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株式会社ノークリサーチ

見積書/発注書/請求書など、企業では様々な文書が日々やりとりされている。一定の書式に従って文書をやりとりする手段として、「帳票」は今日のビジネスシーンに不可欠な要素といって良いだろう。しかし、帳票がビジネスに欠かせないものであるとはいえ、喜んでそれに多額の費用をかける企業は少ないはずだ。むしろコストを最小限に抑えつつ、自社が求める書式を実現したいと考えるだろう。

そこで今回は「帳票活用におけるコスト」を改めて見直し、無駄な費用をかけずに帳票を活用するためには何に注目すれば良いか?について解説していく。

帳票アプリケーションが登場するまで

旧来、企業が利用する帳票出力の仕組みは大半が独自開発されたものだった。汎用的な業務システムパッケージがまだ普及していなかったため、データを出力する仕組みである帳票についても企業毎にゼロから作り込むのが一般的だったのである。そのため帳票活用にかかるコストの大半はシステム開発費が占めていた。

その後、帳票を生成する処理(業務システムから出力されたデータを読み込み、それを事前定義された書式に当てはめて文書イメージを生成する)に特化した「帳票出力モジュール」が登場した。

「帳票出力モジュール」があれば、文書イメージを生成する箇所のプログラミングを何度も行わずに済む。これによって帳票活用コストの大半を占めていたシステム開発費を軽減することができた。

だが、これでもまだ十分ではなかった。自社が求める書式を「帳票出力モジュール」に対し指定するためにはプログラミングに近い作業を行う必要があった。書式を修正する度に何らかのプログラミング的作業が発生するため、保守の観点まで含めた帳票関連のシステム開発費は依然として企業にとって少なからぬ負担となっていたのである。

この課題を解決するために登場したのが「帳票アプリケーション」である。

「帳票アプリケーション」では一般の企業ユーザがプログラミング的な作業を行うことなく、わかりやすい画面で自らが望む書式を手軽に定義することができる。書式に変更があった場合でも、マウス操作で簡単に修正を反映させることが可能だ。この「帳票アプリケーション」は今日広く普及した形態となっている。

このように帳票関連のソリューションはシステム開発費を削減することを目指して進化/発展してきたのである。

帳票活用における3つのコスト

ではシステム開発費を削減することによって、企業が抱える帳票活用におけるコストは全て解消されたのだろうか?実は帳票活用のためには以下の3つのコストが必要となってくる。

 
1. 帳票出力の仕組みを開発/構築するコスト
 
2. 帳票出力の仕組みを維持/管理するコスト
 
3. 自社の要件に合致した書式を判断/決定するコスト

帳票活用における3つのコスト

1つ目の「帳票出力の仕組みを開発/構築するコスト」は先に述べたシステム開発費に相当する。 したがって、現在は帳票アプリケーションを導入することでほぼ解消できるコストと考えて良いだろう。重要なのは残り2つのコストである。それぞれ順に見ていくことにしよう。

まず2つ目の「帳票出力の仕組みを維持/管理するコスト」とは帳票アプリケーションが稼働するサーバなどのハードウェアを安定稼働させるための作業コストを指す。帳票出力の仕組みも広い意味では一種の業務システムである。 そのため、それを稼働させるためのサーバが必要であり、それらサーバの維持/管理が必要となってくる。1台のサーバが複数の業務システムからの帳票出力を担っているのであれば、なおさら安定稼働のための配慮が必要となってくる。 障害を検知する仕組みの構築、障害発生時の対処手順の確認など、やっておくべきことは多い。だが、それらを全て自前でカバーしようとすれば、当然相応のコストがかかってくる。

こうした課題をクリアするために有効なのがSaaS(Software as a Service)の活用だ。SaaSというと、グループウェアやメールといった情報系のアプリケーションでの利用をイメージされる方が多いかもしれない。だが、帳票もSaaSとして利用可能なシステムの一種であり、実際に幾つかのサービスが既に提供されている。このように2つ目のコストに対してはSaaSの活用が有効だ。

帳票アプリケーションの導入により「1. 帳票出力の仕組みを構築するコスト」を解消し、それをSaaS形態に発展させることで「2. 帳票出力の仕組みを管理するコスト」への対処も可能となった。残るは3つ目のコストのみなのだが、実はこれこそが今回のテーマでもある「帳票活用コストの意外な盲点」に他ならない。以下で詳しく見ていくことにしよう。

帳票アプリケーションによって、既に書式が決まっている帳票を生成する仕組みの作成はプログラミング的な作業を伴わずに容易に行えるようになった。 しかし、「どんな書式の帳票にするか?」は企業が自ら決めなければならない。記載項目とその並び順、タイトル/社名/金額などといった重要項目の文字サイズと配置など、検討すべき事柄は山ほどある。

以前から利用していた書式をそのまま継承すれば良いと考えがちだが、以前の書式を完全に再現することは実は意外と難しい。下手に「帳票アプリケーションで書式設計するので、以前と全く変わりません」と言ってしまうと、非常に微妙な罫線のズレなどを指摘されることもある。かといって、ゼロベースで書式を決めるのも大変だ。

「帳票活用のコスト」というと1つ目や2つ目として挙げたシステム面のコストばかりに注目してしまいがちだが、実際にはこうした「ビジネス面での決め事」にかかるコストが無視できないのである。

書式の判断/決定に係るコストには「豊富なテンプレート」が有効

ではこの3つ目のコストに対処するためにはどうすれば良いのだろうか?

最も有効なのは「テンプレート」の活用である。あらかじめ定義された幾つかの書式のうち、自社要件に最も近いものを選択するという方法だ。ただし、ここで注意すべき点が一つある。企業が書式に求める要件は千差万別だ。見積書だけを取ってみても、企業が望ましいと考える書式のパターンには実に様々なものがある。そのため、「数十種類のテンプレート提供」といったのでは不十分であり、結果的にゼロベースで書式を決めるのと同じ手間がかかってしまう。

テンプレートによって3つ目のコストを解消するためには数百種類のオーダでのテンプレート提供が必要だ。それだけ豊富なテンプレートが揃ってはじめて、企業が個別に求める書式をカバーすることができるのである。

帳票活用におけるコスト削減手段

この「豊富なテンプレート」提供を実践している例が日立製作所の「帳票スクエア(新規ウィンドウを開く)」である。

SaaS形態の帳票サービスであるため1つ目と2つ目のコスト課題ももちろんクリアしている。提供されているテンプレート数は2010年8月末で約200となっており、2010年9月以降にも毎月100程度のペースで増えていく予定となっている。このように次々とテンプレートが増えていくことによって、新たなコストをかけずに帳票用途を拡大していけることが大きなポイントだ。

このように帳票活用においてはシステム面や機能面だけでなく、ビジネス面(今回の場合では「書式の判断/決定」)にかかるコストについても注意を向け、それらへの対処を考慮に入れた製品やサービスを選ぶことが非常に大切といえる。

特記事項

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