ページの本文へ

Hitachi

ソフトウェアミドルウェア&プラットフォームソフトウェア

このコラムでは、いままで4回にわたって、とても簡単な英語なのに日本人が意外と使いこなせない英語表現を取りあげてきました。今回はちょっと趣向を変えて、和製英語について取りあげてみます。

日本人は英語だと思い込んでいるけれど、実は英語として通用しないカタカナ言葉がたくさんあります。そのような変な英語は、プライベートの場ならともかく、仕事の場では使いたくないですよね。


高橋さんの会社では、全社のパソコンのブラウザをバージョンアップすることになりました。

高橋さんのチームにはJohnさんというアメリカ人がいて、Johnさんのパソコンにはブラウザがインストールされています。高橋さんはJohnさんにバージョンアップをお願いしようとして、英語でこう切り出しました。

高橋:
Please version up the browser.
John:
What?
高橋:
えーっと… Version up the browser, please.
John:
???

Johnさんは眉をひそめて怪訝そうな顔をしています。高橋さんの表情はみるみるうちに曇り始めています。なんだか気まずい雰囲気です。

そのとき、Johnさんが何かひらめいたように突然こう言いました。

John:
Are you talking about a version upgrade ?
(Version upgrade のことですか?)

実は、「バージョンアップ」という言葉は和製英語です。日本人にはversion upで通じますが、英語圏ではそのような言い方をしません。あたかも英語のように聞こえますが、version upはもはや日本語だといってもいいでしょう。

Johnさんは続けてこう言いました。

John:
Do I need to upgrade the browser? Do I need to upgrade from version 10 to 11?
(ブラウザをバージョンアップしてほしいという話ですか?バージョンを10から11へ上げればいいですか?)

「バージョンアップ」という和製英語は、正しい英語では「version upgrade」または「upgrade」になります。

ちなみに、新しいバージョンのソフトウェアをアンインストールして、古いバージョンのソフトウェアをインストールし直すことを「バージョンダウン」ということがありますが、これも和製英語です。正しい英語は「version downgrade」または「downgrade」になります。

ほかにも和製英語はたくさんありますが、ビジネスの世界でよく使われている和製英語の例を2つご紹介します。「アフターサービス」と「フリーダイアル」です。

アフターサービスにつきましては、フリーダイヤル 0120-xxx-xxxx までお問い合わせください。

 ×
For the after service, please call the free dial number
0120-xxx-xxxx.
 ○
For customer service, please call the toll-free number
0120-xxx-xxxx.

私たちが英語だと思い込んでいる言葉が実は正しい英語ではないというケースは、ほかにもいろいろあります。ビジネスで英語を使うのであれば、このような言葉に遭遇したときには、辞書を使ってちゃんと確認することが大切ですね。

■今回のおまけ

英語は世界の共通語とも呼ばれ、さまざまな国と地域でコミュニケーションの手段として用いられています。英語のネイティブスピーカーは世界中に約4億人いるそうですが、ネイティブでなくても英語を使える人の数は10億人を超えるそうです。

それほどまでに世界では英語が広まっていますが、母国語が英語でない国では、英語が本来とは違う意味合いで使われることがあります。英語のtoll-free numberが日本で「フリーダイアル」と呼ばれているように、正しい英語とは異なる英語が自国語に取り入れられるケースは、他の国でもあります。

たとえば、英語圏では携帯電話のことをcellular phone / cell phone / mobile phoneなどといいますが、ドイツでは Handy といいます。英語におけるHandyの意味は「手元にある」「便利な」です。たしかに携帯電話は、手元に置くことのできる便利な道具ですが、こういう英語の使い方をするのは日本人だけではないんですね。