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企業の業務領域の中でも、創造性が求められるような非定型業務については、ITの利活用がさほど進んでいないと指摘されている。そうした状況を改善するためのITツールとして日立が提供しているのが、“次世代型コラボレーションポータル”と位置づけられている「Groupmax Collaboration グループマックスコラボレーション」だ。個人よりも集団での生産性向上を目的としている点に代表されるように、日本企業の文化と業務に則して開発されたGroupmax Collaborationは、日本型コラボレーションの新しいかたちを具現化するものだ。

非定型業務を支援する

銘苅正好の写真
日立製作所
ソフトウェア事業部
コラボレーションポータル
推進部長
銘苅正好

ビジネスとITが一体であるという認識が十分に広まった現在もなお、ITの利活用がなかなか浸透しない業務領域は存在する。その代表格が、人間の創造性が求められる、いわば非定型業務だ。

確かに、伝票処理に代表される定型業務は、各種業務ソフトウェアの進化によって大きく効率化が図られた。だが、企画立案や問題解決策の検討、さらにはその成果のプレゼンテーションといったような非定型業務の領域では、ITを使わない業務プロセスがいまだに主流であり続けている。

そうした状況を受けて、日立製作所のソフトウェア事業部でコラボレーションポータル推進部長を務める銘苅正好は、「企業の生産性を真に向上させるためには、定型業務だけではなく、非定型業務についても積極的にITを取り入れ、オフィスワーカーの知的生産性の向上を実現していくことが重要になる」と指摘する。そして、銘苅が、そうした非定型業務のIT化に大きな効果を発揮すると強調するのが、同社の次世代型コラボレーションポータル製品「GroupmaxCollaboration」である。

Groupmax Collaborationの概要

日立が考えるコラボレーションポータルの理想像

日立が提唱するコラボレーションとは、業務やプロジェクトごとに編成されたコミュニティに、有識者やエキスパートが組織の壁を越えて集い、互いに協調しながら作業を進めるという業務遂行のかたちをイメージしたものだ。各コミュニティのメンバーに求められる条件は、業務に必要な経験、スキル、情報、ノウハウを持ち合わせているということだけ。そのため、全員が同じ組織に属しているか、異なる組織にまたがっているかは関係はない。また、1人が複数のコミュニティに同時に属することも許される。

とはいえ、コミュニティは企業における通常の組織とは異なるかたちで存在するため、協調して作業を行うための“仕事場”が必要になる。これを「ワークプレース」としてネットワーク上で仮想的に作り出し、運用していくというのが、コラボレーションポータル(すなわち、Groupmax Collaboration)の最大の特徴なのである。

コラボレーションポータルが満たすべき機能上の要件として、日立が考えているのが@クロスファンクショナル、Aセキュア、Bユビキタス&グローバルの3つ。クロスファンクショナルとは、その意図するところは、既存の組織構造にとらわれないオープンなメンバー編成によって特定のテーマを追求する特別チームを編成するということである。この仕組みをITによって実現するとなれば、当然ながら情報共有のしかたには工夫が求められることになる。

セキュリティはすべての情報システムに共通して求められる要件であるが、コラボレーションポータルの場合、「同じ仕事に取り組むメンバー間で組織や職位を越えた情報共有を自由に行える一方で、コミュニティ外に対しては情報を隔離できる」(銘苅)ことが条件となる。つまり、情報の“共有”と“隔離”という相反する要求をともに満たすことができなければならないわけである。

そして、最後のユビキタス&グローバルは、ワークプレースへのアクセスをどこからでも行えることを意味する。外出先や自宅からはもちろん、海外からでも利用できるのだ。もちろん、携帯電話やPDAなどの機器でもアクセスが可能でなければならない。

また、以上3つの要件に加えて、日立が特に重視しているものに、「日本型ワーク・スタイルへの対応」も挙げられる。個人主義と成果主義が根づいた欧米とは異なり、日本企業のワークスタイルは、経過重視で集団主義的であるとされる。そのため、個人の生産性向上よりも、集団(組織、チーム)での生産性向上を目指すという“思想”が根本になくては、ITによる非定型業務の効率化は図れないということになるのである。

