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[連載]第8回 Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform

Red HatはOpenStackの7つ目のバージョン・GrizzlyをベースにRed Hat Enterprise Linux OpenStack Platform(以降、RHOSP)3.0を2013年6月にリリースし、OpenStackの商用版のサポートを開始しました。 Red Hat Enterprise Linuxとの統合を始め、Red Hatの他のソリューションとの連携に大きな期待が集まっています。弊社、Red Hatのクラウドポートフォリオについてご紹介します。

Red HatとOpenStack

前回、OpenStackは2010年に最初のバージョンがリリースされたことをご紹介しました。OpenStackの開発は、複数の企業や個人から構成されるOpenStack Foundationによって進められており、 Red Hatは2012年4月のOpenStack Foundation発足時にプラチナメンバーとして参加しました。日立製作所も2013年11月にOpenStack Foundationのゴールドメンバーになっており、財務面だけではなく技術面、 つまりソースコードの開発に参加することを表明しました。Red HatはOpenStack Foundationの発足以前からOpenStackの開発に関わっており、ソースコードの提供の貢献度でトップとなっています(図1)。

図1:OpenStackソースコード提供の貢献度

Red HatがスポンサーするOpenStackコミュニティ「RDO」

弊社は、「RDO」というOpenStackのコミュニティ(http://openstack.redhat.com/)をスポンサーしています。 「RDO」の主な目的はOpenStackのパッケージングとPackStackというインストーラの開発で、これら「RDO」の開発物はRDOと呼ばれています。RDOの重要性を理解いただくために、パッケージングとインストーラが必要となる理由を簡単に説明しましょう。

OpenStackの成果物、つまりソースコードは、バージョン管理システムであるgitというツールを使って公開されています。しかし、Fedora / RHEL(Red Hat Enterprise Linux)ではパッケージ管理システムであるRPMを用いてソフトウェアの管理をしており、 ソースコードをそのままダウンロードして利用するというのは都合が悪いのです。OpenStackは多くの部分がPythonというプログラム言語で書かれており、RHELに同梱されているPythonのバージョンやライブラリに依存する部分があるため、それらをチェックして RPMというファイル形式でパッケージングする必要があるわけです。

また、前回説明したようにOpenStackは複数のノードに役割を分散して構築するのが一般的であるため、それらのノードで必要となるRPMパッケージの組み合わせは異なります。この組み合わせをノードごとに選択して間違いなくインストールするというのは 非常に大変な作業となるので、PackStackがノードの役割に応じてRPMパッケージを選択してインストールする、という役目を担っているのです。

さらにRDOは、RHOSPのベースとなるという重要な役目も担っています。無償で利用できるRDOで多くのユーザに試用してもらい、それをベースに厳密なQA(品質保証)や動作認定などを実施し、有償の商用サポートを付加したものがRHOSPということになります。

RHOSPの内容

RHOSPは約300のRPMパッケージで構成されます。ベースとなるのはRHEL 6.5のx86_64版となっており、RHELに同梱されるRPMパッケージとの依存性を解決できるように整合性がとられています。 "openstack-"という名前のついたRPMパッケージがOpenStackの各コンポーネントで、他のRPMパッケージはOpenStackを動作させるために必要なライブラリやツールです。

RHOSPのインストール

いわゆる「本番」のOpenStackの構築では、OpenStackの各コンポーネントを別々のサーバハードウェアにインストールすることになりますが、ここではすべてのコンポーネントを1台のサーバハードウェアに インストールする手順(all-in-oneインストール)を簡単に紹介します。

サーバハードウェアにRHEL 6.5のx86_64版をインストールした後、yumコマンドでPackStack(RPMパッケージはopenstack-packstack)をインストールし、packstackコマンドに"--allinone"オプションを付加して実行します。無事インストールが終了するとURLが表示されるので、ウェブブラウザでアクセスしてログインするとOpenStackを利用できる(図2)、という手順になります。実は、これほどセットアップ手順が簡単になっているのはPackStackのおかげです。

図2:ウェブブラウザでアクセスしてログイン

Red Hatのクラウドポートフォリオ

仮想化ハイパーバイザであるKVMを皮切りに、Red Hat Enterprise Virtualization(以降、RHEV)、RHOSPと続いてご紹介した本連載の最後に、Red Hatのクラウドポートフォリオについてご紹介しましょう。

プライベートクラウド、パブリッククラウドの双方を利用してコストを削減しつつ、ビジネスの迅速性を向上するオープンハイブリッドクラウドが将来のコンピューティングの姿であると、Red Hatは考えています。そのためには、それらのクラウドのブリッジとなるソリューションが必要であるため、Red HatはCloudFormsという製品の最新版・3.0を2013年11月にリリースしました(図3)。

図3:CloudForms 3.0

CloudFormsは、RHEVやRHOSPに加え、他社製の仮想化製品や認定されたパブリッククラウドを相互に接続し、コストやワークロードといった要因で時々刻々と変化するコンピューティングのニーズに応じて、最適なビジネスアプリケーションの配置を可能にする製品です。執筆時点では日本向けのサポートの提供を開始していませんが、近い将来、皆様にご利用いただけるようになると確信していますので、是非、ご期待ください。