味の英語は、ほかにも from now on、in the future がありますが、実はまだこれ以外にもあります。日本人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、down the roadというフレーズも、メールや会議などでよく使われます。

As our business environment continues to change, we anticipate that we will have to set up a new business plan down the road.

(我々を取り巻く事業環境は変化しているので、今後新たな事業計画の立案が必要になる。)

ここでは down the road は「今後」という意味であり、road には道路という意味がありません。ですが、道を進んだその先に「今後の未来」があるとしたら、down the road がどうしてこのような意味になるのかは理解できるような気がしますよね。

■今回のおまけ

日本の大学では、in the futurein future の意味の違いが入学試験の問題として出題されることがあるようです。受験対策の教科書などでは、その違いが次のように説明されています。

・in the future = 将来のある時点で (at some time in the future)
・in future = これから先 (from now on)

たしかにネイティブの中には、これと同じ意見の人もいます。
しかし実際には、次のような意見のネイティブもたくさんいます。

・in the future = アメリカ英語
・in future = イギリス英語
・どちらも意味は大して変わらない

受験対策の教科書が間違っているわけではないでしょうが、必ずしも世界中のネイティブの感覚と完全に一致しているわけではないようですね。

今回の記事はこれで終わりです。最後まで読んでいただき有難うございました。