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 博士が言いました。

「この小説の中には、二十三体の『みどる』さんが隠れておるんじゃ。今日はそれを片っ端からみつけていこうと思う」

 助手の『みどる』君が心得顔で応じます。「今博士が言った台詞の中の"『みどる』さん"というのでまず一体ですね。さあ頑張ってあと二十二体を見つけて行きましょう」

 博士は助手の『みどる』君へと、相変わらずこいつは駄目だなあと憐れむような目を向けました。「違うぞ、『みどる』君。ワシはこの小説の中に、と言ったのだ。だからもうここまでくる間に既に、なんと五体の『みどる』さんが登場しているのだよ」

「なんですって! いや、わかりましたよ。この小説の中で探すわけですから、僕の台詞の中の『みどる』の数も数えなければいけないわけですね。博士はここまでの台詞の中で三回『みどる』と言っていて、僕が『みどる』と言ったのは、これで、えーと、四回目です。だからここまでに七体の『みどる』さんを発見したってことですね! あ、今八体になりました!」

「違うのだよ、『みどる』君。君はまだ物事の一部分しか見えていないのだ」

「どうしてですか、どこが間違っているっていうんですか!」『みどる』君は博士にくってかかっていき、胸倉を掴んで締め上げます。博士の顔がみるみるどす黒くなっていきます。

「ま……待ちたまえ、君のな、名前は……」

 『みどる』君は怒った声で応えます。「『みどる』ですよ。ええ、『みどる』ですとも。小さな頃から妙な名前だってよく言われてきましたよ。なんです今頃そんなことを掘り返したりして」

「いや、だから、落ち着けって」博士はようやく『みどる』君の腕を振り払い、ぜえぜえと粗い息をしています。「台詞の中だけでは駄目なんだ。字の文にも登場する『みどる』の数も数えなければいけないんだよ。だからほら、これで十七体だ」

 『みどる』君は怪しむような目で博士を睨んでいます。「地の文とかよくわからないことを言って誤魔化そうとしたって駄目です。僕にはそんなもの見えませんよ。ほんとは、博士にだって見えていない『みどる』さんがいるかも知れないじゃありませんか。どうして二十三体きりだってわかるんです? 僕には見えないものがいるって博士が言うなら、博士には見えないものがいるって僕は言いますよ! ほら、そこにも、ここにも、博士は何もわかってませんよ。見えないんですか? この小説の背景として描かれている無数の『みどる』っていう文字が! 掴み取り放題じゃないですか! 掴みますよ! ほら、掴み取りましょうよ。掴み取るんですよ! つか『みどる』の中にも『みどる』さんはいるんですよ!」

「うむ。それで二十三体」博士は満足そうに言いました。博士という字のまわりを、背景の文字が飛び回っていることは、まだ教えないでおいてあげて下さいね。世の中には知らない方が良いことも沢山存在しているのです。

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※商品画像はイメージです。

中間小説の隠しテーマを探せ!―この小説のお題はなんでしょう?

この中間小説は、実は事前に設定されたある「お題」に基づいて書かれています。
お題は毎回かならず変わります。
お題は毎回かならず「る」で終わる動詞です。
たとえば、第6回『ユア・アイズ・オンリー・オン・ミー』のお題は「見守る」。
第5回『さかなもじゆるさじということ』のお題は「こぞる」。

さて、ここで問題です。

今回の『みどらみどれみどりみどろ』に設定されたお題は何でしょうか?
いつものように、「〜〜る」で終わる動詞です。

応募方法:タイトル下の「ツイート」ボタンからツイートしてください。(Facebookでの投稿は受け付けておりません)

応募締め切り:2014年4月15日

結果発表:2014年4月16日に、作者である円城塔さん(@enjoetoh)がTwitterでつぶやきます。

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(当選者には、Twitterのアカウント宛てに担当者よりご連絡させていただきます)

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