安全性と操作性の両立を実現

このような要件に基づいて開発された日立のGroupmax Collaborationは、コミュニティごとに設けた複数のワークプレースを、ポータルから利用する。複数のコミュニティに参加している人の場合は、サイドメニューでワークプレースの切り替えを行うか、その人がかかわっている仕事を1つのワークプレースにまとめて表示する「マイワークプレース機能」を利用すればよい。

また、前述したような情報の共有と隔離を行うために、ワークプレースならびに共有データに対するアクセス権は参加コミュニティやメンバーの属性などに応じて細かくコントロールすることができる。コミュニティはだれでも編成できるが、その編成者であるコミュニティ管理者は、コミュニティの存在自体を公開することも隠すこともできるし、メンバーの集め方も「自由参加」から「管理者による登録」まで選ぶことが可能だ。また、情報漏洩を防ぐために、GroupmaxCollaborationの電子メールには、ファイルそのものを添付するのではなく、共有フォルダに保存したファイルのリンク(パス)を添付することも可能である。

さらに、ワークプレースのユーザーインタフェースは、利用者自らが使いやすいようにカスタマイズできる。ポートレットも、一般的なPIM(Personal Information Manager)ツールやコラボレーション部品のほかにも業務アプリケーション部品や約40種類にも及ぶYahoo!ポートレットが用意されているため、人と人とのコラボレーションを支援する機能だけでなく、社内外からの有益で鮮度の高い情報へもGroupmax Collaborationの画面上からアクセスすることが可能になる。そして、Webベースのインタフェースでありながら、右クリックメニュー、ドラッグアンドドロップ、ダブルクリックといった通常のアプリケーション並みのGUI操作にも対応している。その操作性の高さが評価されて、日本産業デザイン振興会が選ぶ2005年度のグッドデザイン賞(商品デザイン部門)も受賞した。

7万人がコラボレーションに参加

では最後に、Groupmax Collaborationのワークプレースを利用したコラボレーションの成功事例を紹介しよう。

1つ目は、合併に伴い、庁内システムの刷新に迫られたある地方自治体での事例だ。この自治体では、従来からグループウェアを導入していたが、そのスケジュール機能は使いづらく、電子会議室でのディスカッションもあまり効果がないといった悩みをかかえていた。そこで、Groupmax Collaborationが新たなコラボレーションポータルとして導入されたのである。その結果、消防士や保育士など、日常は一堂に会すことがまずない職種の人々も参加し、グループ作業の場として、100にも及ぶ庁内コミュニティが活動中だという。

そして2つ目は、日立グループ自身の事例である。同グループでは、GroupmaxCollaborationを統一のコラボレーション環境として使用している。システムの規模は非常に大きく、2005年10月の時点で、ユーザーアカウント数は約20万、約3,000のコミュニティと約5,000の電子会議室に参加しているユーザー数は、実に7万人に達する。これだけのユーザー数にサービスを提供できるコラボレーションポータル製品は、他にもほとんど例がないと言える。創造性が求められるオフィスワーカーの非定型業務を効率化することによって、ビジネスの価値を高める――そのために、Groupmax Collaborationは確かな役割を果たしているのである。

ある地方自治体のGroupmax Collaboration採用のポイント

  • 組織の枠を越えたグループでの業務遂行に適切
    1. 部署ごとに役割は決めるがオブザーバ的立場で参加できるグループ(コミュニティ)作業に合っている
    2. グループ(コミュニティ)が自由に設定できる
  • 優れた操作性・使い勝手の良さを評価
    1. Webシステムでありながら優れた操作性を持つ
    2. やりたいことが直感的に操作できる
  • 必要とする機能を装備
    1. 従来も電子会議を行っていたが議論が拡散したり埋もれたりで結論が導き出せていなかった。しかし、同製品では問題解決型(議論の状態表示、回答責任者、期限の設定等)の議論が見込める
    2. 秘書課が求める高度なスケジュール機能を持つ
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IDGジャパンCIOマガジン2006年2月号に掲載